イケメンです。
いつか福岡に行ったら、どうしても行ってみたかった「高取保育園」。
今から40年ほど前から、玄米と和食を中心とした食事を主とした教育を進めている保育園です。
食育に関して全国的に有名ですし、女優の杉田かおるさんのブログでも紹介されていますので、ご存じの方も多いでしょう。
ボク自身は独身なのですが、お客さまのご要望を発端として、小さなお子さん向けのお弁当を提供することが多いのです。
ありがたいことに『キッズ情熱弁当』は、当店におけるオーダートップ5に入り続けています。
しかし作り手のボクとして、今一つ掴み切れていない物があるのです。
「子どもに食事で伝えるべき事って、本当は何だろう?」
その答えを見つけるべく、飛行機で福岡へ。
園長は、西 福江先生。
まさか、ご本人からお話をうかがえるなんて…。イケメン、感激です。
今回は、どこの馬の骨かもわからないボクの無理なお願いを聞いていただき、子どもたちがご飯を食べるところ含め、たくさんの食のお話を伺ってきました。
高取保育園の書籍は四冊出ているのですが、いずれも読んで内容は一通り知っているつもり。でも、やはり見て感じるのはパワーがあるのですね。
園長先生のお話しを伺っていると、調理員さんが味見用の給食をもってきました。
そう、園児に提供する前に、西園長ご本人が毎日味のチェックをするのです!
園児は、おおよそ240名前後。
かなり大型の保育園ですよね!
0歳~5歳までのお子さんが通われているそうなのですが、今回は教室まで案内していただき、実際に食べるところを見せていただきました。
一番最初にびっくりしたのが、小さな子どもでも食べることに集中していること。
食べ残しがほとんどないと聞いていたのですが、食べ終わるまでもぐもぐ噛んで夢中に食べるのですね。ホント、食べされられてる感がないんですよ。
また、食事中にうろうろしたり、器や食器を投げて遊ぶなどの事も全くありませんでした。先生たちの環境作りも上手なんでしょうね。
そうそう、西園長のお言葉。
給食を玄米和食に変えてから、キレたり落ち着きのない子どもが激減したそう。
食べる前、今日の当番の人が前に出て、先生と一緒に献立を読み上げてから、皆で一緒に「いただきます」をするのです。
ピアノ伴奏とともに「よく噛めよの歌」をみんなで歌うのですね。
玄米(この日は稗入り三分づき)を一口含み、「いーち、にー、さん」と数を数える。
一口100回噛む事を実践しているのです。
よく噛むということは、消化を助ける、脳に適度な刺激を与えて活性化させるなどの効果があります。早食いの人ほど肥満になりやすいというデータもありますよね~。
この写真、わかりますか?
給食によくありがちなワンプレートではなく、ちゃんと陶器の器。
器の触感といい、重さといい、乱暴に扱うと割れる事といい、皆がよく理解して上手に使うのです。
「子どもに陶器の器は、割れて危ない」という方もいらっしゃるかもしれませんが、年間の円全体の器破損数は、ほんの数個だそう。
ご飯は左に、味噌汁は右に。
こういった事まで、ピシッと教えるのですね。
年齢が上になるほど、食事中はお話しも活発になります。
でも、きちんと椅子に座って食べているのです。
スマートフォンや新聞を見ながら食事をする大人の方が、よほど行儀が悪い。(苦笑)
職員室に戻ると、なんとサプライズが。
我々も、同じ給食を大人サイズでいただけることになりました!
この日の献立は、
◆稗入り三分米ご飯
◆味噌汁
◆じゃがいもの海老あんかけ
◆納豆
◆梅味噌と夏野菜
◆漬物
◆玉ねぎのかき揚げ
といった感じです。
嬉しいことに、園児たちが実際に食べているものを多種ご用意いただきました。
四季の食材だけを使い、無農薬の野菜や無添加の調味料で調理。もちろん白砂糖は使いません。
発酵食品を自然に取り入れて、アレルギーにも対応した食事も作っています。
実際に食べてみてびっくりしたこと。
「思わず笑顔になる味!」
生命力を感じるのですね、食事から。
また鰹出汁の味と、素材の味のバランス点を探すのが非常に上手いのです。
野菜で煮物を炊きなれてるな、愛情込めて作っているな、といった印象を受けました。
この日の野菜で特筆すべきは、じゃがいもかなぁ。
低温で上手に保管しているのか、甘みの乗り方が上品で味わい深いのですね。
野菜を提供している生産者さんの腕も、しっかり感じ取りました。
味噌汁は、いりこ(煮干し)出汁を使っています。
一般的な味噌汁のように、味噌の味が前面に飛び出るのではなく、飲み干したときにちょうどぴったりくる味噌の濃さ。味噌汁ではなく、吸物のような味付けなのですね。
肉は月に一回、魚は週に二回だそう。
子どもたち全体を見て思ったのですが、肥満児がいないのです。
バランスの良い食事と適度な運動が、育ち盛りの子どもたちを支えているのですねぇ。
料理を生業にしているボクですが、本当に驚きました。
こんな小さな子たちがここまで妥協のない食事を毎日食べていると、間違いなく味覚は発達するでしょうねぇ。
正しい食やその在り方を伝えるための食育。
弁当の日などの取り組みもさることながら、食を中心とした教育を実践されている方を尊敬します。
味噌汁の味噌を作るのも子ども。
玄米をとぐのも、食べた食器を洗うのも。
食べるという行為全般から、自立を養っていくのですね。
調理の側もがんばっています。
ピーンと緊張感が張りつめた調理室。
『一物全体食』を実践し、玉葱の根なども綺麗に洗って一緒に入れるのです。
一物全体食とは、食物を丸ごと使う事。皮を剥かない、お米は精米しないなど、食物をありのままの全体で食べてその生命力やバランスも含め取り入れようとする考え方ですね。
当然、出るごみも少なくなりますし、食べられるのに捨てるのはもったいないという感覚も育めるのですね。
食材の安全性を追究したる、食べ方の組み合わせを考えるといったことはもちろん、食を含めた生活や習慣までも一本筋が通っているのです。
西園長先生の言葉を借りるなら、「子どもが自得していく力を大切にすること。」
子どもの生きる力、学ぶ力を信じる。なんでも親や先生が教えればいいのではないのだそうです。
子育てに関しては未経験なので諸先輩に譲りますが、独身のボクが聞いてもなるほどと思える事がとても多かったのです。どしっと構えて自分の信念をぐーっと通しつつ、子どもたちを笑顔で迎えるこの園の先生たちは素敵ですね。
ご興味のある親御さんや教育関係の方、食のお仕事をされている方。
福岡へは遠くて行けない方も含め、ぜひ高取保育園教育を、本でご覧になってはいかがでしょうか。
子どもだからこそ、本物に触れさせたい。そんな意気込みを感じられると思います。
- 子どもが育つ玄米和食 高取保育園のいのちの食育 (光文社新書)/光文社
- ¥840
- Amazon.co.jp
- いのちをつくる愛情ごはん: 高取保育園の食育レシピ集/西日本新聞社
- ¥1,260
- Amazon.co.jp
- ゼロから始める玄米生活―高取保育園の食育レシピ集育実践レシピ集 (西日本新聞ブックレット)/西日本新聞社
- ¥630
- Amazon.co.jp
- ゼロから始める玄米生活〈2〉おかず編―高取保育園の食育実践レシピ集 (西日本新聞ブックレット―.../西日本新聞社
- ¥840
- Amazon.co.jp
子どもたちは、味噌や梅干し、たくあんなどの発酵食品も作ります。
時には羽釜を使い、火を起こしてご飯まで炊きます。
単なる食育イベントではなく、生活にしっかりと溶け込んでいるのですね。
その経験が子どもの記憶に残り、想い出となって大人になっていく。
食事ができる前から食べ終わるまで、流れをつかめているからだと思うのです。
園長先生に聞いたのですが、卒園生がよく遊びに来るそうです。
「高取保育園の玄米が食べたい」って。
で、先生と一緒に食べた後、満面の笑顔で帰っていくそう。
本当に素敵な保育園と先生だと思います。
さて、ボクも子どもの想い出に残る食事作りをがんばろう♪
お世話になった西園長をはじめとする高取保育園の皆さん、どうもありがとうございました!
仕出し弁当の宅配・配達なら名古屋の「情熱弁当」がお届け!
国産食材や発芽玄米、無添加・オーガニック野菜・高齢者向け
※画像をクリックすると、ホームページにジャンプします!
最新イベント情報|月1開催!情熱惣菜|無添加惣菜の通販サイト|無料メルマガ
連絡先:052-764-6690 / メール:info☆jyounetsu.info(☆を@に)
ホームページ:「情熱弁当~玄米と大自然の恵み~」
店舗所在地:〒466-0821 愛知県名古屋市昭和区前山町1-17-8
営業時間:11:00~18:00(ご予約は配達希望前日夕方5時まで)
無料メールマガジン「情熱イケメン弁当屋の知恵袋」
~食を愉しむ小ネタ・ヒント・便利ワザ~ 毎月第2第4金曜発行
おかげさまで、ご家庭ですぐに役立つ濃い内容が読者に好評です!