2010シーズン最終戦。 | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

2010シーズン最終戦。


「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -VS Etoile!2010年11月10日(水)1


 2010年Sリーグ最終戦。今季、未だに勝ち星の無いホーム「Jurong East Stadium」での「初勝利」と「7位」を確定させるべく、「勝てば優勝」が決まる首位Etoile(エトワール)と対戦しました。

 Etoileとは今季2度の対戦で「1勝1分」と負けてません。前回の対戦ではGK松下泰士がPKを止めるなどの活躍で「1-0」と会心の勝利 を収めています。我々にとっては分の良い相手。勝って「Jurong East Stadium初勝利」と「7位」を確定させるぞ!!

 開始2分…。「Etoileキラー」ことDF小林一貴 の2試合連続スーパーゴールで先制!!

 その後も「流れ」を掴んだのはアルビS!!波状攻撃を仕掛けますが、なかなか追加点が奪えません。…そうこうしてると、「またしても」不可解なジャッジでPK を取られて、「1-1」の同点に追い付かれる…。ファールした位置は明らかにぺナルティエリアの外だったが…。

 それでもこの日のアルビSは不可解なジャッジに屈しない「鋼の精神力」を発揮。前半終了間際…MF乾達郎 のクロスから最後は再びDF小林一貴がゴールを決め「2-1」と勝ち越しに成功!前半の内に「2得点」したのは、自身がアルビSに合流してからの半年間で「初」!しかも理想的な時間帯での2得点!「成長」と「進化」を証明 するゴールに、アルビSの勝利を誰もが確信したが…。

 「勝てば優勝」が決まるEtoileが後半、凄まじいまでの「執念」を発揮。

 アルビSから立て続けに3ゴールを奪取…。瞬く間に「2-4」と大逆転されてしまった…。

 その後もアルビSは諦めずに攻め続けるが、どうしても得点する事ができない…。

 そして「2010シーズン」の終わりを告げるホイッスルが鳴り響く…。どうにか「7位」は確定させたものの、ホーム「Jurong East Stadium」では1年を通してただの1勝もできないという不名誉な記録を樹立…。応援して下さったファンの皆様、本当に申し訳ございませんでした。

 試合後は、Etoileの「優勝セレモニー」が盛大に行われました。我々のホームスタジアムで行われる「敵チームの優勝セレモニー」ほど、屈辱的なものはありません…。

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 我々アルビSは、ただただボ~とこの光景を眺めている事しかできませんでした。悔しさのあまり、涙を流す選手もいました。いろんな感情が込み上げてきたんだと思います。しかし、この「悔しさ」は必ず未来の成功への「糧(かて)」となる。そして目の前で「優勝」とはどういうモノか目の当たりにし、全員が知る事ができたのは大きかったと個人的には考えています。

 これが「優勝」。Etoileの選手達を自分達に置き換えてみれば、「優勝」のイメージが鮮明に沸きます。「自分達でこういうのができたら最高じゃないか」…誰もがそう思ったはずです。「優勝」を目撃した事により、「優勝」を漠然としたイメージではなく「具体的なイメージ」として描けるようになりました。これが「大きい」のです。

 全員フランス人のEtoileは「Sリーグ参戦1年目にして優勝」という快挙を成し遂げました。Sリーグの歴史上、「外国人チーム」が優勝したのは初めてらしいです。Etoileはしっかりとパスを繋ぐ、Sリーグでは数少ない、きちんと「フットボール」をするチームでした。

 Etoileのサッカーは優勝に相応しいものだった。素直にその栄誉を称えたいと思います。

 そしてEtoileの優勝は同じく「外国人チーム」としてSリーグに参戦する我々に1つの希望を与えてくれました。審判のジャッジや観客を含めた「全試合完全アウェー」の状況でも、実力さえあれば「優勝できる」という事が証明されたのです。

 今季、実力的に分が悪かったのは2位のTampines(タンピネス)くらいで、他のチームとは互角以上の戦いができたし、実際に勝利も収めています。毎年、選手が大幅に入れ替わるチーム事情ではありますが、そんな中でも何とか今季やってきた事を上積みさせ、チームとしてレベルアップできれば…アルビSの「優勝」は、決して夢物語ではないと感じました。

 「2010シーズン」はホームで敵チームに優勝を決められてしまいましたが、来年の今頃は逆に我々アルビSがホームで優勝を決めてやりたい…。

 「プロ」としてやるからには、やはり本気で「優勝」を狙いたいし、どうしても「優勝」したい!


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 昨年からGKコーチを務めていた立正大学体育会サッカー部を離れ 5月にアルビレックス新潟シンガポールにGKコーチ兼選手として途中加入 …。アルビS合流後、最初に行われた公式戦では、GK小林大海がPKを止めるなどの活躍で「1-0」勝利 …。

 この半年間、アルビSと共に、シンガポールの地で最高に「充実」した「幸せ」な日々を過ごさせてもらいました。その1分1秒を忘れる事ができないし、「感謝」の気持ちで一杯です。

 今季の公式戦は全て終了しましたが、明日にはシンガポール代表との親善試合が入っています。「2010年」の仕事はまだ終わっていません。

 「プロ」として最後の最後まで全身全霊でチームのために働き、完全燃焼して帰国します。

 サポーターの皆さん、応援ありがとうございました!!!!!!!!!!

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※自身の来季の事など…に関しましては、また決定し次第、改めて当ブログ上で発表させていただきます。よろしくお願いします。