本題に入る前に、まずはTPPについて。
TPP署名式へ「早期発効に向け働きかけを」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160202/k10010395051000.html
というわけで、明日にはTPP協定の署名式が執り行われ、各国議会において承認されるのを待つのみとなりました。各国と言いましても、日米を含めた6か国が承認すれば、TPPは成立ということになりますが…。
さっそく、日本の国会ではTPPに合わせる形での国内法の改正(いわゆるTPP関連法案)について、片づけてしまうつもりでいるようです。
TPP関連11法改正へ 承認案と一括審議 政府
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=35899
まだ、TPPは発効が正式に決まってはいないのに、拙速すぎやしませんかね??
このTPPですが、政府の試算ではGDPが実質14兆円アップするのだと…。(相変わらず、いつまでにアップするのかは不明ですが)
効果14兆円 政府試算、GDP押し上げ
http://mainichi.jp/articles/20151223/k00/00m/020/080000c
しかし、タフツ大学の経済学者の研究によればTPPによって、日本はGDPを10年間で0.12%押し下げ、7万5000人の失業者を生み出すとの論文が出ております(アメリカはGDP0.54%減の失業者44万8000人増)。しかも、GDPのうちの労働者シェアは-2.32%とアメリカをもしのぐ低下が予測されております。
タフツ大経済学者、TPPは米国と日本にはマイナスの経済効果
http://www.businessnewsline.com/news/201601250806530000.html
さらには、聖域は死守したと豪語している日本政府ですが、実態は日本においては聖域なき関税撤廃となっているようで…。
「TPP」…聖域なき関税撤廃
http://ameblo.jp/tadashi-hiramatz/entry-12124428716.html
全農産品で関税撤廃の恐れ TPP協定案を弁護士ら分析
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201602/CK2016020202000136.html
そして、TPPの実態について東京大学の鈴木教授もこのように述べております。
隠され続けるTPP合意の真実と今後の対応策
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/su-24-3b5c.html
(リンク先の鈴木教授の文章は必読です。まだ読んでいない方は必ずクリックして読んでください。)
さて、黒いお金を受け取り、この度閣僚を辞任することになった元TPP担当大臣のアーリマン甘利氏ですが、これをかばう意見が存在することに驚きです。
甘利大臣、「絵に描いたようなあっせん利得」をどう説明するのか
https://nobuogohara.wordpress.com/2016/01/21/
甘利辞任陰謀説を唱えるクソネトウヨユーチューバーがいるらしいwww
http://ameblo.jp/kattann2525/entry-12124242807.html
まったく…真っ黒くろすけですな…( ̄▽ ̄)
甘利氏と言えば、世間ではTPP交渉を頑張ったというイメージですが、過去にそんなアーリマンの手から放たれる衝撃波によって転倒させられた(注:冤罪事件です)三宅雪子元衆議院議員のツイートがこれ。
https://twitter.com/miyake_yukiko35/status/693204858468368384?lang=ja
三宅雪子(支え合う社会を目指して)@miyake_yukiko35 1月29日
「TPP交渉で頑張った」という人に「なにをどう頑張ったか具体的に述べよ」と突っ込めば、答えられないはず。TPP交渉で、日本が得たものはゼロだからだ。・徹夜で交渉した日があった(本当だか不明)。・白髪染めをやめた この2点で「頑張った」になるなら、国民を欺くのは容易いものである。
むむ…正論ですな。
とにもかくにも重い腰を上げてようやくTPPの日本語訳を出してきた日本政府。
TPP協定(仮訳文)について(内閣官房TPP政府対策本部)
http://www.cas.go.jp/jp/tpp/naiyou/tpp_text_kariyaku.html
今更、こんな大量な資料を読めるかヽ(`Д´)ノ
って方に、朗報!!
PARC(アジア太平洋資料センター)の研究チームがTPPの全体像と問題点をまとめてくださいました。こちらも必読です!!
TPP協定の全体像と問題点
http://www.parc-jp.org/teigen/2016/TPPtextanalysis_ver.1.pdf
また、TPP関連資料はこちらのサイトにもたくさんあるので、お時間のある方は是非。
TPP関連資料館
http://notpp.jp/documents.html
さーて、話が脱線しすぎました。
では、本題。
TPPに関してはアメリカ議会の方が承認に関してもめそうな可能性もあり、批准されるかどうかは不透明なのですが、実はTPPの裏側で日本の構造改革は着々と進められております。
TPPと日本の構造改革
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12106045542.html
そして、グローバリストの秘密兵器TiSA(新サービス貿易協定)についての続報です。
まだ、お読みでない方はこちらを先に必ず読んでください↓
秘密の貿易交渉 TiSAの恐怖
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-12005137069.html
いやぁ、こわいですねぇ。TPPをも上回る狂いっぷりです。
それでは、現在の進捗状況です。まずは外務省の資料を見てみましょう。
サービス貿易に関する新たな協定(TiSA)に関する非公式閣僚会合
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000127135.pdf
以下、議論の概要を抜粋してみましょう。
2.議論の概要
(1)昨年12月の第10回WTO閣僚会議の成功がもたらしたモメンタムを失うことなく,本2016年中に交渉を妥結させるべきとの意見が多数出され,これを目標に交渉を加速することで一致した。
(2)今後の交渉の具体的道筋として,核となる条文及び各付属書の交渉(ルール交渉)並びに市場アクセス交渉の段取りと時間的枠組みについて意見交換が行われ,積極的に交渉を推進しつつ,サービス貿易分野における高い水準の「ベストFTA」の実現を目指すべきとの認識で概ね一致した。
(3)また,政治的なモメンタムを維持することが重要であり,今後も機会をとらえて閣僚レベルの会合を開催するべきとの意見も出された。
本2016年中に交渉を妥結させるべきとの意見が多数出され,これを目標に交渉を加速することで一致した。だそうです。
うわぁ…( ̄Д ̄;;
そして、TiSAの実態についてはこちらに詳しく載っております。
新サービス貿易協定TiSA: 世界統治のための要素
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-0c53.html
(原文)Trade in Services Agreement: Element of Global Governance
TiSAの概要をかいつまんで書くとこんな感じです。
①市場のルールは国民国家でなく超国家組織が決定すること
②TiSAの対象とする規制は商業サービス市場のみならず、公共サービスも含む
③公共サービスはすべて民営化していくこと
④国のサービスは多国籍企業・多国籍銀行に全面開放すること
つまり、国家を解体して、各国国民は多国籍企業の奴隷として生きていきましょう、ってことですね( ̄▽ ̄)
ざけんじゃねぇっヽ(`Д´)ノ
そんな中、TiSA交渉に参加していたウルグアイは、国家の発展につながらないという理由で脱退を決めました。いやぁ、TiSAのことを知った国民の大反発を受け、脱退案が可決されたようです。
ウルグアイ、多者間サービス協定(TiSA)交渉から脱退
http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/intl/1444198728694Staff
それに引き替え、わが国では国民運動どころかTiSAの存在さえ知られていない状況でして…orz
欧州議会ではTiSAに関する重要な採決が本日、行われるようですが、TiSAに関してはヨーロッパにおいてもNGO団体がその危険性についてレポートをまとめております。
Why TiSA negotiations should be halted (TiSA交渉が停止されるべき理由)
各項目の見出しを日本語で言うとこんな感じですかね。
①これは貿易協定のモデルには成り得ない
(主要な途上国は排除してありますからね…)
②透明性も説明責任もなし
(徹底した秘密交渉は、一般国民にとってロクでもない協定であることを示しているようなもんですね。)
③民主的な意思決定を制限
(もれなくラチェット条項(一度自由化した後に問題があっても再規制してはいけないルール)つきです。そもそもTiSAの目的は国家の排除ですから。)
④労働者の権利は保護されない
(労働者の権利保護は強制されず、ILO違反も無問題のようです。)
⑤公共サービスへの脅威
(水やエネルギー、医療、教育が欲しければ多国籍企業様に高いサービス利用料を払いなさいってことか。)
⑥合意内容の修正が可能か不明
(ここは、私もちょっとわからない…)
⑦重要分野の危険な自由化
(公共調達、金融、エネルギーその他もろもろ、危ないようです。)
貧乏人には水も電気も医療も教育も与えないってことですかね…(苦笑)。
もう…なんというか…ムチャクチャです。何もかもが…。
とりあえず、TiSAの存在を周知させ、ウルグアイのような国民運動に発展させないと、どうしようもないって感じですねorz
上で紹介したTPP協定の全体像と問題点をまとめたPARCの方々がTiSAについてまとめた単行本も今春発売予定のようなので、こちらも要チェックです↓。
TiSA(新サービス貿易協定)で暮らしはどうなる!?: ストップいのちの市場化
http://www.amazon.co.jp/dp/4861871271
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