NOTE/三本和彦著「クルマから見る日本社会」・・・(1)
1戸建て新築建売住宅の新規開発が進行している埼玉県三芳町(本ブログ管理者撮影)
★日本人と住宅【p.11】
↓
日本人は持ち家志向が強く、その比率もかなり高い(持ち家率59.8%・・・1993年)
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しかし、(筆者いわく)
これこそ日本政府の怠慢の典型的な事象!
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これは、
行政側が国民のために安くて快適な住居を用意する気がない
もしくはその力が無いため、
国民の側に自助努力して家を確保するように下駄を預けた結果。。。
*
先進国のなかでも日本ほど持ち家にこだわる国民が多い国は他に無い・・・
:
ふつう
持ち家が多いのは開発途上国であり、
それはパブリックな住宅を賃貸できないため、
自分で家を買うか建てるしかない=これが世界共通の認識!
(例/アフリカのマリ=ほぼ100%が持ち家)
*
日本で持ち家制度が提唱されたのは池田内閣のときで
国民は物価が2倍、3倍になることに思い至らず、
単純に所得倍増のスローガンに魅かれて乗ってしまった。。。
(その流れのまま現在に至る)
↓
(結果的に・・・)
持ち家を買ったが為に、、、
親子2代で家のローンを支払い続け
銀行などの金融機関利用では間に合わず
自分の勤める企業からまで融資を受け、
その企業に忠誠心を尽くさなければ生きていけないような
「非人間的な生活」を強いられることになった・・・
(これも住環境を整えることに怠慢な行政府の怠慢が招いた結末)
*
自分の役割を知らない行政府が政を行う日本は、
他の国から見たら「奇異」にしか見えないだろう。。。。。【p.12】
前橋市営「日吉町改良住宅団地」…本ブログ管理者2010.4.9撮影(群馬県前橋市)
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今後は少なくとも国民の半数は
安く質のいい公共住宅に住めるような住宅政策を進めるべき・・・
:
また、自動車で言えば
個人所有ではなくリースという形が広まること・・・・・
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そうなってはじめて日本が本当の意味で「先進国の仲間入り」をしたと言えるのでは?
【p.12】
東京都練馬区春日町2丁目地区における環状8号線沿線「沿道地区計画」
(本ブログ管理者2010.2.10撮影)
:
(筆者意見として、、、)
たとえば狭隘な土地に1億2000万人が住むからには、
道路の近くに人が住みたがるようなことを
時には法で規制する必要も出てくるだろう。。。。。
無理ならば最低限、
道路に面するところには
8階建て以上の建築物で防音帯を設け、
その裏側に居住するような策を講じるべきだ・・・・・【p.18】
↑
環状8号線(東京都練馬区春日町~平和台)/本ブログ管理者2010.2.10撮影
:
年間に1万人以上の交通事故による死者が出ているのにもかかわらず、
抜本的な対策をとらずに放置しているのは、やっぱり・・・・・
『自動車は税収の種』だから、、、、、【p.23】
*
一般会計の約10分の1を自動車関連の税金から得ている。。。。。
(1996年度租税収入90.6兆円/自動車関連税収8.1兆円)
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すなわち日本では
自動車はインフラ未整備が邪魔をして不完全な移動手段になっているのにもかかわらず
徴税の対象にしやすいため、
その増加には行政府も正面きって反対することはない・・・・・【p.24】
トヨタ系の工場跡に建設された複合商業施設(横浜市港北区/本ブログ管理者撮影)
*
日本の現在があるのはひとえに加工技術があったためで、
これからも別の手段で経済を維持することは不可能だと思われる・・・・・・
それにしては目先の景気だけしか視野に無く、
長期的な経済展望が無い。。。
:
日本は人件費が高く、他国と競合するのは非常に困難だが、
安い労働力を求めて海外の工場進出を模索するだけで
現地の人件費が高騰してくると、
さらに次なる地を求めて揺れ動く。
↓
こうした経営のあり方が
国内でも海外でも親しまれ喜ばれることは無いだろう。。。。。
*
日本とよく対比されるのがドイツ(加工技術で経済維持、円と同じ「マルク高」)
日本ほど生産拠点を海外へ移転していない
(ブラジルへ進出した企業も、、、)
コストを安く上げるのが目的ではなく、
現地の企業と提携して何らかの業務をおこなうのが目的
:
日本企業の場合は
あくまでも資本効率を中心とした方針だけ
日本の技術をどう温存させるかも真剣に考えていないのでは?
【pp..35-37】
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