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長きにわたりまして不定期連載しておりました西部邁氏の『虚無の構造』のまとめシリーズもついに最終回を迎えることとなりました。
前回までのまとめはコチラ
『虚無の構造』
虚無についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11929732472.html
気分についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11960544096.html
生活についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11962571929.html
欲望についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11967560491.html
価値についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11967565052.html
人格についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11967565258.html
社交についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11991962085.html
言葉についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11991962609.html
今回は破局についてということで、やや物騒なサブタイトルとなっておりますが、どのような話になるのでしょうか。それでは、さっそくどうぞ(^-^)/
終章 破局について
Ⅰ.ニヒリズムによる破壊
ニヒリストは絶対的な価値を追い求めることをしないため、いずれは沈黙を余儀なくされます。しかし、それでは植物人間同然なので、自己以外のものを否定しまくることで自己を守ろうとします。
この「破壊」を現代ではむしろよいことであるかのように捉えられているわけですが、これによって失われるものはやはり大きい。
しかし、市場礼賛、民主主義礼賛といった感じで、合理性や欲望が重視される世の中となり、やはり行きつく先は破局しかないのかもしれません。
Ⅱ.資本主義の袋小路
市場万能と考えられがちな現代の経済ですが、不確実性や公共性の大切さを考えると市場が万能と考えるのは無理がありそうです。
市場の失敗は明らかである一方、政府も失敗を重ねたりします。そんなわけで、市場礼賛の声はやまず、結局は改革改革の連呼へと至るわけです。
そして、改革→悪化→改革→悪化→改革という悪循環を経るうちに、ニヒリズムは次第に強化され、人々は思考停止へと堕ちていくというわけです。
どうりで、安倍ドリルが強力に国民生活を破壊しようとしても誰も何とも感じないわけです。
Ⅲ.世界主義の迷路
破壊し続ける事で生き続けるニヒリスト、ついにはグローバリズムの名の下、世界規模の規制撤廃に精を出します。まぁ、すべての規制を撤廃してしまうと目標喪失と共にニヒリズムに舞い戻るわけですが。
そもそも、いろいろなものの土台としてナショナル的なものが含まれている以上は、グローバリズムは失敗すると分かり切った代物なのであります。
さらに言えば、グローバリズム推進は文化の破壊による文化からの脱落を意味し、さらにニヒリズムを増強させる結果となるのです。
Ⅳ.言葉における多重分裂
国家あるいは地域共同体を意識せずグローバルなものや個人主義的なものの両極端に走りがちな現代。
インテリジェントたちの言葉は世論の流れに乗って言説がころころと変わり、人々は意味のない言葉をただただ刺激を求めて垂れ流すのみとなってしまっています。
それでは、最後に本節の一部分を引用してこのシリーズに幕を下ろしたいと思います。
「 この絶望に値する光景の中でも一縷の希望が点りうるとしたら、それは、言葉における多重人格症がこの大衆社会における諸制度をパニックに、つまり恐慌に、落とし入れるときであろう。恐慌とは多重人格症者の生存をすら危殆に瀕させる状態のことであるから、そこで言葉の意味体系を総合的かつ安定的なものにしたいとの渇望が生まれずにはいない。
(中略)
これは危機待望論と同じではない。人々の庶民性や思想性は、たとえ恐慌の最中においてとて、自然に発生するものではない。そうした志向や努力を危機到来の前に積み重ねておくことによってはじめて、恐慌の事後への展望が生まれてくる。それのみならず、意味世界に関わる安定志向といい総合努力といい、危機の勃発を極力避けるよう人々に訴えかけることなしには説得力を持ちえないものである。つまり、私のいう「希望」は、恐慌への突入は必至と察知しつつも、恐慌を回避するための方途について思索し、議論するなかで、恐慌からの脱出を図ることが可能になる、という見込みのことだ。」
東日本大震災という大きな自然災害に直面しても変わらなかった日本人。危機が来れば日本人は本気を出すに違いないと甘い期待を抱いていてはいけないのかもしれません。
少なくともニヒリズムという危機を認識している者が、それに対抗する姿勢を見せなければならないのでしょうね。
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