『虚無の構造』・言葉について | くらえもんの気ままに独り言

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 いよいよ残すところ、あと2回となりました『虚無の構造』シリーズ。

 読めば読むほど、虚無には克てないのではないかと思ってしまったりしますが、心構えとして持つ分には有意義ではないかなと思います(;^_^A


前回までのまとめはコチラ

『虚無の構造』

虚無についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11929732472.html

気分についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11960544096.html

生活についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11962571929.html

欲望についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11967560491.html

価値についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11967565052.html

人格についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11967565258.html

社交についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11991962085.html


 それでは、今回は言葉についての話です(^O^)/


第7章 言葉について―失語の時代


Ⅰ.ニヒリストの辿る道筋


 人間は言語的動物と言っても過言ではありませんし、言葉を失ってしまっては人間たりえない状態と言っても過言ではないと。


 言葉に対して虚無感を感じるようなら人間失格というわけですね。ちなみにニヒリズムに陥ったものは多弁であっても、それは単なる空気の振動に過ぎず、言葉を使っているとは言えないのかもしれないと。


 相変わらず過激なつかみですね(;^_^A


 ニヒリストは言葉に意味などないとみなした結果、意味を追い求めることをやめ、そしてその結果として自己否定に走り、身の周りや家族はメチャメチャになり、気づいた時には既に遅く、最後には世界の破滅を願うことになると。

 

 ↑中間のロジックをかなりすっ飛ばしてまとめるとこんな感じです(;^_^A


Ⅱ.論理なき言葉


 数学あるいは物理学が発達した現代では論理性が重視される印象ではありますが、科学・技術について論理だけでは完全に説明はできないものです。なぜなら、その際に用いられる諸仮定は経験に基づくものであり、論理的証明が困難だからです。ましてや社会科学や文学・哲学の分野なら科学・技術の分野以上にそうです。


 つまり、いわゆる数学的な論理(理論の論理)だけではなく「経験の論理」なるものが必要になってくると。


 この「経験の論理」への意識を持たないニヒリストは当然、物事を本当の意味で理解することができず、理解しようともできないわけです。


 結果、詭弁を弄しまくり、ありとあらゆる理論を破壊しまくるわけですね。


 感情と理論を包括的に考え、理解することを嫌ったニヒリスト。論理性が重視されているかのように見えて、実はまったく論理的ではない存在だったというわけです。そして、自分の言ったことを別の日に自分で論破するとかやるわけですね。


 西部先生がここで言いたかったことは


・表現の独創性の源泉は自己の経験からくる

・自己の経験は社会の慣習や伝統につながっている

・独創の仕方も経験を参照せざるを得ない


 ということで、「経験の論理」を軽視すると独創的な表現を創出することは困難になるというわけですね。


Ⅲ.故郷なき言説


 解釈の論理というものを追い求めて言った際にたどり着くところを「故郷」と表現した西部先生。いわゆる日常性が経験というものの源泉になるんでしょうかね。


 しかし、科学は専門化によって日常性を離れ、科学の発達は日常性の破壊を礼賛し、結果として「庶民」と「故郷」は消し去られてしまったのです。


 そして、そこに待つのは過去の忘却、現在への退屈、未来への焦燥、自己への不安です。


 今では故郷は還るところではなく、探すところと化しているようですが、それがなかなか難しい。


 一例としてパースの実践主義のように理論の前提が人間の日常的な実践のなかからいかに形成されてくるかを考究することが大事だと。


 まぁ、ニヒリストは故郷を探すことすらせず、ただ立ち尽くすのみになっちゃうのですが・・・。


Ⅳ.言葉の小児病化


 意思の力は理念や伝統などによって、その強さが支えられるものなのですが、ニヒリストは理念や伝統なんか嫌いなので、悲劇の状況でもそれに立ち向かうことができず、「つまらぬ気晴らし」に没頭するしかなくなるのです。


 この状態をヨハン・ホイジンガは小児病と呼んだのですが、ルールやマナーの消失が特徴のようです。


 考えることをやめ、やりたい放題やって、楽しんでいるよう見えますが、実は孤立感を感じて不快に思っていたりもする。それでも不老不死は望むと。いったいどっちやねん(;^_^A

 

 不快の源泉も分からず、生きる(死ぬ)目的も分からない。結果としてニヒリストは野蛮化していってしまうというわけですね。



 今回のパートは『知性の構造』シリーズも参考になりますので、興味のある方は是非ご覧になってください。


『知性の構造』・まとめ

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11929732154.html


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