Dior Tour @ Granville Vol,2 !!! | ダイコ★ブログ

Dior Tour @ Granville Vol,2 !!!


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 はい、引き続き、ディオールのグランヴィルツアーの後編をお伝えしますね。美術館でファションとアートによる印象派の素晴らしさを体験した後は、ランチ迄の間のしばしの時間、敷地内を散策する事にしましょう。

 こちらは、この館の顔とも言える美しい飾りのテラスの内側です。他は全て補修しているそうですが、このテラスだけは当時のまま。おそらくムッシュ ディオールも幼少の頃ここで移り行く四季の色合いを楽しんだのかもしれます。

 7月のフランスは一年で一番のベストシーズンでもあり、鮮やかな花や緑の息吹が私たちを庭園に誘います。。。

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 まずは、このお屋敷の海を臨む展望台へ行ってみましょう。ノルマンディーの強い風から屋敷を守るため、海沿いには高い壁面が施されています。その一角に海を臨む展望台が作られ、海の向こうはイギリスですね。

 朝は曇っていた天気もミュージアムを出る頃にはすっかり晴れ上がり、ノルマンディーという場所柄あまりこんな晴天はないそうで、とても珍しいと皆さん仰っていました。

 背景にそびえる松の木はこの美術館のホワイトとネイビーの部屋のビジュアルに使われていた木で、定点カメラで長時間撮影された映像を早送りして上映し、この地の風をコンテンポラリーに表現したビジュアルになっていましたね。

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 この展望台の側には一面の紫陽花が植えてありました。英語でハイドランジアと呼ばれ、『水の器』という意味を持ちます。日本原産のこの花は古くは万葉集にも唱われた花で、『藍色が集まったもの』という語源から『あじさい』と呼ばれるようになったとか。。。

 私は九州の長崎出身なので(本当はプロヴァンス出身と言いたい所ですが、、、)、この花には人一倍縁があります。江戸時代、ドイツの医師、植物学者のフィリップ・フランツ・シーボルトが鎖国中の日本の、長崎にやって来て発見したのがこの花で、彼が愛した日本人の女性、楠本滝の相性、『おたくさ』をこの花の学名に付けます。正式名称はHydrangea otaksa。やがて彼はこの花をヨーロッパに持ち帰り、今日のように大輪の華やかなあじさいが沢山品種改良されて来ました。

 
私が通っていた学校の側にシーボルトの記念公園があり、おたきさんの銅像の周りには毎年6月になると、大輪のピンクや紫、ブルーの紫陽花が咲き乱れます。後ほどたっぷりお話しする薔薇と並んで、この場所は紫陽花でも有名だそうです。

 大量の水を好み、少し寒い所が適した性質を持つ為、日本より高い緯度を持つこの地はとても生育に適していて、いつもまでも花が残り、枯れる時もゆっくりと秋色に移ろいながら長い時間楽しむ事が出来ます。

 どことなく、日本で見る紫陽花よりも上品で、可愛らしい気がするのは私だけでしょうか。。。。

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 庭園を奥へ進むと、そこにはディオールを代表する花、バラの園があります。ムッシュ ディオールのお母様がとても愛し、いつも気にかけていたこのバラ園ですが、様々な種類の美しいバラが咲き乱れ実に良い気分でしたね。いつくものアーチを飾ったり、顔のすぐ側で花開くように計算された物等様々で、もちろん種類も多種多様です。

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 高く花開くのはおそらくバタースコッチです。焦がしバターをかけたようなアンティークなイエローが印象的で、優しい印象の八重咲きのバラです。バラは育つ場所や近くに植えてある他の種類との交配により、種類を特定するのは実に難しいそうで、毎年何千種類という新種が登場し消えていくそうです。

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 日本のガーデニングと違いこちらではかなり野趣溢れるスタイルがガーデニングの流儀。枯れた花や咲き過ぎの花も敢えて残し、たおやかな美しさを楽しんだり、街の花屋さんでも咲き過ぎのバラやピオニーを買う事が出来ます。

 日本のように日持ちがするからと言って、つぼみばかりのブーケを作るのではなく、その一瞬一瞬をきちんと見極め、愛でるところにフランス人の美意識の高さを感じますね。同じく日本では花が多く、扱い易い物がどんどん品種改良され、あっという間にそれがメインストリームになってしまう事が多いのですが、どれだけ育てるのが面倒でも、美しい物は美しい物としてきちんと残し、大切に保存するという文化はガーデニングや花の世界にも感じる事が出来ますね。

 まるでアレンジされようなこんな可愛らしいシーンもこの庭では見る事が出来ます。下手に剪定しないで植物自身が伸びたいように演出する。そうすると花達はお返しにこんな自然のブーケを見せてくれます。良く解ってるからこそ出来る、実にレベルの高い仕事で、うすピンクの大輪のモダンローズに小さな一重咲きのクラシカルな原種のいばらのような種類のバラが寄添うように咲いていましたね。

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 バラ園の最後には圧巻のクライミングローズ(吊るバラ)で覆われた素敵な壁面が登場します。海風除けの壁にもこのように花々を飾り、晴天のノルマンディーの青い空が最高の背景になります。

 今回、この特別展に合わせて、香りの小道(Impressions de parfumeur)という庭園内を散策するルートが作られました。敷地内を巡回する事で様々な植物と出会い香りを楽しむ事が出来ます。

 いやぁ、、、ここまでくると圧巻ですよ。。。。人生でこんな沢山の薔薇に囲まれる事なんて初めてですね。。。一緒に同行していたレディー達はの女性ホルモンが、音を立てて分泌されるのが良く解りましたね。www
 
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 さりげなく置かれたベンチでパシャリ!まさに秘密の花園の気分ですよ!でもこれだけいろんな種類のバラを見ると、ムッシュ ディオールも幼少期にこれを見たんだなぁ~と思いを馳せてしまいます。ディオールのドレスはどれも花のように軽やかで華やか。さっきミュージアムで見て来たような色合いのバラも咲いていますし、スカートのヘムの揺れるようなラインは、ノルマンディーの風に揺れる花びらのようです。

 ちなみにバラはこのメゾンを代表する花でもあり、ドレスのデザインやプリント、ファイン ジュエリーのモチーフやその香りはフレグランスにまでも取入れられ、大切にされています。そして、クリスチャン ディオールという名前の付いたバラも実際にあります。大輪で尖った花びらが印象的な、実にバラらしいバラですね。



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 さて、良い感じにお腹もすいて来た所で、この日のスペシャルなランチを楽しむ為に、ミュージアムの側のChateau de la Crêteへ参上し、こちらを貸し切っての素敵なランチの時間が始まります。ほんと映画に出てくるような素敵なお城!!!しかも入り口にはこんな素敵なアレンジメントが施してあります!!!

 ピンクやベージュの上品なカラーのバラやピオニー、あじさい等、ナタリー・ポートマンのイメージビジュアルを彷彿させるエレガントなアレンジメントが溜まりませんねぇ!!!

 取りあえず、いっとくでしょ?両手に花しょって!!!

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 会場に入ると、これもまた見事なテーブルセッティングがゲスト達を待ちわびています。テーブルの真ん中にはエントラスのアレンジと同じ、ピンクやホワイトのバラやピオニー、スイトピーー等も飾られていましたね。一見大き過ぎるようにも見せますが、向かいに座るゲスト達の手元は見なくて、話をする時に顔の周りを美しい花が飾るようにきちんと計算されていたのも、実に素晴らしかったですね。

 スズランもまたディオールでは大切にされている花で、テーブルクロスやナプキンにはこのエンブロイダリーが施され、お皿もバラとすずらんのディオール オリジナルの物でした。

 いやぁ~~~実に素晴らしいですねぇ。ラグジュアリーで!!!後ろ髪を引かれながらゲスト達は一度お庭に案内されます。

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 海に面した緩やかな坂は芝生が美しく整えられ、頬にあたるノルマンディーの風が実に気持良かったですね。燦々と降り注ぐ太陽の下でここでシャンパンのウェルカムドリンクを楽しみます。そりゃ、酔っぱらいますよ!アゲガゲで。

 素晴らしかったのが、この日ゲスト達と同じ人数くらい同行した世界中のディオールのスタッフの皆様。それぞれにゲスト達を楽しくもてなし、自然に気を使って下さる感じも実に洗練されていましたね。この写真を撮って下さったのも、ディオールのアンバサダーと呼ばれる素敵な紳士で、『Hey ! Prince ! Give me a Nice smaile !』と言われたので、『No ! Princess !!!』と突っ込みましたら爆笑して下さいました。。。嗚呼、なにやってんだか、、、俺、、、条件反射で世界中何処でも突っ込んでしまいます。。。。

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 さて、お楽しみのランチですよ!この日の私たちの胃袋をオーガナイズするのは、もちろんAlain Duval氏。この地ならではの海の幸を生かしたヘルシーで素敵なコースが登場しました。

 まずオードブルはシーバス(鱸)のタルタル。シボレットの風味が心地よく、ペロリ!とイケちゃいましたよ。

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 メインはオマールを中心に様々な海の幸に、アスパラを添えて頂きます。これ、茸のソースがかかっているんですが、茸と魚介がこれだけ合うなんて、この時初めて知りましたね。

 ウェルカムドリンクのシャンパンからワインは白から赤に変わり、もう、、、、ほんとすいません!!!楽しくてすっかり上機嫌でした!!!!

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 デザートはスープ仕立てのイチゴのコンポート。本来アイスクリーム等にかけてソースとして楽しむ物ですが、日差しが強かったこの日は、程よく冷やし爽やかで、ビタミンC補給の為にも実に嬉しいデザートでしたね。

 いちごを様々な大きさにカットし、口当たりのコントラストを楽しみます。コンポートは軽く火を通すものですが、これだけ大きさが違う訳ですから手間もかかる訳で、和食にも通じる手の込んだスィーツでしたね。

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 帰りは行きと同じグランヴィルの空港からヘリコプターで戻ります。私たちが見学したディオール ミュージアムの上をヘリコプターは旋回し、空から見ても本当に美しい環境にあるんだなと実感しましたね。途中、ヴェルサイユの上空を飛び、パリに近くなるとエッフェル塔を目指して行くのも楽しいアトラクションでしたね。

 こちら、グランヴィルのエアポートの側にラベンダーが植えてありました。手でつまんで花弁を潰すとフレッシュな清々しい気分になれます。ヘリコプターに乗るのに高所恐怖症の人や気分が悪くなる人もいるので、そんなゲスト達の事を考えて鎮静作用のあるこの花を植えているんでしょうか???だったら凄いんですけどね。

 可愛いミツバチも見送りに来てくれましたよ。



 さて、ディオールの世界観をたっぷりと五感で楽しんだこの日。改めてこのメゾンの高い美意識とその根底にしっかり流れるアイデンティテーのような物を感じましたね。ムッシュ ディオールを始め、マルク・ボワン、ジャンフランコ・フェレ、ジョン・ガリアーノ、そしてラフ・シモンズと沢山のデザイナーがバトンを渡し、常に時代の最先端を走り続け、フランスを代表する一番のメゾンの一つに君臨して来ましたが、この華やかでラグジュアリーな世界は、誰がデザイナーになろうとしっかり付け継がれ、そこに伺える最高級の素材とテクニックは全く揺るぎのない物でしたね。

 コレクションの会場やre-seeだけでは感じられない、大らかでたおやかな世界中の女性をレディーにしてしまう魔法にかかったような、麗しい時間を過ごさせてもらい、またクリスチャン ディオールへの熱い思いに火が付いた感のある素晴らしいツアーでした。



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展覧会「IMPRESSION DIOR(インプレッション ディオール)」


2013年9月22日まで

Musee Christian Dior-Villa<Les Rhumbs>

Rue d'Estouteville-50400 Granville
tel/02 33 61 48 21

museechristiandior@wanadoo.fr
グランヴィル、ディオール ミュージアムのサイトへはこちら からどうぞ。
 

 
 2013-14 F+W Christian Dior PARIS Prêt-à-Porter COLLECTIONはこちら からどうぞ。
 2013-14 F+W Christian Dior 東京でのプレゼンテーションのリポートはこちら からどうぞ。

 2013 S+S Christian Dior PARIS Haute Couture COLECTIONのリポートはこちら からどうぞ。

 2013-14 F+W DIOR HOMME PARIS MEN'S COLLECTIONはこちら からどうぞ。
 2014 S+S DIOR HOMME PARIS MEN'S COLLECTIONはこちら からどうぞ


 Christian Diorのサイトはこちら からどうぞ。


 
 今回のリポートしたChristian Diorの素敵なお話も掲載されている私の初の著書、『ブランドパスポート』は、現在絶賛発売中です。シグネチャーのバッグのMISS DIOR、バージャケットのお話等も楽しめます。


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