魂の勝利!! | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

魂の勝利!!


「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -VS Sengkang!2010年9月15日(水)1

 大学時代の1つ上の先輩であり、僕をアルビレックス新潟シンガポール に紹介してくれた恩人…新井健二 選手(アラケンさん)の所属するSengkangとの一戦!!

 このSengkang…アルビSと同勝ち点で順位が1つ違い(我々が1つ上)…。負ければ順位が入れ替わってしまう、正に「裏天王山」!!「絶対に負けられない戦い 」です!!

※これは前回対戦 の試合後にアラケンさんと撮った写真です。ちなみにこの時は「1-1」の引き分け…。今回こそ決着をつけなければなりません!! 

「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -アラケンさんと!VS Sengkang 2010年6月18日(金)


 前半…。「勝利」への気迫で上回ったのは…我々、アルビS!!メラメラ開始直後から猛攻を仕掛けて相手ゴール付近でFKのチャンスを得ると、そこからヘディングシュートをSengkangゴールに叩き込みます!!(一番上の写真) アルビS、先制!!

 幸先良いスタートを切ったかに見えましたが…ここからがアルビSの課題。「流れ」が良い時間帯にどうしても追加点が奪えないのです…。結局このまま前半は「1-0」で終了。

 迎えた後半…。ここでもまたアルビSの悪い部分が出てしまいます。最も気を付けなくてはならない「後半立ち上がり」という時間帯に、自陣ぺナルティエリア内でファールを犯して簡単にPKを与えてしまう…。「追加点が奪えない→ミスから失点→逆転負け」…というパターンを何度も繰り返してきたアルビS…。またしてもこのパターンにハマってしまうのか…??

 自分がアルビSに来てからの4ヶ月間で、実に「4度目」のPK…。


 1度目…。GK小林大海が「チーム唯一のタイトル獲得」の可能性を残す、奇跡のスーパーセーブ!! → ※<「初陣」

 2度目…。GK松下泰士が首位独走の強豪相手に「今季2敗目」をつける、執念のハイパーセーブ!! → ※<首位叩き!!今季初の連勝!!4試合負け無し!!

 3度目…。初めてPKを決められ敗北。→※<「3回連続ならず…。「理不尽」に打ち勝つ、唯一の方法


 果たして、今回の「4度目」は………?????














「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -VS Sengkang!2010年9月15日(水)4


 ポスト直撃!!爆弾失敗!!どうにかPKのピンチを脱しました!!依然、「1-0」アルビSリードは変わらず!!ふぅ~…助かったぁ~…!!

 通常PKは相手が枠を外す、もしくはポストに当てて失敗すれば「ラッキー」と言われますが僕の見解は違います。そもそもPKは圧倒的にキッカーが有利。ましてや「プロ」ともなれば、普通に蹴ればまず枠に入らないなんて事はない。それを外させるのは、GKの持つ「オーラ」だったり、キック前の駆け引きであったり、プレッシャーなのです。つまり僕の中で、例え手に触れなくても、PKを外させれば、それは紛れもなく「GKの勝利」!!これを単なる「ラッキー」で済ませたら、GKは浮かばれないですからね。(今回は読みも完全に当たっていたし、例え枠内にボールが飛んでても止めていたと僕は信じています)

 PKはどうにか失敗させたものの、相手の攻撃に押し込まれる展開が続きます。しまいにはDFであるアラケンさんが絶妙なオーバーラップを仕掛けてきて、対応に四苦八苦…。

 そして、相変わらずの危険なタックルやトンチンカンな判定 にも大苦戦…。

 それでも、それら全ての逆境をチーム一丸となって「魂」で乗り越え…試合終了!!アップ

 「1-0」で「絶対に負けられない戦い」…「裏天王山」を制しました!!クラッカー


 決して内容が良かった訳ではありません。むしろ不恰好だったかもしれない…。それでも今のチームに必要なのは、不恰好だろうが何だろうが、とにかく「勝利」をおさめる事!!実に「2ヶ月ぶり&7試合ぶり」となる「勝ち点3」を奪取しました!!

 試合後はまたアラケンさんと写真を撮りたかったのですが…敗北したアラケンさんの事を思うと声をかける事ができずそのまま帰宅しました。もしかしたらこれが敵としてアラケンさんと戦う「最後の試合」の可能性も…。アラケンさんのおかげで、今、僕はシンガポールの地で「人生最高」と言っても過言ではないくらい「幸せ」な日々 を過ごせています。近い将来、ぜひ大学時代以来の同じチームの「仲間」として戦いたい!!これが今の僕の「夢」の1つです。

 それにしても…もし仮にSリーグにもJリーグ同様に「2部降格」があったとしたら、この日の試合のプレッシャーと緊張感は想像を絶するものだった事でしょう。アメリカのMLSや韓国のKリーグも「2部降格」が無いですが、これは我々にとって「運が良かった」とも言えるし、逆に「物足りない」とも言える。厳しいプレッシャーと緊張感の中でしか、本当の意味での「成長」は成し遂げられないからです。

 Sengkang戦は何とか勝利をおさめましたが、まだ順位は全く上がってないし、タイトル獲得が懸かった重要なカップ戦も残っています。

 「サッカーの価値キラキラをさらに高めるためにも、日本人の魂…「大和魂」と「武士道精神」を持ってこれからも戦っていきます!!



「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -VS Sengkang!2010年9月15日(水)2


「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -VS Sengkang!2010年9月15日(水)3