『戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する』・その1 | くらえもんの気ままに独り言

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秘密の貿易交渉 TiSAの恐怖

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tisa


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 久々に読書レビューです。


 今回は佐藤健志氏の最新刊『戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する』(徳間書店)を取り上げたいと思います。


本書はこちら

戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する 佐藤健志 著

http://www.amazon.co.jp//dp/4198640637/


 さて、本書におきまして「キッチュ」というキーワードが登場します。


 この「キッチュ」という概念ですが、本書での説明を抜粋しますと


(1)明らかに無理があるタテマエを

(2)〈みんなが共有している(はずだ)〉という点を根拠に「崇高にして達成可能な、美しい理想」のごとく絶対化し、

(3)そのような姿勢を取るうえで都合の悪い一切の事柄を、汚物のごとく見なして排除したがる態度。極端になると、〈自分たちの理想を否定するもの〉が存在すること自体を、そもそも認めない状態にいたる。


 とされております。


 佐藤氏によると親米保守も左翼・リベラルも反米保守もそれぞれがそれぞれのキッチュに陥っており、日本の問題が泥沼化していると。


 キッチュの状態にはまってしまうと、このような感じになってしまうようです↓


(1)「そもそも答えがない」ことを前提とするのではなく、「自分の立場こそ絶対に正しく、他に選択肢はない」という姿勢を取る。

(2)真に重要な論点については議論したがらない。そのような議論は、「そもそも答えがない」ことを暴露しかねず、「自分の立場が絶対に正しい」という前提の否定につながりうるためである。

(3)立場の違う相手とは折り合おうとせず、逆に威圧して攻撃する。


 ネット上でも、現実社会でもよく見られるような光景ですね(;^_^A


 いくら考えても正しい答えが出てこない問題っていくらでもありますよね。


 それを、これこそが正しいんだ!ってやっちゃうような状態がいわゆるキッチュってことでしょうか。


 本書に登場したキッチュの例を挙げると


 恒久平和万歳の〈平和護持キッチュ〉

 反政府イコール正義の〈反政府キッチュ〉

 日米は対等なのだと思い込む〈日米対等キッチュ〉

 改革とは常に正しいと信じる〈改革推進キッチュ〉

 日本は必ず自主独立できると信じる〈自主独立キッチュ〉

 日本の指導者は実はアメリカに服従してなどはいないという〈面従腹背キッチュ〉


 などがあるようですが、他にもいろいろバリエーションはありそうですね。


 そして、これらによる思考停止が全体主義へとつながっていくというわけですね。本書によれば特定の政治的キッチュが支配的な権力を握ったとき、その社会は全体主義となるようです。


 とすると自民党一強状態というのは、ほぼ全体主義に等しい状態になっているということでしょうか。


 たとえ、どの勢力もそれぞれキッチュに陥っているとしても、特定の勢力に権力が集中しすぎるのは非常にまずいということなのでしょうね。(選挙の際はそのあたりも十分考えた方がよいかもですね。)


 さて、キッチュが思考停止と結びつくものであれば、キッチュに陥っている状態とは望ましくありません。この状態では問題の全体像をつかむことができず、問題の解決へ至ることが不可能となるらしいですし。


 だからといって、キッチュを完全否定できると思うのも「反キッチュ」キッチュになるかもしれませんが(笑)。


 キッチュなるものはおそらく万人に潜むものでしょうし、それをすべて消し去るのは不可能なのでしょうが、思考停止はすなわち人間としての死を意味するものなので、できればキッチュにも対抗したいところ。


 しかし、キッチュの克服には大きな問題があります。それは、


 自分で自分のキッチュに気づくのはほぼ不可能


 ということ。


 そもそも問題を思考の外に消し去ってしまっているのがキッチュの特徴なのですから、ないものを自覚するのは難しいです。


 しかし、このキッチュなるものは、自分のものに関しては全く気付かないのですが、他人のものになると結構気づいてしまうもののようです。これを利用しない点はありません。


 つまり、自分の敵対勢力からのツッコミ。これが自分のキッチュに気づく手っ取り早い方法でしょう。


 ただし、気づいたとしてもキッチュは自分の深層心理としては自覚したくない・消し去りたいものなので、これを自分の気に食わない相手からツッコまれると、まぁ多くの場合はブチ切れて不毛な罵り合いに発展するパターンがほとんどなのではありますが(;^_^A


 そこをぐっとこらえてキッチュと向き合うのが思考停止(生ける屍)状態を回避するための第一歩といったところでしょうか。


 というわけで、今回はここまで。その2はやるかどうか未定。



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