ショコラがパーン!

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中本兄「ねぇねぇ電話掛ける時にさ、通話ボタンてあるじゃん」

中本弟『あるね』

中本兄「あれを押すとさ、プー って音するよね」

中本弟『なるね。早く番号入れてくださーい、みたいなね』

中本兄「そうそう、まさにそこ。まさにそれ。あの状態ってなんなんだろうね」

中本弟『なんなんだってどういうこと?』

中本兄「あの プー っていう音はさ、「早く番号いれてーーーー」っていう意味なんでしょ?」

中本弟『まぁそうだろうね』

中本兄「そこをよく プーで表現しようと思ったな! って思ったらなんかすごい気になりだしちゃって」

中本弟『はやくー俺待ってるよ― にも聞こえるよね』

中本兄「ねぇ、その プー なんだけどさ、何か他のものでもないかな?」

中本弟『その プー の状態と同じ状況が他にあるかってこと?』

中本兄「そうそう」

中本弟『そうだなー。例えばタクシーなんかどう?』

中本兄「タクシーで言うと、どこかな」

中本弟『あれじゃない?タクシー停めて、中に入って、行き先を告げるとこじゃない?』

中本兄「そうだね。電話番号はつまり行き先ってわけだから、タクシーで言うと目的地って事になるもんね」

中本弟『タクシーの中に乗りこんで、何も言わずに座っている状態、つまりそれが電話で言うところの プー の状況だね』

中本兄「運転手が言い出したら怖いよね。 プー (早く目的地言え) プー(俺待ってるよー)」

中本弟『客も何事かと思うよね。世にも奇妙な系のタクシー乗っちゃったって思うだろうね』

中本兄「てことはさ、行き先を告げる、つまり電話で言うとナンバーを打った後の事なんだけど」

中本弟『タクシーでの移動中が、電話で言うところのぷるるるっていうコール中ってことだよね』

中本兄「どちらも目的地につくまでの過程だから、そういうことだよね」

中本弟『じゃあさ、途中で「あ、番号間違えてた!」ってコール中に切っちゃったら?』

中本兄「タクシーから飛び降りるって事だね」

中本弟『目的地を言い間違えたら、飛び降りるんだ(笑)』

中本兄「車止めてもらえ(笑)だよね」

中本弟『受話器ガチャンだよ?』

中本兄「タクシーからダイブだよねやっぱり」

中本弟『やっぱりそうなるかね』

中本兄「一回目的地を言い間違えたら、すぐにそのタクシーから飛び降りて、違うタクシーを探す。そういうことだよ」

中本弟『不便だね』

中本兄「死ぬかもしんないからね」

中本弟『目的地は慎重に言わないと』

中本兄「飛行機に例えなくて良かったよ」

中本弟『間違いなく死ぬね』

中本兄「でもお前が最初に国際電話って言ってきてたら飛行機ってなってたかもしれないよね」

中本弟『九死に一生だよ』

中本兄「じゃあさ、キャッチホンてあるじゃん?」

中本弟『あるね』

中本兄「あれはじゃあタクシーだとどうなるのかな?」

中本弟『キャッチホンてことは、すでに通話中のところ更に他者から電話がかかってくるって状況だから』

中本兄「別のタクシーがいきなり横付けしてきて「おうい!こっちのタクシーにも乗りこめ!」」

中本弟『カーチェイスみたいになるね』

中本兄「ダイハードだよね。「おぅい!俺の方にも乗れ!」急に出てきた運転手も必死だもんね」

中本弟『じゃあ今度からキャッチがかかってきても』

中本兄「出ない方がいいね。タクシーで言ったらものすごい状況での乗り換えだからね。止めてくんないし。「こっち乗れ―!」とか言ってくる癖に、全然止まってくんないからね」

中本弟『他にもあるかな』

中本兄「お掛けになった電話番号は現在使われておりません」

中本弟『おきゃくさーん、目的地着いたけど、都市崩壊してますけどどうします?』

中本兄「プーップーップー」

中本弟『お客さん、行き止まりに出ちゃいました・・』

中本兄「お掛けになった電話番号は、電波のないところにおられるか、電源が入っていないため・・」

中本弟『お客さん、ガソリン切れちゃいました・・』

中本兄「浮気して彼女にケータイ折られる」

中本弟『お客さん、車体真っ二つになっちゃいました・・』

中本兄「ケータイを水没させる」

中本弟『お客さーん、もう気が付いてると思いますけどこのバブジーぼうじょっどでがぼぼぼぼぼぼぼぼ・・』

中本兄「・・今ちょっと思ったんだけどさ、さっきの電波の届かない件は、相手が圏外なわけだからさ、ガス欠ではないんじゃない?」

中本弟『あぁ、そうだね』

中本兄「こういうことじゃないかな、「もうお前ウラジオストクにでも行ってこいって部長に言われたんで、ウラジオストク行ってもらえますか?」「お客さん、県外なんで行けませんよ」みたいな」

中本弟『県外ってレベルじゃないし、部長の指示がすごいね。部長が本気で言ってるのかもう一回確認した方がいいよね』

中本兄「これもちょっと違うか」

中本弟『違うね』

中本兄「タクシーでは例えられないかもしれないね」

中本弟『そうかもね』

中本兄「あの プー は電話だけのものかもね」

タクシードライバー「お客さん、愉快に会話してるところ大変申し訳ないんだけどね、ガス欠だ」



11時に食堂の前に集合という約束だったので11時に食堂に来て見ると、クラスメートたちはすでにテーブルに着座し、食べ終わった後だった。
汚れて空になった食器が並んでいるのを見て、俺はとにかく腹が立った。

「こういうのって、ないんじゃないか」

俺は、一番華奢な早瀬の肩をむんずと掴んだ。
楽しそうに盛り上がっていた雑談はそこで止み、早瀬が無表情のままこちらを振り返った。

「何が?」

開口一番の早瀬のセリフに、俺は驚愕した。何が?だと?一緒に食事をしようと約束していた俺を待たずして、何が?だと?挙句の果てには俺抜きで盛り上がりやがって。俺は早瀬と盛り上がっていたほかのクラスメートの顔を順に眺めていく。

くそっ、俺抜きのメシはさぞや美味かったんだろうな。細川なんて見てみろよ、デザートまでペロリじゃないか。大木に関してはいつも残しているキャベツの千切りまでも食いつくしていやがる。

「何がじゃないだろう。一緒にたべるはずだったよな」

俺がそう言うと、呆れ顔をした早瀬が、掴んだ俺の手を肩から払うようにして言った。

「11時に食堂って言ったよな?今何時だ?」

「今? 11時だろうが」
俺は毅然と答える。

「11時?! おい、いいか、あそこの時計をようく見てみろよ。13時04分てのが見えないか?え?」

「他の時計の話はどうでもいいだろ。俺時間では今、11時なんだ」

はぁと短くため息を吐き、早瀬はクラスメートのほうに向き直った。俺は早瀬の背中にむかって尚も話しかけた。

「俺時間では今11時なんだよ、わかるよな?俺はこれっぽっちも遅れてなんかないんだ」

早瀬のむかいに座っていた大木が、嘲笑を浮かべながら言った。

「なぁ、俺時間てなんだよ?」

それを聞いた俺は、ほとほとあきれ返ってしまったね。冗談じゃない。まさかそんな所から説明する必要があるっていうのか?
俺時間とは、その名の通り全くそのままの意味で、俺の中の時間じゃないか。それ以外にどんな意味を持たせられるというのだ?

世界には「時」というすでに定められた概念がある。1秒や1日の長さはどうやらそれで決められているらしいが、それは大昔に誰かが勝手に決めたものだ。そう、人間が。神が創りたもうたわけでも、地球に最初から埋め込まれていたわけでもない。どこかの国の頭のいい誰かさんが作った、一つの概念に過ぎないのだ。みんなが気にしている「時」なんてもんは。俺はいやなんだよ。そういうの。
自分だけの「時」
それを俺が自分で定めたとして、それの一体何が悪いというのだろう。先にメシを喰われる道理など、あるのだろうか。いや、ないね。俺は俺時間の11時に食堂に来た。何も間違ってなどいない。

だがそれを、この一般的な概念に何の疑問も持たぬ奴隷のような子羊どもに理解させるのも一苦労なので、俺は手短に説明した。

「俺の中の時間だよ。そもそもお前らとは1秒の長さからして違うんだ」

「なんだそれ!」
「勝手だな」
「意味わかんね、そんなのお前の好き勝手にできんじゃん。ずりぃだろ」

そんなやり取りをしている間に、俺は腹が減っていた事を思い出し、食券を買いに行った。今日はカツカレーにしよう。


その日の午後、俺は授業に遅刻してしまった。
1人で食事をとった後、本を読みふけっていて、気がついたら5限目の始まる時間を20分も過ぎていた。
急いで教室に向かい駆け込むと、教授が教壇の上に資料をドサッと置き、出席とるぞー、と叫んでいる所だった。

「20分も遅くなりまして、申し訳ありません!」

俺は教授の前で深々と頭を下げた。教室内は水を打ったように静まり返っている。
頭をあげると、口の周りに白ヒゲを立派に蓄えたぼんやり顔の教授と目が合った。

「・・お、遅れてないよ。今から始めるところなんだ。さぁ君も早く席について―」

「申し訳ありませんでした!」

俺はもう一度頭を下げた。静かな教室から、少しだけ失笑が湧いた。

「いやだから、今から―」

「お言葉ですが教授、」

俺は教授の言葉をさえぎって続ける。

「お言葉ですが教授、私は俺時間の話をしているのです。20分遅れました。もうしわけございません」

あ、あぁはいわかりました、なんて、またまた教授は適当に済ませようとするものだから俺は教授に、きちんと叱ってください。遅刻をなぁなぁで済ませるということは今後の俺の為にもよくありませんし、他のクラスメートのしめしにもなりません。どうかきちんとした対処をお願いします、と願い出たおかげで、俺は教授から、こ、こら、遅刻だめだぞ、という御説教と、反省レポート2枚を課せられる事となった。

自分の席へと向かいながら俺は、さっき食堂で佐々木に言われた「そんなのずりぃだろ」という言葉を思い返していた。どこがずるいものか。俺は俺時間の中で、律儀に動いている。その中でお前たち同様、きちんと不自由に縛られているのだ。


次の日は日曜日で、この日は明智とサッカーを見に行く約束をしていた。
15時にスタジアムのある駅に集合する事になっていた。俺時間ではまだ30分もの余裕があったが、相手を待たせてはいけないと、少し早めに行くことにした。
改札を出て、出口を目指す。遠くから一目見ただけですぐに明智とわかった。明智は駅前の時計台の下をぐるぐるぐるぐるとどこか苛立った様子で回っていた。

「よぅ、ちっと早く来すぎちゃったよ」

俺が手を振ると、明智は顔を高揚させながら俺の胸元に突っかかってきた。

「おい、早すぎるとかそんなジョーク言ってる場合じゃねぇだろ!もうとっくに試合始まってんだよ!ていうかもう後半だぞ!終わっちまうよ!」

「何を言ってるんだ、試合は15時からだろ?俺時間ではまだ14時43分だ。全然間に合うさ」

「間に合わねーよ!今日姉貴も友達と見に行ってんだけど、その姉貴からさっきメールが来た、2点入れられてホンダが負けてるってよ!」

「点が入ってる?バカな。キックオフすらまださ」

「まだじゃないっつーの!何だ俺時間て?!ふざけんな!」

俺時間とは何だ、だと?やれやれまたその質問か。俺は心底うんざりした。

「少し早いけどスタジアム行こう、試合はじまっちゃうぞ」

こんな事でケンカなんかしたくない。俺は努めて明るく振舞ったつもりだ。

「オマエな、今から行ってもロスタイムしか見れねーよ・・ちきしょう!ロスタイム5分だけだよ!」

「俺時間ではロスタイムは67分だ」

「試合よりなげーよ!」

「いや、そんな事はない。試合は、俺時間では249分だ」

「知るかっ、本当にそんな事知るか!ぼけ!お前となんか一生誰とも時間あわねえわ!1人でやってろ!クソッ!」

俺はまず大きく深呼吸をしたね。気持ちの高ぶりを鎮める為にさ。そして明智の肩に、包み込むように腕をまわした。それが友情の証とでも言うように。
明智はきょとんとした顔で、それをじっと受け入れてた。
明智も徐々に落ち着きつつあったから、俺はそのタイミングを待った。完全に彼が冷静になるのをね、待ってたわけだ。彼は幾分落ち着きを取り戻し、そして何かを諦めたかのように持っていた携帯電話をポケットにしまった。
それを見て俺は、頃合だなと思った。そして明智の耳にそっと口を近づけこう言ってやったんだ。

「そのことだけどね。だいたい火曜日の朝6時、俺時間と世の中の時間が、奇跡的に1時間だけ重なることがあるんだ」



今日、工藤静香がイランだかどっかの、まだ戦争どんぱちやってる国のカフェで、プ
ライベート兼テレビの取材みたいなのを撮影してる時に、そこが戦場になって、カ
フェのガラスが次々に銃弾で砕かれ、俺も、うわっ!うわわっ!ってなってるのに工
藤静香は一歩もそこを動かず、うわっ!うわっ!の次に工藤静香を見たときには右腕
が吹っ飛んでました。

うわぁ・・

マジで・・?

そのあとも銃撃戦が続く中、静香ちゃんは微動だにしないまま、両手両足を吹っ飛ば
され、椅子の上で胴体だけになってました。

うわぁ・・

最後に、あぁそういえば工藤静香ってキムタクの嫁だったな、キムタクへこむだろう
な、ってところで目が覚めました。そう、夢でした。




すっごい気持ち悪くて、最悪の寝起きでした。

戦争ダメ! 絶対!!

って朝ご飯食べながら思いました。

ちなみにこの夢でわかる俺の深層心理はどんなものなんでしょうね。
誰か、夢占いとかに詳しい人教えて下さい。


この前古着屋に行った時の事です。一人の大学生くらいの男子が俺に話しかけてきま
した.

「これ試着したいんですけど」

いやいや、俺の知る所じゃないですけど、です。

仕方がないので店員を探して指さして、
「あの人に言った方がいいよ」

その大学生風の子は、何か小声でぼそぼそ言ってそっちに消えて行きました.


違うコーナーで物色していると、また声をかけられました。
そうです。ヤツが来たのです。再

「あの・・これ試着したいんですけど」

「いや、だから、俺に言われても」

店員と間違えてんのかなとも思えるんですが、俺リュック背負ってたんですよ。
いくら俺が古着屋で古着を着ていて店員風に見えたとしても、リュックは背負わない
でしょ。どんだけトータルコーディネートで働いてんだ。

俺は仕方なくまた近くにいる店員を探して、

「あの人に言ってごらん」

と優しく教えてやりました。大学生かわいい。俺保護者みたい。

基本的にこの子は声が超小さくて、最初の試着していいですか?も、3回くらいい聞
き直してわかったんですよ。

最初、「しょしょしょくしょしょしていいでしょか?」みたいな、お前ほんと何言っ
てんだ?(笑)だったんですが、なんとか試着したいところまで意味がわかったとこ
ろで、残念ながら俺じゃ力不足だわ、ということで、本当に残念な奴でした。

「2度ある事は3度ある」という、卑弥呼様が残した有名な予言通り、奴はもう一度俺
の前に姿を現したのでした。

ただお前、ちょっと待てよ!今回は俺、鏡の前でシャツの大きさ合わせてたんだぞ?
どっからどうみても客だろうが!いや待てよ、むしろあれか?客だと分かった上での
嫌がらせ的な?何のため?俺に工藤静香の残虐な夢を見せるため?なんなんだよ。お
前、静香のなんなのさ?

「これ、試着したいんですけど!」

ちょっとご立腹なんですけど。

何で?何で急にトップギア入っちゃってるの?

「だから、俺店員じゃないから!」

わかるようなもんだろと思って結局今初めてそう口にしたんだけど、彼はやっぱりわ
かってなかったようで、

「そんな紛らわしいカッコしてるから間違えるんだ」

とかなんとか言っちゃいました。あーぁ、言っちゃった。

何でおれが責められてんの?その後も彼は小さい声でネチネチネーチネとなんやら愚
痴を言って来ました。

顔が赤かったんで恥ずかしかったんだと思います。
だから言ってんじゃん!俺じゃない奴に声かけろって!俺ふったよね?!

二回も他の人に振ったよね!?_

そんで結局俺のところに戻ってきて、もっかい俺に振られて・・

ほんと、バカなおとこ!

ほんと・・いつまでもバカなんだから・・。


しばらく俺に逆ネチ切れをして、彼は試着室へと消えて行きました。


では、誰か工藤静香の夢診断してくれたら結果教えて下さい。
最近、自分の頭がついにおかしくなってきたんじゃないかって心配になる。昨日は会
社にバッグを置いたまま帰ってきて、寝る直前にいつもバッグが置いてある場所が
ぽっかり空いてるのを見てやっと気が付いた。
寝る前って遅すぎじゃない?家についた時とか、靴脱いでる時とか、コート脱いでる
時に気がつきそうなもんじゃない?
いつも使っているバッグはリュックだから、確かに手に持たないぶん気が付きにくい
方かも知れないけど、それでもバッグを・・あぁ、有り得ない。最近物忘れも多い
し、ついに頭の中に消しゴムが生まれちゃったんじゃあないだろうか。
今日のお昼もカップラーメンをテーブルにぶちまけちゃったし。日に日に老いている
ような気がするなぁ。ベンジャミンバトンの逆だね。

茶色のジャケットを着た男がベンチを立った時、そのポケットから何かがぽろりと落ちるのを、噴水の反対側から見かけた。恐らく携帯電話か何かだろうと見当をつけた俺は、噴水をぐるりと周って男の座っていたベンチを目指した。予想通り、ベンチの下にはオレンジ色をした携帯電話が落ちていた。
俺は平静を装いながらも素早く携帯電話を拾い、その場を走り去った。

どくどくと激しく脈打つ心臓の鼓動が伝わってくる。足早に公園を後にした。公園の入口を出るとき、散歩中の犬に激しく吠えられた。飼い主であるソバージュをかけた中年の女性が、何か言いたそうな顔をしてこちらを見ていた。

土曜日と言う事もあって大通りは人で溢れていた。前方から歩いて来る、青い制服を着た女子高生がこちらに向けて指を差している。気付かれたのだろうか。
女子高生から顔を反らし、意識的に速足で歩いた。俺はちょっとした有名人だった。テレビやメディアに良く出ているせいで、街に出れば必ず声をかけられる。それ自体は特に嫌なことではない。が、周囲の反応はいつも俺を傷付けた。

「なんか臭くない?」「えぇー、ショックなんだけど」「テレビじゃ臭いはわからないもんね」

直接俺に言ってくるわけではないが、遠巻きにこんな声が必ず耳に入って来る。俺自身、臭いの事はとても気にしていて、出来る限りの努力はしているつもりだった。
仕事場では、監督を初めとする番組製作者達の緊張感が、常に現場にピリッと張り詰められているせいか、誰もそんな事には触れてこない。
体臭なんて問題ではなく、演者としての俺を高く評価してくれているのだと思う。だから俺は仕事中が一番落ち着くのだった。

とは言っても、俺だって仕事ばかりしているわけじゃない。オフの時にだって心を許したいのである。俺は仕事仲間に、病院に行った方がいいだろうか、と真剣に相談をした事があった。

「何言ってるのよ、あなたは充分素晴らしい人なんだから、そんな下らないこと事を気にする必要なんかないわ」
と彼女は、鼻を摘まんで優しく宥めてくれた。その日以来俺は「諦める」というスキルを身に付けられたように思う。

公園を出て200メートルも行かないうち、あっという間に俺は人だかりに囲まれてしまった。キャーキャーという黄色い声援に交じって、臭い、臭いという声もそこかしこで挙がるが、俺は心にバリアを張ってその声をシャットアウトする。

「握手して下さい」と差し出された手を見て、俺は、はっと思いだした。携帯電話。そうだ、俺は拾った携帯電話を握っていたのだった。

人ごみをすり抜ける事が難しいので、出来るだけ優しく突き飛ばしながら、人を掻き分けて行く。殴る、ではなく、なぶる。蹴る、ではなく、足で押す。ラッセル車のように人を優しく押し退かし、何とか面前を開けられた。俺はその隙を逃さずに、ダッシュで駆け抜けた。
高架下を潜り抜ければ、目的のデパートはもう目の前であった。わき目も振らず走り、警備員の脇をすり抜けると、回転扉を力いっぱい押した。ここまでくればもう安全だろう。
後ろを振り返り、誰もいないことを確認してにやりとする。

俺は華やかな化粧品売り場を闊歩した。上品な女のフェロモンをぎゅっと搾ってドリップしたような芳しい香りが、フロア全体に漂っていた。
見渡す限り、女しかいない。通り過ぎる度に売り子の女性たちが俺に、場違いではないですか?という視線を向けてくる。いいや、場違いなどではない。俺の目的はまさに、ここなのだから。

入ってきた入り口とは反対側の入り口のすぐ右手側に、目的の店はあった。「クリスチャン・ディオール」と英字で書かれている。俺は店員の1人に声をかけ、「一番上品な口紅」を注文した。プレゼントですか?と聞かれたので、そうだ、と答えた。
俺たちは店員と客の立場であるにも関わらず、店員は俺に品物を手渡した後、握手を求めてきた。責任者にでも言いつけてやろうかとも思ったが、昔から大好きなんです、と屈託のない笑顔を見せられたので、黙っておく事にした。

俺は両手が塞がっていたので、軽くハグをしてやった。それを見ていた周りの店員たちが、ずるい、私も、私だって、と口々に声を挙げ始めたので、俺は急いでデパートを飛び出すはめになった。いつでもそうだ。1人に何かをすれば、全員にしてやらなくてはならなくなる。自分の仕事は人気商売なのだからそれも仕方がない、と割り切っているつもりではあるが、やはりうんざりしてしまう事も少なくはない。

俺はデパートを出て、静かな街路樹を歩きながら、やっと、拾った携帯電話を開いてみることにした。現在に至るまで、自分には向いていないという理由から、いや、それだけではない、色々な事情から、俺は携帯電話を所有していなかった。最初は本当に必要性を感じなかったし、それでいいと思っていた。しかし、周りのスタッフやら他の演者が、楽しそうにメールや電話をしているのをみて、いつしか自分も携帯電話が欲しいと思うようになっていた。

携帯できるというだけの電話が、他者との繋がりの重要なファクターだと気が付いた時には、既に自分は、アンチ携帯派としてのイメージを周りに強く持たれていた。今更どの面を下げて携帯電話を所持すればいいのか、全くわからなかった。

俺は初めて弄る携帯電話に、若干の興奮を覚えていた。難しい操作は全く分からなかったが、電話を掛けることくらいなら出来そうだ。そらで覚えている実家の番号を押す。
しばらくしてから つるるるるる つるるるるる という電子音が流れた。

「もしもし」相手が出るや否や俺は喰い気味で話しかける。

「ママ、ママ?俺だけど?うん、そう、うん、そうそう、ねぇ今どこからかけてると思う?実はねぇ、そう、携帯電・・」

そう俺が言いかけた時だった。ママの口から驚くべき発言が飛び出したのだった。
「ありがとうねぇ、クリスチャン・ディオールの口紅、嬉しかったよう」

俺は言葉を失い、そっと右手に目をやる。その手には、つい先ほど買ったばかりのクリスチャンディオールの立派な袋がぶら下がっている。目が点になるとはまさにこの事だ。

「ありがとうねぇ、あんたのおかげで、まだこの年になっても誕生日が楽しかったわよ」

そんなバカな。ママは何を言っているのだろう。ママの誕生日はまだ5日も先の話ではないか。

「マ、ママ、ねぇママ」俺が問いただそうとする前に電話は切れてしまった。これは一体どういうことなのだろう。
俺がママに口紅をプレゼントする事は誰にも言っていない。それもそのはずで、俺がついさっき公園のベンチに座っていた時に思いついた事なのだ。今までママにブランドものをプレゼントした事は一度もない。

去年のプレゼントは自転車だった。ママが適当に予想するにしても、予想の幅が広すぎる気がした。そこに来て、ピンポイントの大正解だ。俺はもやもやを胸に抱えたまま、じっと携帯電話を睨んでいた。

ふと気が付くと、背後に人の気配を感じた。そうっと後ろを振り向くと、案の定とも言うべき見慣れた光景が広がっていた。主婦と子供たちが自分を中心に扇形に集まっていて、まるでタイムセールを待っている時のように胸を躍らせているのが、手に取るように分かる。

俺が気付く、という事が、タイムセールの笛が鳴った、という事と同意義のようだった。今までかろうじて守られていた俺のパーソナルスペースに、鼻息の荒い集団が次々入りこんでくる。

俺はすぐに向き直り、街路樹を走り抜けた。街路樹の終わりは大通りにぶつかっていて、右を見ると無人のタクシーがこちらに向かってきていた。俺は手をあげ、すいません、と大声を出した。
タクシーはすぐ横で止まり、俺は後部座席に急いで乗り込んだ。窓越しに街路樹を見やると、数人の子供たちが追いかけて来ていただけで、意外とさっぱりとしたものだった。


「お客さん、アレでしょ?名前なんだったかな、テレビで良く見るよ、うん。息子が好きだったのよ、そうそう」

タクシーの運転手は饒舌で、行き先を聞く事もせず、アクセルを吹かしながら矢継ぎ早に攻め立てた。俺が黙って外の景色を見ていると、少し声のトーンを落として「どこまで行きます?」と聞いた。「赤坂まで」そう告げると俺は、左手にある携帯電話に目を落とした。
さっきの電話はいったい何だったのだろうか。電話を開く。待ち受け画面と呼ばれるその液晶は、漆黒の闇を思わせるほどに黒かった。夜の海、闇の樹海、ブラックホール。
様々な連想が脳裏を過ぎったが、ずっと見ているとその中に吸い込まれそうな気がした。この携帯電話には何かある。そう思えて仕方がなかった。俺は意を決し、マネージャーに電話する事にした。俺がそらで覚えている、もう一つの電話番号だった。
さっきよりも短く、つるるる くらいで電話は繋がった。

「あぁもしもし、さっきは本番お疲れ様。ねぇずいぶん練習したんじゃないの?あの手品、タネを知ってる私でも一瞬分からなかったわよ」

「あ、あぁ」

曖昧に返事をする。

「あ、それから、次は名古屋のステージだからね、それまでにちゃんと・・」

ぶちっ。俺はそこで電話を切った。マネージャーの話していた手品、というのは、5日後に収録があるあの事だろう。もはや疑いようがなかった。俺は未来に電話をかけている。つまり、この携帯電話は、未来に電話を掛ける事ができるのだ。
今日の朝マネージャーから、今度の仕事は手品よ。練習は明日からだ、と聞いたばかりだった。明日から4日間、手品の練習をして、本番の収録に臨む。俺が電話したのはその後の未来だ。俺は今、手品の本番が終わった、その未来のマネージャーと電話していたのだ。

驚きで口があんぐりと開いてしまう。

タクシーの運転手がミラー越しではなく、直接後ろを振り向いて言った。

「そうそう、そんな顔、テレビでもよく見るよぉ。なんて言ったっけなぁ、お客さん、教えてよもう、いいじゃない、ねぇ?」

俺はそれには答えずに、左後部座席の窓を開けた。涼しい風が入ってきて、毛をなびかせた。

「タバコ、吸ってもいいかい?」

運転手は、今度はミラー越しにこちらを向いて「吸うの?!」と、皺という皺を顔面の真ん中に寄せて言った。

「いやぁお客さんテレビで見る限り、タバコ吸うような感じじゃないんだけどねぇ」と苦々しく吐いた。俺が何歳だかわかっているのか?!叫びたくなる気持ちをぐっとノド元で押し殺した。俺がどんなイメージだろうと、イメージはイメージだ。お前たちが勝手に植えつけたものと、今ここで存在している現実の俺は、決して同じではない。芸能人には必ずこのイメージというのがついてまわる。元モーニング娘、だったか、加護ちゃんという娘も、タバコを吸っている所を週刊誌にスッパ抜かれて大問題のように扱われていた。
清純派がタバコを吸ったというだけで。いや、あれは、未成年だったか。それならば仕方がない。法律的に問題があるのなら。しかし、俺はもうとっくに成人なのだ。第三者にガタガタ言われる筋合いはない。

ミラーを睨みつけ、ぶすっとした顔つきで、「ライター」と呟く。運転手は赤信号で止まると、へへっと媚びを売るような顔で「禁煙なんですよね」とにやけた。

俺は窓を閉め、再び携帯電話のことに思考を巡らせる事にした。仕組みは分からないが、この携帯電話は未来へ電話を掛けることが出来る。これを使えば、どういったことが可能になるだろうか。

競馬を初めとするギャンブル、宝くじ、政治、占い、人の生死・・うまく使えばなんでも操れる気がしてきた。

極端な話、この携帯電話があれば世界を征服する事も可能なのではないだろうか・・。

しかしそれに伴うリスクはないのだろうか。画面の闇を見ると、とても無償ではないような気がする。
少しづつ、簡単なところから試していこう。そう思った。顔がいつの間にか緩んでいたのだろうか、運転手が機嫌のいい声で話しかけてきた。

「禁煙なんでタバコを吸うわけではないんですけどね、ちょっくら車の窓全部全開にしてもいいですかね」

俺の臭いの事が気になるのだろう。酸欠で運転手に倒れられても困るので俺は、あぁと頷く。

「そういえば、今日は相方さんは一緒じゃないんで?」

相方?いつも一緒にテレビで出ているから、いつもコンビと間違われるあいつの事だろう。別に相方というわけではなかった。だが、いちいちそんな事を説明するのも面倒くさいので、否定もせず返事をしておく。「今日はスカイダイビングでもやってるんじゃないですか」

芸能人はいいねぇ、金があるとやっぱり遊び方も一般人とはかけ離れてんだねぇ、と運転手は独りごちた。

首都高速が見えてきた。もうすぐで赤坂に着く。流れ行く街並みを見ながら、それにしても、と思う。それにしてもなぜあの公園の男は、これほどまでに便利な携帯電話を落として行ったのだろう。肌身離さず持っていてしかるべきではないだろうか。まぁそのお陰で俺が、手に入れることが出来たのだけれど。
お客さん、赤坂の駅?どこまで行けばいいの?運転手のおしゃべりにもいい加減うんざりしてきた所だった。俺は、もうここでいい。止めてくれ。と声を張っていた。
サイフを取り出し、釣りはいいからと5千円札を運転手に押し付ける。え、本当ですか、ありがとうございます。あ、そうだ、そうだよ思い出しました。そうだ、あなたムックだ。ね?そうでしょう?息子が大好きだったんですよ。ガチャピンよりもね、あなたの事が好きなんだって言ってましたよ。今日帰ったら自慢してやろう。
運転手の顔が一番綻んだ瞬間だった。俺は少しだけいい気分になって、じゃあ息子さんによろしく、と言って、サイフを持った左手で、運転手の肩をトントンと2回、叩いてやった。
右手にクリスチャンディオールの袋を持ち、俺はタクシーを降りた。サイフを締まった。左手が空になる。乗った時よりも何か軽くないだろうか。何か・・。

俺は排気ガスを撒き散らして遠ざかっていくタクシーを、赤毛が降り乱れるのも気にせずに、わき目も振らず追いかけた。


◆◇◆◇


男は最後の客を運び終わり、茨城の海岸沿いを走っていた。助手席にはオレンジ色の携帯がシートベルともせずに座っている。「はぁ、これどうしようかねぇ」誰に言うでもなく、男は呟いた。「まぁ、もう逢うこともないだろうしねぇ」と頭をポリポリと掻く。
男は海岸沿いの路肩に車を止め、オレンジ色の携帯電話を握り締めてタクシーを降りた。
暗い砂浜を歩き、海辺へと向かう。「芸能人の携帯だしねぇ、一般人に漏れたら困るデータもいっぱいあるだろうから」誰にでもなく、波風にむかってそう言うと、男は全力の力で携帯電話を海に放り投げた。



最近不景気の煽りを受けてうちの会社でも今まで取り寄せてくれていたクリスタルクララという美味しい水を解約されてしまったせいで今では錆びた蛇口から薬品の臭い漂う不透明の水を飲むしかなくなり、このままじゃ身体が内側から腐ると思い立った俺は自分の飲み物は自分で用意する決意をしある日の仕事帰り無印良品に寄り、「花入りジャスミン仙桃」
というお茶を買ったのだが、このお茶が普通のTバッグのようなタイプでも、濾すタイプでもなく、まん丸く固まり乾燥した花の塊をお湯に入れると、お湯の中で開花し味を出すという一風変わった趣向のお茶で、まぁ実は俺は5年前くらいから気にいっていて機がある度に買っては飲んでいたのだが今の会社でこのお茶を飲むのは初めてだったため、「それ、何?!飲み物?」と周囲からはいちいち驚嘆の声があがり、(というのもこの開く花というのが、少し見た目にグロくて、気持ち悪い程でかく膨らむので)さっきなんか事務のおばちゃんに「それお茶なの?へー、コブラの内臓かと思った」と言わしめる程だったんだけど、なぜコブラ限定の内臓を連想したのか全く不明だし、そんな気持ち悪いものをなぜ俺が会社で飲まなければいけないのか、いや会社じゃなくてもだけど、きっと彼女はコブラ酒かなんかをイメージしてそう口に出したんだろうと思うけど内臓はひどい。剥き出し?内臓を漬けただけの飲み物なんてひどすぎる、なんだそれ?悪魔の飲み物じゃないかそんなもん、
悪魔しか飲まなだろそんな飲み物、という流れがありましたので私は今日から悪魔になります。

「ねぇこれ見て。すっごいオーラ感じない?」

矢継ぎ早にそう言うと、彼女は、彼の手の平に小さな茶色い「かけら」を乗せた。

「何?このゴミみたいなの」
彼はコーヒーをすすりながら興味なさそうに答えた。

「お前にはこれがゴミに見えるのか?!これはエアーズロックの岩のかけらだよ。こ
の前オーストラリアに行った時に、こっそり財布に入れて持って来ちゃったのだ」

彼女は悪戯そうな表情を浮かべて舌をべろりと出した。

「え?いいの?それって法律で禁止されてるんじゃないの?」

「しーっ!しーっ! 周りに生真面目なオーストラリア人がいたらどうすんのよ!」
彼女は両手でオージービーフのマークを模りながら目を見開いた。

「いや、今更何か言ってくるような人はいないだろうけどさ」
といいつつも、彼は閑散としたルノアール店内を見回した。

「そんなことはもうどうだっていいわけ。ねぇそんな事より見てよこの石の周りに宿
るパワーを。オーラって言うの?すっごくない?ねぇ?手のひらに乗せているだけで
ジンジン来ない?」

彼女は、何も感じられなかったらお前を全否定してやるわ、という様な邪念を含んだ
目で彼の顔を覗き込んだ。

「ゴメン、全然感じないわ」
「愚鈍がっ!」

予想通りとでも言うべき罵声が飛ぶ。

「オーラがどうとかはわかんないけど、君のTシャツのタグ、襟の所から出てるよ」

「うるさい!タグとか今、関係ないから! あ、ていうか、なんならそのタグだっ
て、この石のオーラパワーで飛び出ちゃったんだよきっと。オーラ凄ぇえ!!」

タグをひっくり返して出しちゃうようなオーラは、凄ぇとかじゃなくていらねぇだろ
と思ったが、彼は黙っていた。

「ビンビン来るわー。あんたの手のひらにあるのに、私の手のひらにもビンビン来て
るわー」

「なんで君の手の平が反応してんだよ」

「なんか、見てたら、よ。 もらいゲロ、みたいな?」

「崇高な石のオーラを、まさかもらいゲロに例えるとは」

「うるさいわね!それより、どう?そろそろ来たんじゃない?オーラが」

「わかんないよ。悪いけど僕にはわかんない」

そう呟いて、彼は彼女の手に小さな石のかけらを返した。

「なんでわかんないかなぁ、このオーラパワーが。あのね良く聞いて、オーラパ
ワーっていうのはね、うまく身につければ自然治癒力とかも上げられるようになる
の。ううん、それだけじゃないわ、そもそも病気にもならないし、交通事故にも遭わ
なくなるし、金運もあがるの。もっとうまく使いこなせば足も速くなるし、握力もす
ごいあがるんだから、あ、あとね、2日ぐらいなら寝なくても活動出来るようになる
みたい。全然疲れないんだって。不思議よね。でもそれがオーラパワーなの、わか
る?」

「申し訳ないけど、僕はそういう目に見えない力とか、科学で証明出来ない能力と
か、そういうのは信じない事にしてるんだ」

「あなたが信じるか信じないかはこの際関係ないの。私が信じてるんだからそれでい
いの。私の言わんとしてる事がわかるかって聞いてんの」

「あぁ、わかるよ。うまくパワーを使えないと、襟元のタグが裏返るんだろ」

「そ、そういう事よ」

彼女は頷きながらカップのカフェオレを一息で飲みほして、「そういえば」と続け
た。

「そういえば、なんで私のTシャツのタグが出てる事が分かったの?正面からじゃ見
えないでしょ?」

「あぁ、それは君の身体を透視したんだ」

「そうなんだ。ねぇそんなことよりそうだ、私が本当に言いたい事はそんな事じゃな
いの、そうそう、オーラパワーもすごいけど、言いたいことはそんな事じゃないの
よ」

彼はカップを両手で包んで暖を取りながら、それで?と返した。

「この石、今私の手元にあるけど、よく考えてみて。これ先週まではオーストラリア
にいたのよ?外国よ?何万キロも離れた遠い遠い国にあったのよ。それが今、海を越
えた島国の、ルノアールにいるのよ。信じられる?オーストラリアで生まれた石が、
巡り巡って今、日本という国のルノアールにいる!こんな奇跡があって?!この石
だって、まさか自分がいつかルノアールに来る事になるなんて思っても見なかったで
しょう。私が運ばなければ、この石は一生あそこにいたのだわ。この子は外国からこ
んな島国に行きついたのよ!ねぇ、すごい距離を移動してきたのよ。そして私の手の
中にいるの。すごい、ねぇ、すごい事だと思わない?こんな奇跡が他にあって?!」

「あぁ、確かにそれはすごいな、まさに奇跡だ」
と彼は、彼女の飛び出たタグに印字されている「Made in China」をぼんやりと見つ
めながら静かに相槌を打った。
お久しぶりでございます。最近の主食はタミフルでしたショコラです。

今日久しぶりに「たまごっち」を見ました。
隣の席のツネさんという人が、仕事中にも関わらずなんやらピコピコと音の出るモノ
を弄っていたので、なんだろうとじろっと視線を向けてみると、あのたまごっちでし
た。

「仕事中に」という意味で、「たまごっちですか?」
と聞くと、彼は嬉しそうに、

「そうなんだよ、娘のなんだけどね、今日は試験で世話が出来ないって言って頼まれ
てさ」と、全く見当違いの返事をしてきました。

せめて無音でやれや!ピコピコうるせー!
です。
あの軽いタッチの機械音が無性にイラッときます。

さっきの質問で俺が興味を持ったと勘違いさせてしまったのか、
「最近のたまごっちはカラーなんだよー!」
と、自慢するように見せてきました。

いいよいいよ!見ないよ!別に興味ないよ! です。

そういえばたまごっちが出たのは、俺が高校1年生の時でした。
あの頃、白たまごっちが10万円で取引されているという話がありましたが、当時あれ
を10万円で買った人は、今振り返ってもらったらどうゆう心境なのでしょうか。
恐らくこんな感じではないかと思います。

※たまごっちを10万円で買った人たちに聞きました。
Q1 あの頃の自分に一言
・俺死ね!
・や、やめろよ!買うなよ!絶対に買うなよ!おい!押すなって!
・ドブに捨てたほうがいい
・3日後、今の俺の気持ちがわかる。
・貯金しろ!俺!
・お前がそんなんだから今俺は騙され続けてるんだよ!

Q2 あの頃の自分を振り返って一言
・どうかしてた
・病気
・流行という言葉がトラウマ
・10万円が怖い
・今でもあの10万円を追い続けている夢を見る
・あれ以降、モノの価値がわからない
・このまえ欲しかったバイクを見たら10万円で、なんか涙が零れた。
・寄付したと思っている
・誰かの為になったとでも思わなければ、生きていく希望がない
・いつか20万円で買い取られる事を夢見て・・
・汚点
・人生で唯一の失敗


まぁ本当のところはどうかわかりませんが、俺なら一生悔むかもしれませんねー。
とりあえず今からツネさんのタマゴをかち割ってきます。
お久しぶりでございます。ショコラです。皆さん初笑いは済みましたか?俺はまだで
す。クスリともしてません。酔っ払いの浮浪者のような野良犬に向かってニヒルな笑
みを浮かべた程度です。
初笑いは今年の夏まで取って置こうと思います。それまではクスリたりともしてやる
もんかです。

最近、ハイボールがすごく飲みたくなりました。急にです。しかも一度も飲んだ事な
んてないのに。どんな味なのか全く想像もつきませんが、あの小雪とゴスぺラーズの
CMに影響されたんだと思います。影響というか洗脳に近いですよね。だって酒がほ
とんど飲めない男が仕事中にも関わらず、ハイボールを飲みたくてしょうがない衝動

駆られているわけですからね。畏るべしですCMってやつぁ。

しかし一概にCMのせいにも出来ません。これは俺の悪い癖なのです。自分に向いて
ない事は100も承知なのに、つい試してみたくなる。97%くらいの確率で後悔す
るとわかっているのに、です。
酒だけに関わらずですが、今回はちょうどいいのでそういった酒での失敗談を。

専門学生の頃、一時期コンビニでバイトをしていた時がありました。そこにいつも来
る浮浪者チックのおっちゃん。いつも夕方の5時半頃にやってきては、「鬼殺し」と
いう紙パックの酒を買って行きました。確か102円か103円。酒と硬貨を同時に
置いて、バーコードを読み取った瞬間に俺の手からふんだくって店を出て行くのが日
課でした。
最初は特に何の想いもなく、あぁ、またこのおっちゃんか、最近毎日だなぁと呆れて
いただけでしたが、そのうち俺の心の中にこんな感情が芽生えていきました。
「こんなに毎日毎日鬼殺しばっか飲むって事は、もしかして鬼殺しってめちゃくちゃ
うまいんじゃね?!」
酒が苦手で殆ど飲まない(興味もない)自分でしたが、ある日を境に芽生えてしまっ
たその好奇心に、僕はついに負けてしまいました。
バイト後、そのコンビニで鬼殺しを買い、はやる気持ちを押さえて家に帰りました。
飲む前に抱いていた味の印象はなぜか薄いカルピスみたいなものでした。
だからこそ俺は、全部飲める!だとか、おいしいはずだ!と思っていたのです。もし
この時点で、リアルな味を想像出来ていたなら、やはり買う事はなかったでしょう。
俺の頭の中には、カルピスよりも甘い幻想が広がっていたのです。
安っちい紙パックに、細いストローを差し込みました。さぁ、念願の鬼殺しです。
あのおっさんが毎日毎日飽きもせず飲んでいるこの飲み物は、果たしてどれほど魅力
的な味を内包しているのでしょうか。

ごくり  オエッ

でした。
まっずぅぅぅーーーーうえええぇえええええぇぇぇぇ!!!!

でした。酒にも、自分の中の想像の甘さにも吐き気がしました。そしてこんなクソま
ずい飲み物を毎日飲んでいるあのおっさんが一瞬で嫌悪の対象になりました。
その後も、いつかはうまくなるんじゃないかと、何回も細いストローからちゅうちゅ
う吸い上げましたが、その味、印象は永遠に変わる事はなく、半分以上を残したまま
捨てました。そして顔が真っ赤になり、火照り、頭がぼーっとしてそのまま寝まし
た。

それから2年程経って、次に憧れたのはウーロンハイでした。ある友人が、大のウー
ロンハイ好きで、何があっても俺はウーロンハイしか頼まない。これがなにより好き
なんだ、と言っているのをなんかかっこいいなぁという気持ちで聞いていました。そ
の時は特にそこまでだったのですが、その数日後、たまたまテレビで、誰だったかは
覚えてないのですが(確か、とんねるずのどちらかだったような)これまたウーロン
ハイを番組で飲んでいて、これが大好きなんです、みたいな事を言ってるのを見てし
まいました。
その時です、また俺の悪い癖がむくむくと動き始めました。

ウーロンハイ飲みてぇー!!

それまでに、友人の頼んだウーロンハイを一口二口は飲んだ事だってありました。
味はもう知っているのです。その時も別段おいしいとは思わなかった。むしろマズい
とすら。でも、違うと。あんなのはウーロンハイではないのだと、俺の動き出した欲
求はもう止められない感じでした。それにあの時とは、俺の味覚が変わっているかも
しれない。大人になって、もしかしたら今ウーロンハイを飲んだらめちゃくちゃうま
いかもしれない、と。そしてその友人や、とんねるず(仮)のように、ウーロンハイ
うめぇぇえ!!って思えるんじゃないかと、鬼殺しから何も学ばず、全く成長してい
ない俺は当時そう思ったのです。

その時はもう時間も遅かったし、一人で飲みに行く場所も金もなかったので、近くの
コンビニに行って、酒とウーロン茶を買ってきて自分で作ろうと思い立ちました。
良くも悪くも思い立ったらすぐな性格なので、俺は寝巻のスウェットで早速近くのコ
ンビニまで買いに行ったのでした。
運のいい事に、帰ってきた頃もその番組はまだやっていて、急げばとんねるず(仮)
と一緒に飲めるんじゃないかと、慌てて氷やらなんやらを準備しました。

ちなみにこの当時俺がなんとか飲めるお酒は、カシスオレンジかもしくはカルーアミ
ルクといった超お子ちゃまアルコールだけでした。

ジョッキを持ちだし、ウーロンハイを作ると、テレビのとんねるず(仮)に乾杯をし
て、グビッと口に流し込みました。

オエッ  まずっ!


鬼殺しを飲んだあの時の光景が、走馬灯のように頭に浮かびました。

またやっちゃった。

今回もそうでした。飲む前はなぜか、甘くてのどにすっきり、まるで清涼飲料のよう
な期待を込めていたのです。しかし飲んで見ると、ウーロン茶の若干の苦みに、アル
コールのあのスンと鼻につく香り。消毒液を舐めているかのような不快感。

俺って何も成長してないなーと思いながら、それでもウーロンハイを3分の1ほどム
リして飲んで、やっぱり頭がぽーってしてきて寝ました。

※ウーロン茶は後日ソフトドリンクとして飲みました。焼酎はスタッフと言う名の排
水溝がおいしく頂きました。


昔からそうなんですよね。自分が嫌いなもの、苦手なものであっても、人がおいしそ
うに食べてたり、飲んでりすると、自分でもいけるんじゃないかと錯覚してしまいま
す。
隣の芝生が青く見えちゃうアレに似てます。俺の場合は、そもそも芝アレルギーなのに
も関わらず、隣の芝を見て、憧れてマネしちゃって結局発作が出ちゃうみたいな、そ
んな感じです。
そしてそして日本酒でも同じようなエピソードがありますが、本当に全く同じような
話なので割愛します。あ、あとブランデーでも全く同じ事をしていますもちろん割
愛。

そして今回のハイボールです。あの小雪のCMの少し前に、夕方のニュースで、「最
近タコ焼きとハイボールのセットが人気を集めています・・」的な話を耳にしていま
した。きっと自分では意識していなかっただけで、心のどこかには引っかかっていた
のでしょう。
その部分に、今回あのCMが触れてしまった。
途端にハイボールが飲みたくなってきた!
面倒くさい事にそういう事だと思います。
きっと近々、ウイスキーとソーダを買うと思います。
そして、絶対にうまいはずだー!と思いながら飲んで、

オエッ、まず! こんなの飲みきれねーよ!

ってなるのでしょう。そうなる事は目に見えています。でもやらなきゃ気が済まない
んでしょうね。本当に面倒くさい性格だと思います。
でもまぁ自分を満足させるため、しょうがない、やってやります。
皆さんもこういう事、少なからずあるでしょう?!

ほんと、いっつも答えはわかってんのになー。

田代馬刺し!







お久しぶりですショコラです。
たった1年で明けてしまいましたねーだらしないぞ21年度!で、おめでとうござい
ます。22年度にはもう少し明けずに頑張ってもらいたいものです今年も宜しくお願
いします。

最近、行きつけの古着屋のブログを読むようになったのですが、年明け以降のブログにやたらイノシシというワードが出てきます。

今年もイノシシのように猪突猛進しま・・
皆さんもイノシシのように真っ直ぐうちの店に来てくだ・・

等など、本人的にはうまい事今年の干支とかけてるつもりなんでしょうが、残念ながら今年は寅年です。
彼は恐らく今年をイノシシ年と勘違いしているのです。

今年に入ってからもう5日が過ぎようとしていますが、未だに彼は、誰からも、どこからも、寅年情報は舞い込んで来ていないのでしょうか?

これではせっかく来店した客がトラ柄を着ていたとしても、会話のネタに拾ってあげる事も出来ません。

彼が今年出した年賀状には、鼻がでかくて口から牙をむき出しにした毛の硬い動物が描かれているに違いありません。
そしてもらった方は、3年前の年賀状の使い残りを贈られたのだと憤慨する事でしょ
う。

近々お店に足を運ぶ事があれば彼に、そのセンスは3年遅いか9年早い事を教えてあげようかと思います。


ちなみに話がごろりと変わりますが、昨日ついに一眼レフのデジカメを買いました!
カメラ好きからすれば全然大した金額ではないですが、カメラに興味がない人からすれば眼底に指突っ込まれた時くらいびっくりする値段かも知れません。

本格派だけあって本体とレンズがめちゃくちゃ重いので、日頃から石を盛ったフライ
パンを振って鍛えていないと、数少ないシャッターチャンス!という時に、すでに腕が棒のようになっていて逃してしまうかもしれません。そうまさにチャンスを棒に振ることになるかも知れません。

何枚か試し撮りしてみましたが、画質が鮮明すぎてめちゃくちゃ興奮しました。

今の文の、例えば「試し撮り」を「隠し撮り」に変えるだけで、こうも意味が変わって来るか!と思い知らされた2010年の冬 年明け でございます。

トイデジはその特性ゆえに景色ばかりを撮っていましたが、このカメラではとにかく人を撮りたいです。
というわけで、女子限定で誰かモデルやりませんか?
綺麗に撮りますよー!

心配しなくても、服は着ていてもらって大丈夫です。最初は。そのうち気分が良くなりだしたら(身体が火照り出したら)徐々に脱いで行きましょう。そのほうが健康にいいです。

いやいや、もちろん芸術の為ですよ!「芸術の為」という大義名分があれば脱がせて
も平気なのだと、昔公園に住んでいたおじいさんがうわ言で言っていました。

脱ぐのに抵抗がある方は、最初から着ないで撮影しましょう。一切脱ぐ必要はありません。

裸が嫌なんですか?じゃあこう考えましょうよ。あなたも毎日お風呂に入りますよね?その時は間違いなく裸のはずです。そしてその時には恥ずかしいなんて全く感じていないはずです。
そのお風呂に入る時を、こっそりカメラが狙っている、と思いましょうよ。そうすれば恥ずかしくないはずです説得を間違えました。

じゃあこうしましょう、脱がなくてもいいです。あなたは普通に服を着たまま俺に笑顔を向けていて下さい。俺が脱ぎます。俺が一枚ずつ脱いでいきます。それでどうでしょう。
あなたが脱ぐか、俺が脱ぐか、事態はそこまで深刻化しています。もう戻れない、後戻
りなど出来ないのですよ。
だったら もう いっそ 一緒に脱いじゃいましょうよ。
それでいいじゃないですかね。
あなたが脱ぐとか、俺が脱ぐとか、そんなことを片方にだけ強いるからうまく行かないのです。二人で脱げば何も問題ありません。
そうしたらカメラもテーブルに置いて、シーツの向こう側に行きましょう。


って何の話をしてんだよ!

そんな事はするつもりもないですよ!純粋な子供達とか純真な笑顔とか純白のヌード
とかが撮りたいだけなんですよ!
違うんですよ!心を裸にして欲しいだけなんだ!その為にはまず身体から裸にしなきゃだめなんだ!その上で裸の心が撮りたいんだ!
ハートなんだよ!つまり!ハート=胸、胸が撮りたいんだよ!Fカップなんだよ!


違うよ!!


まぁそんな感じで、これからもカメライフを楽しんでいきたいと思うし、何かいいのが撮れたらここにもUPしたりしてみたりします。

今年も(特にバレンタインデー)よろしくお願いします。