(ブロンプトンで上高地・徳本峠を越えよう 登山編 、山小屋編 、島々谷編 の続き)
ブロンプトンで登山シリーズ、北アルプスをのぼろうスペシャル最終回。
[走行データ]
コース 河童橋(05:40am)~明神経由~徳本峠(とくごうとうげ)~岩魚留小屋~二俣~徳本峠登山口~新島々駅。
距離 28.06 km
高度上昇: 903m 下降:1688 m
平均速度 5.9 kph
平均移動速度 7.6 kph
顔面強打した。ヤバイ。起き上がって思わず手で顔をなでて手の平をまじまじと見る。奇跡的に流血なしだ。とくに打撲もない。少々右肩が痛いが。助かった。これで一気に集中力が高まる。誰、ツラの皮が厚いからなんていってんのは・・・。
岩魚留(いわなどめ)はまもなくだ。このあたりで、登って来た若い男女の登山者に出会う。コンニチワといいながら相手の反応を見るが、「自転車でスゴイデスネ」とニコニコしている。鏡がないので本当に顔から血が出ていないのか腫れていないのか半信半疑だったが、やはり大丈夫のようだ。
そうだ、心配しているぐらいなら、自分撮りして確認すればよいではないか。岩魚留の美しい滝の脇にある岩魚留沢橋の上でポーズである。チーズ。
写真を確認したがヘルメットおじさんの顔は結構丈夫にできているのだろうか、あい変わらずさえない顔であった。いずれにせよヨカッタヨカッタ。
12時半、岩魚留小屋に着いた。廃業して久しいらしい。昭和な雰囲気が漂う。
休まず行こう。橋を渡るとフラットな緑のシングルトラック。これは素晴らしい。
と、これからずっとフラットになるのかと思いきや、実はそうではなかった。再び断崖絶壁である。慎重に行こう。
下を覗くとこの通り。落っこちたらスリ傷では済まない。
島々谷の険しさは益々とてつもないものとなってきた。トレイルはアップダウンが続き、しかも道は崖沿いが殆どだ。道幅が狭くて自転車を押すスペースが無い場合もあり、左が断崖絶壁の場合はブロンプトンに取り付けてきたOff yer bikeを左手で、右が崖の場合は右手にぶら下げて、万が一にも自分が落っこちないようにする。この写真は断崖絶壁の細いトレイルで左手にブロンプトンをぶらさげながら、右手で写真をとっている。(ヲイヲイ、ソレガアブナイヨ。)
細心の注意を払いながら進んでいく。がけ崩れでトレイルが断たれた部分も数箇所あった。幸い、午前中に登って来た何十人もの方々の踏み痕がくっきりと残っているので、ためらわず安心して通過できた。最初に通過する人は怖いだろうな。
しかし何と美しい渓谷なのだろうか。ウエストンや芥川龍之介など先人の感動が理解できる気がする。
13時半、岩魚留と二俣(ふたまた)の中間地点だ。二俣まであと2.6キロ。とはいえ登山道で2.6キロって遠い・・・。
再び大規模ながけ崩れだ。先ほどよりも新しいがけ崩れのようで落石も続いているようだ。とはいえ、ここも先人の踏み痕があり、それを辿ってさささっと通り抜ける。
14時過ぎ、行き橋。二俣は近い。ような気がする。(ガーミンではそのように表示されている。)
そろそろ二俣だろうか。と思わせてから再び、断崖絶壁・がけ崩れ・アップダウンが激しく続くのであった。北アルプスの逆襲である。ブロンプトンが「もういやだ」とひっくり返っております。
とは言え、美しいところが続くし、見所もいくつかある。昭和初期の炭焼きの跡とか佐々木信綱妻供養碑とか。余裕が無かったので炭焼き跡の写真しかないが。
そうこうしているうちに山道が唐突に終わった。時刻は14時半。二俣に出てきたようだ。徳本峠まで9.7キロメートルと書いてあるのでたぶん間違いない。
二俣には東京電力の取水施設がある。また島々谷北沢の奥に複数の砂防ダムが建設されている。それ故、ここまで道路が通じているのである。
ブロンプトンに乗る前にトイレを済ませよう。
途中、二箇所、大規模な崩落で道路が埋まっている部分があったが、特に問題はなかった。道一面が水溜りになっている箇所もフェンダー付のM3Lには問題ない。そして東電の管理道路のゲートに着いた。
30分走ってようやく動物除けゲートに着いた。本日の冒険はこれにて全て終了である。無事生還することができた。
途中ハラハラもしたが上高地からの素晴らしいトレイルライドとなった。新島々駅へはあと20分程度だ。松本からスーパーあずさで帰ろう。
(完)
関連記事:
ブロンプトンで上高地・徳本峠を越えよう1 ≪北アルプスをのぼろう≫
ブロンプトンで上高地・徳本峠を越えよう2 - 山小屋編 ≪北アルプスをのぼろう≫
ブロンプトンで上高地・徳本峠を越えよう3 - 島々谷編 ≪北アルプスをのぼろう≫
【ブロンプトンエッセイ】
【ヘルメットおじさん】