【中野正志】日本のこころを大切にする党の講演会に行ってきた【IFCON】 | 独立直観 BJ24649のブログ

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 14日、血祭謙之介さん(http://ameblo.jp/khensuke/)から誘われ、日本のこころを大切にする党(旧次世代の党)の講演会に行ってきた(https://nippon-kokoro.jp/admission/ifcon/2_ifcon_in_nagoya.php)。

 今回講演するのは、中野正志幹事長(参議院議員)だ。

 講演内容は「参議院選挙に向けた党の政策について」だ。

 血祭さんは、ロックバンド・BAD MESSIAHのドラマーの加藤久基さん(https://twitter.com/hisaki1582)と一緒に来ていた。

 なお、私は党員ではない。

 

 会場の雰囲気だが、参院選前ということで、党関係者に熱気が感じられた。

 私は血祭さんたちより早く会場入りし、別々の席に着いたのだが、私の隣の席の人は、おそらく党関係者だった。

 その党関係者とおぼしき人が、私に声を掛けてきて、今夏の参院選に立候補予定の井桁亮(いげたまこと)氏の新事務所の場所を教えてくれた(ざっくりとした地図で教えてもらったのだが、翌日、現地を確認した。多分ここ。http://urx2.nu/tSJZ。幟が立てられ、ポスターが貼られているので、見れば分かる。)。

 事務所が移転していたとは知らなかった。

 なんとしても井桁氏を当選させたいという熱意を感じられた。

 ちなみにその人は、講演後、中野幹事長と論争した血祭さんに対し、血祭さんの実力に感心し、党や井桁氏の経済ブレーンになってほしいということを述べていたw

 中野幹事長の講演部分をひととおり書き終わってから気がついたのだが、党の愛知支部の公式YouTubeチャンネルに、この講演の動画がアップされていた・・・(https://twitter.com/ScorpionsUFOMSG/status/732277345084538880で知った)。これを見れば済むね・・・。

 冒頭の来賓の挨拶や講演後の質疑応答の部分はアップされていなかった。

 

 

「日本のこころを大切にする党 IFCON in 名古屋(中野幹事長)H28.5.14」 YouTube2016年5月14日

https://www.youtube.com/watch?v=teNcJlt4txA

 

 

 講演は、例によって、若園ひでこ東郷町議会議員の司会で、同議員のあいさつ、そして国歌斉唱から始まった。

 講演者が窓側だったため、逆光となり、写真はうまく撮れなかった。

 

 

 

 今夏の参院選に愛知県選挙区から立候補予定の井桁亮氏(参議院愛知県第一支部長)があいさつを述べた。

 日本はいろいろな面で曲がり角に来ており、この参院選は重要な選挙となるということを述べた。

 

 

 来賓が挨拶を述べた。

 元減税日本の荒川和夫前名古屋市議会議員が来ていた。

 河村たかし名古屋市長は無駄な争いをして税金を無駄遣いしていると批判した。

 日本のこころを大切にする党については、本当のことを言う人たちを大切にしようと述べた。

 

 

 日本会議知多支部から、28日に知多で開催される杉田水脈前衆議院議員の講演会の宣伝があった(http://www5c.biglobe.ne.jp/~n-aichi/h280528_chita.JPG)。

 支部長代理の鈴木昌則氏が来ていたのだが、鈴木氏は元教師で、歴史教科書の日露戦争についての記述を問題視していた。

 東郷平八郎よりも与謝野晶子の扱いの方が大きいとのことだ。

 教育およびその背後にある憲法を正さねば、日本の本当の心は育たないと述べた。

 

 

 今年10月の岡崎市議会議員選挙に立候補する予定の吉田あたろう氏が挨拶を述べた(http://okazaki-shimin.com/?p=1213)。

 吉田氏は脳出血の後遺症で歩行にも不自由する身体障害を負っているが、障害をもってこそ分かることを市政に反映したいとのことだった。

 

 

 次の津島市議会議員選挙に立候補予定の中瀬博之氏は教育の重要性、とりわけ歴史教育の重要性を述べた。

 

 

 中野正志幹事長の講演が始まった。

 中野幹事長の地盤は仙台にあり、愛知県からの東日本大震災被災地支援について感謝を述べた。

 沿岸部の中には復興がなかなか進まないところもあるが、仙台の復興は順調であり、仙台が中心となって東北の復興を進めていかなければならないとのことだ。

 

 

 党名変更についての説明があった。

 「次世代の党」が高齢者から評判が良くなかったことから、中山恭子代表(参議院議員)が党名変更を決意したとのことだ。

 「日本のこころを大切にする党」という新党名は、中山代表の思想を素直に表現している。

 長い党名となったが、略称は「日本のこころ」であり、参院選の比例区では投票用紙に「日本」と書けば足りる。

 

 教育に限らず、政治運営にしても社会風潮にしても、防衛政策にしても経済政策にしても、日本の心が欠けていると、中野幹事長は言う。

 日本のこころを大切にする党は、日本の心に基づく政治を実現させていく。

 そして、安倍政権とともに、自主憲法制定を実現させていきたい。

 これを実現しない限りは日本の戦後は終わらないし、実現してこそ日本は世界の中で存在感を増す。

 

 中山代表と言えば拉致問題だ。

 民進党のある議員(暗に緒方林太郎衆院議員を指す)が、安倍総理大臣や中山代表の悪口が書かれた本(暗に蓮池透氏の著書を指す)に基づき、その本の真実性を確認することなく、テレビ中継のある予算委員会で勝手な誹謗中傷を述べた。

 中野幹事長は、民進党の安倍批判はおかしいと、マスメディアに向けて述べた。

 日本のこころを大切にする党は、政権与党ではないが、親安倍政権・親自民党政権の立場だ。

 思想や理念や政策において、日本のこころを大切にする党は基本的に自民党と似ている。

 しかし、自民党が旧来の保守勢力だとすれば、日本のこころを大切にする党は新しい保守勢力である。

 自民党は政権を執っているが故に、言いたくても言えないことがある。

 日本のこころを大切にする党は、言うべきことは言う。

 自民党に飽き足らない人はぜひ支援してほしい。

 

 

 本日(14日)の日経新聞朝刊に、安倍総理大臣が消費税増税の再延期をするということが書かれていた。

 中野幹事長は、一昨年の10月、11月頃から、予算委員会において、安倍総理大臣に対し、デフレはいまだに脱却しておらず、また、世界経済にも不調が見られるため、消費税再増税には慎重になるべきだと述べた。

 そして、安倍総理大臣は、消費税再増税を1年半延期した。

 もし延期しなければ、昨年10月1日から消費税率10%であった。

 この度の安倍総理大臣の消費税再増税の再延期を支持する。

 

 GDPの6割は個人消費が占める。

 5%から8%への消費税増税ですら、個人消費は下がりっぱなしだ。

 個人消費が持ち直さない限り、日本経済が良くなったとは言えない。

 このような状況に鑑みれば、消費税再増税は2年は先送りされるだろう。

 そして、熊本地震対策を含め、補正予算などで経済の底支えをしていく必要がある。

 そして、充分に経済が持ち直したならば、消費税再増税の負担を国民に求めることもあり得る(※)。

 

※ この部分は文字起こしをしておく。

 「日本経済はなんとなくこの頃は明るくなったよね、景気よくなったよね、(と)皆さまに感じられたら、その時にはじめて、申し訳ありませんが消費税10%にさせていただきます、ということであれば、お金はじゅんぐりもっくり回ってこその経済でありますから、その時には、10%になっても、しっかりと底支えもできる日本経済の状況になる。

  そう考えておりますので、ご理解をいただければと思います。」(https://youtu.be/teNcJlt4txA?t=16m43s

  景気が浮揚すれば消費税再増税を許容する趣旨だと私は理解したが、後で質問したら、党としては消費税マイレージ制度を導入すれば再増税は不要だと考えているとのことだった。消費税マイレージ制度の導入が不可能となったらどうするのだろう。

 

 中野幹事長は、安倍総理大臣に対し、消費税増税の再延期のみならず、消費税マイレージ制度を提案した。

 安倍総理大臣は、個人消費の活性化のためには建設的な提案だと思う、役所にも勉強させる、という前向きな答弁をした。

 消費税マイレージ制度とは、個人(法人を除く)が納めた消費税を、65歳になった後、利子を付けて還付するという仕組みだ。

 消費税が貯蓄と認識されることにより、個人消費の喚起を狙う。

 個人消費が喚起されれば、消費税の税収に上振れ分が生じ、これで還付する財源を確保できる。

 上智大学の大和田滝惠教授の発案だ。

 日本のこころを大切にする党はこの政策を打ち出していく。

 

 

 昨年、民主党(当時)や共産党が安全保障法案について「戦争法案」「徴兵制」などと喧伝し、日本の政党はなんたることかと、中野幹事長は強く感じた。

 衆議院においては、百何十時間も審議を尽くしたのだから、審議を打ち切り、議会制民主主義に基づき、多数決で採決していかねばならない。

 中野幹事長も、参議院予算委員会において、民主党らが嘘八百を並び立てる様を目の当たりにした。

 当時は、民主党らの嘘に惑わされた国民もおり、同法案の賛成は3割に過ぎなかった。反対が6割を占めた。

 今は、国民の理解も変わり、6割が賛成し、3割が反対となっている。

 にもかかわらず、民進党・共産党・社民党らは、同法の廃棄法案を提出している。

 そんなことをして喜ぶのは、中国と北朝鮮だ。

 当時は安倍総理大臣も日中首脳会談を控えていて、中国の脅威にあまり言及していなかったため、衆議院の議論はわかりにくかった。

 参議院において、中野幹事長は、安倍総理大臣に対し、中国や北朝鮮の脅威を言うべきだと主張し、国民の理解を促した。

 

 中国は南シナ海の岩礁の埋立て等を着々と進めている。

 中東から日本に来るタンカーの94%は南シナ海を通る。

 中国に航路を押さえられ、グアムの方面に迂回すれば、タンカーが日本に到着するのに3,4日余分にかかる。

 そんなことを許すわけにはいかない。

 

 オバマ大統領が「アメリカは世界の警察官ではない」と言ってしまったがために、中国の南シナ海進出が始まってしまった。

 しかし、フィリピンやベトナムやマレーシアは中国の脅威を明確に認識し、アメリカに対処を求め、アメリカは中国が領有権を主張する海域に駆逐艦を派遣したり戦闘機を飛ばしたりした。

 ただし、アリバイ作りであり、本気ではないようにも見える。

 中国の南シナ海進出は止まらないだろう。

 我々は中国の脅威に備えなければならない。

 その上で、地対艦ミサイルは防衛兵器として有用で、これを沖縄をはじめとして島嶼部にきちんと配備していくことが重要だ。

 フィリピン等に対して地対艦ミサイルを供与してもよい。

 このようにして中国の南シナ海進出を防ぐことを、安倍総理大臣に提言するつもりだ。

 

 このような状況の中、アメリカでは大統領選挙の候補者選びが行われている。

 共和党はトランプ、民主党はクリントンで決まりだろう。

 クリントン夫妻は、中国系企業から多額の講演料を得ており、クリントンが大統領となれば、アメリカは中国との融和に向かうだろう。

 トランプは、米軍の駐留経費を全額日本負担とせよと主張している。

 しかし、米軍の日本駐留は、アメリカにとっても世界戦略上も重要であり、アメリカにも負担分があってよい。

 トランプも分かっているのだろうが、選挙目当てであのような発言になっているのだと思う。

 

 しかし、背筋が寒くなるが、日本から米軍がいなくなるという状況も一応考えてみたほうがよい。

 沖縄から米軍がいなくなったその日に、軍人を乗せた中国公船が尖閣諸島に押し寄せ、韓国に占領されている竹島のように、既成事実化を進めていく。

 そして、中国海軍が駐留し、沖縄本島が狙われる。

 そんなことを許してはいけない。

 

 宜野湾市長選挙においては、沖縄県民は良識を示した。

 マスメディアによく見られる米軍基地反対派の7割は沖縄県民ではなく、本土から来ている。

 基地反対が沖縄の民意ではない。

 先日、和田政宗政調会長をはじめとして、日本のこころを大切にする党がキャンプシュワブ前で演説したら、基地反対派から暴行を受けて妨害された。

 彼らは自分たちと異なる言論を暴力で潰しにかかる。

 

 昨日(13日)、参議院においてヘイトスピーチ規制法案が可決された。

 日本のこころを大切にする党は反対した。

 今は自公政権だから、ヘイトスピーチ規制によって無謀な抑圧はしないであろう。

 しかし、同法案に賛成した民進党や共産党が政権を握ったら、言論封殺するに違いない。

 ヘイトスピーチなどというものが存在するのであれば、現行の法制度で対処すれば足りる。

 表現の自由(日本国憲法21条)を守らなければならない。

 

 第一次安倍内閣の時、中野幹事長は自民党に所属していた。

 安倍総理大臣の教育改革に懸ける情熱は高く評価している。

 教育基本法改正にも助力した。

 しかし、依然として、教育現場に改善が見られないところがある。

 教員の採用から見直す必要があろう。

 

 日本のこころを大切にする党は、言うべきことを言い、行動すべきことを行動する、実行させることは実行させる。

 こういう基本姿勢で、国家国民のために頑張っていく。

 7月の参院選は、党の存亡を懸けた戦いをしなければならない。

 

 

 講演内容は、大体以上のようなものだった。

 この後、質疑応答があった。

 

 血祭さんが先陣を切った。

「消費税マイレージ、あれ、クソですね。」

 中野幹事長は、真剣な表情で血祭さんの質問を聞いた。

 血祭さんは、消費税は弱者を痛めつけるものであると同時に、死荷重を作って経済を衰退させるものだとする。

 そして、消費税マイレージ制度は、使う金額が多ければ多いほど還付金が大きくなり、結局、弱者に負担が重く、富裕層を優遇することとなる。

 そもそも、消費税は経済を衰退させるものなのだから、百害あって一利無しの不要な制度だ。

 現在、消費水準指数が東日本大震災時くらいに低下しているが、これは消費税増税のみならず、来年には再増税が行われるという「期待」「アンカリング」があり、消費が伸びないからだ。

 再増税延期でもかかる「期待」「アンカリング」は生じるので、再増税凍結、むしろ、保守政党らしく「民の竈」に倣い、消費税そのものを凍結するということを打ち出すべきである。

 消費税の増税分の約2割程度しか福祉には使われておらず、残りは国債の償還に充てられている。

 消費税の増税ではなく、経済成長による増収分によって福祉を賄うのがよい。

 中野幹事長は、まず、

「認識が基本的に違います。」

と答えた。

 日本のこころを大切にする党は、消費税そのものについては認めることとしている。

 そして、消費税を凍結した場合に、いかにして税収を確保するのかと、血祭さんに問うた。

 血祭さんは、経済成長でよいとする。

 税収弾性値は、デフレ期であっても1.8という試算があり、平成25年度は3.7にも達した。

 また、福祉の費用は、団塊の世代がこの世を去る頃になると減ってくる。福祉の費用が増え続けるのはあと20~30年に過ぎない。

 中野幹事長は、確かに、財務省の税収弾性値1.0の試算は低すぎ、他方、3.7というのも一時的に出ることもあるが、1.7くらいがサントリーホールディングスの新浪剛史氏などの良心的経済人の認識だとし、かかる税収弾性値から考えれば、消費税をゼロにすることには賛成できないという旨を述べた。

 こういう中野幹事長に対し、血祭さんは、税収弾性値はデフレ期でも1.8はあるし、インフレ期になるとさらに上がり、また、インフレになるとシニョレッジ(通貨発行益)が発生するため、税収の必要度が下がることを併せて考えると、消費税はやはり不要であると反論した。

 が、結局のところ、中野幹事長は、現実政治において消費税ゼロは通らないため、消費税の存在を前提とした議論を党として行っていると答えた。

 それでも血祭さんは、消費税ゼロの提案をすること自体は可能だし、先の消費税増税において日本には非ケインズ効果はないということも証明されたと食い下がる。

 中野幹事長は、党としては、中流層を厚くし、生活の質を上げていくことを考えているという旨を述べるが、血祭さんは、消費税マイレージ制度はそれに逆行していると批判した。

 長時間の質問となったため、ここで打ち切られた(血祭さんの消費税マイレージ制度に関する解説はhttp://ameblo.jp/khensuke/entry-12148443085.html)。

 

 この後に何人か質問して、私にも質問の順番が回ってきた。

 私は3つ質問した。

(1)2月末のイフコンで配布された資料によると、日本のこころを大切にする党は、高橋洋一教授を招いて消費税減税を検討したとのことだが、消費税減税の議論は現在どうなっているのか(http://ameblo.jp/bj24649/entry-12134069362.html)。

 中野幹事長は、高橋教授が党の顧問になっていることを紹介した。高橋教授から消費税率を5%に減税することについての説明を受けたとのことだ。

 党内には、消費税率を5%に減税してから消費税マイレージ制度を導入するという案も出ている。

 しかし、政府与党が減税に動くことはないだろうということで、消費税マイレージ制度を掲げることとしたとのことだ。

 政府与党が減税に動かないから日本のこころを大切にする党も減税を言わないという答えが返ってくるとは予想外で、私は戸惑ってしまった。

(2)高橋教授は、消費税を社会保障財源としている国は日本くらいのものであり、不合理な制度設計だとしている(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32083など)。消費税が社会保障財源となっている点についてはどのように考えているのか。

 中野幹事長は、カネに色がついているわけではなく、社会保障目的ということを強調しない方がよいという答えだった。これはあくまで中野幹事長の私見だとのことだった。

 これも私には予想外の答えで、すぐに思考を整理できなかった。

 消費税が社会保障と紐づけられていると、社会保障費が増加傾向にある現在、消費税増税の議論が起きやすいだろう。また、社会保障は弱者保護を目的とするが、消費税は逆進性があり、弱者にこそ重い。

 やはり消費税が社会保障財源になっていることには問題があるのではないか。

(3)私の2人前の質問者が核武装について質問していたので、これに関して質問した。

 トランプ発言があり、核武装の議論が高まっている。その一方で、わが国が主催するG7外相会合は「核なき世界」を唱え、サミットもそういう方向性となることが予想される。

 日本に核武装の可能性があるとは思えないのだが、どうだろうか。

 中野幹事長は、日米同盟が堅持されておれば、日本は核武装を考える必要はないとする。

 日米同盟が守られないとなると、軍事力の空白ができてしまうため、日本からそうなるような真似はしない。

 アメリカ次期大統領が日米同盟を守るという前提で皆に話しているが、守ってほしいという願いを込めて話しているというのが正直なところだ。

 大体このような回答であった。

 おそらく、中野幹事長は、核武装を焦ってしまうと、かえって日米同盟の弱体化を招くこともあり得ると考えているのではないか。

 とりあえず、中野幹事長は、現状では核武装は不要だという認識であった。

 

 他にもいろいろな質問があった。

 ある質問者が、「日本の心」はすなわち皇室であり、皇室の存続は危うくなっており、旧皇族の皇籍復帰をすべきではないかと言った。

 先月、私も旧皇族の皇籍復帰について書いており、これは我が意を得たりという質問であった(http://ameblo.jp/bj24649/entry-12142956230.html)。

 中野幹事長も皇室の制度を守っていくことには同意を示していた。

 ただし、旧皇族の皇籍復帰については、急を要することではないと考えているようだった。

 

 最後の質問者がぶっ飛んでいた。

 明治維新がどうのこうの、大東亜戦争の学徒出陣がどうのこうのと、自分が勉強しているところを延々と演説した。

 で、結局、何を質問したかというと、糖尿病の医療費の制度がおかしいのではないかということだった。

 壮大な前置きは質問とほぼ全く関係なかった(本人的には、医療制度の歪みは、明治維新以来の日本精神の歪みを反映したものであり、大いに関係ある、ということなのだろうが)。

 時空を超越する斜め上過ぎる質問で、会場から呆れる声が聞こえてきた。

 しかし、中野幹事長の受け答えは、さすがプロの政治家だと思った。

 中野幹事長は機転を利かせ、このとりとめのない質問を医療費の財源問題や終末期医療の問題と捉え、真摯に答えた。

 私にはなかなかこういうことができる気がしない。

 

 講演会が終わると、中野幹事長と記念撮影をすることができた。

 

 

 講演後、加藤さんは、中野幹事長は「いい人」だと言っていた。

 私も同感だ。今回の講演会でも、人柄の良さを感じられた。

 血祭さんは、慰安婦問題日韓合意とTPPについての質問や意見が出てこなかったのは意外だと言っていた。

 日本のこころを大切にする党の支持層であれば、これらに反対する意見が出たり党の所見を質問したりしても不思議ではないところ、こういう意見や質問が出てこなかった。

 言われてみれば、私も意外に思う。

 昨年の松沢成文元幹事長の講演会では、

「私は西田昌司参院議員を支持している。経済左派の発想が必要だ。松沢は党を出ていけ」

などと言う質問者がいて、チャンネル桜の影響が強いという印象があった。

 チャンネル桜が慰安婦問題日韓合意やTPPに反対していることを思うと、これらについて意見や質問を述べる者がいなかったのは、意外であった。

 なお、慰安婦問題日韓合意について、血祭さんは、いわゆる「10億円」につき、韓国政府による慰安婦像撤去を待つことなく、すぐに支払って構わないという立場だ。

 日本側が履行してしまえば、韓国側としても慰安婦像を撤去しない言い訳ができなくなる。

 「韓国はカネだけ受け取って履行しない。それどころか合意を破棄する。」という保守系の人もいると思うが、そんなことをしてしまえば、国際社会に異常性をさらけ出し、さらに仲介者であるアメリカの不興を買って損をするのは韓国の方だ。アメリカが関与している点が河野談話と大きく異なる。

 「10億円」をさっさと払ってしまえばよいということは、武藤正敏元駐韓日本大使も結論において同じだ(http://www.sankei.com/premium/news/160505/prm1605050016-n1.html)。

 なお、武藤氏に対しては、江崎道朗氏が、国家の名誉を軽んじているという批判をしており(「正論2016年4月号」237ページ)、10億円拠出の先履行は保守層にはウけが悪いであろう(たとえばhttps://www.youtube.com/watch?v=lnf3Kz8ExMk)。

 

 皆で一致したのは、中野幹事長が「ポリティカル・キャピタル」を気にしすぎているという印象が残ったことだ。

 「言うべきことは言う」と言いながら、殊、消費税について、政治的に難しいことは「言わない」のだ。

 日本のこころを大切にする党は野党なのだから、消費税についても減税や凍結を主張すればいい。党の顧問の高橋教授は減税を唱えている。

 にもかかわらず、安倍政権が減税を言わないから我が党も言わないとか、消費税凍結は大政党の合意を得られなくて実現不可能だから言わないとか、妙に妥協的で、納得がいかないのだ。

 しかも、「ポリティカル・キャピタル」を気にして控えめな政策を打ち出すことが選挙に有利ならまだしも、果たしてどうなのだろうか。

 自民党に近い政策を掲げても、票は自民党に流れるばかりだろう。

 それに、消費税増税反対という点だけで共産党に投票している有権者はいるはずで、減税を掲げれば共産党から票を奪うことも期待できる。

 消費税マイレージ制度という独自の主張はしているが、技巧的でわかりにくいため、理解が浸透して支持拡大の起爆剤となるとはなかなか考え難い。減税をズバッと主張した方が効果的だろう。

 中野幹事長によると、党内にも消費税マイレージ制度導入の前に消費税減税をすべきだという意見もあるとのことだが、日本のこころを大切にする党の国会議員は3名しかいない。おそらく、和田政調会長が減税先行を唱えているのではないか(<追記>配布された資料を見たら、和田政調会長が安倍総理大臣に消費税減税を提案した参議院予算委員会の質疑が掲載されていた。)。

 中山・中野の旧たち日系と、和田の旧みんな系とで、消費税について意見が割れている気がしてならない(参考までに、たちあがれ日本は、6年前の参院選で、「消費税を社会保障目的化し、2012年度に3%引き上げ。経済回復後、段階的に4~7%引き上げ」を公約にしていた。http://www.asahi.com/senkyo2010/special/tanichi.html)。

 なお、「クソ」発言については、加藤さんが血祭さんをたしなめていた(元々は加藤さんの影響で「クソ」を使い始めたらしいが)。 

 

 血祭さんについては過去の記事でも切れ者だということは紹介してきたが、加藤さんもしっかりした人だった。

 「筋を通す」という印象だ。

 ロックの精神、ロックのかっこよさを重んじているという感じがした。

 音楽業界では反戦平和がもて囃され、SEALDsが支持される傾向があるが、加藤さんから見れば、彼らは幼稚なきれい事を吐いているに過ぎず、本物の反権力ではなく、本物のロックではない。

 また、加藤さんも血祭さんも、適菜収が大嫌いだw

 適菜がロックについて滅茶苦茶なことを言っていたとのことだ。

 私はかつて適菜を信頼していたが、彼が「三橋貴明の「新」日本経済新聞」に出るようになったあたりから劣化が著しいように思え、今では信頼していない(http://ameblo.jp/bj24649/entry-11973655399.htmlhttp://ameblo.jp/bj24649/entry-11976534385.html)。

 加藤さんの親戚が経営するお店で夕食をごちそうになった。

 迂闊にも店名を確認するのを忘れてしまったが、多分「とんま」という豚カツ・ステーキ店だ(http://qq3q.biz/tUElhttp://urx.blue/tZmP 地下鉄鶴舞線の大須観音が最寄り駅)。

 味噌カツはもちろんのこと、手羽先の唐揚げも大ぶりで美味しかった。

 手羽先の唐揚げというと、独特の食べ方を思い浮かべる人も多いだろうが(https://www.youtube.com/watch?v=AtMXOkvfuok)、もともとは煮物の食べ方であり、唐揚げの食べ方ではなかったという説明を受けた。私は地元民だが今まで知らなかった。

 ぜひ皆さんも訪れてみてほしい。

 

 今回の講演では、消費税を巡る政治闘争の難しさをあらためて感じた。

 日本のこころを大切にする党は、政党助成法上の政党要件を失おうとしており、この参院選はまさに存亡を懸けた戦いとなる。

 党名変更によって高齢者の支持の獲得を図ったが、知名度そのものを失ってしまったため、政党支持率はいまだに0%近辺を這う有様だ。社民党にも及ばない。

 減税は票を集めやすい。消費税減税は単なる不合理なポピュリズムではなく、経済学的に合理性が認められる。党顧問の高橋教授も提言している。

 消費税マイレージ制度を掲げるにしても、同時に、消費税減税も掲げればいい。両者は排他的関係ではない。

 ここまで追い詰められても、消費税減税は言えないのだろうか。

 消費税を8%に増税したことは誤りであったとは言えないのだろうか。

 中野幹事長は充分に景気が回復したら国民に消費税再増税をお願いすることもあり得るということを述べたが、では、先の5%から8%への増税は、充分に景気が回復した状態でなされたのだろうか。

 充分に景気が回復していない状態(デフレ脱却前)で強行された先の増税について異を唱え、減税(税率を5%に戻す)を主張するのがスジではないか。

 政治の世界はよくわからない。

 消費税減税を主張すると、その後の展開はどうなるのだろうか。何か不都合なことでもあるのだろうか。

 自民党の顔色を伺うような発言を聞いていると、選挙結果次第では自民党に合流することも念頭に置いているのではないかと勘繰ってしまう。

 

 今回の講演会は、消費税に関する説明は納得できなかったが、その他は概ね良識的だったと思う。

 今夏の参院選の投票先については、実は講演会前から決めていた。

 私は、日本のこころを大切にする党に投票するつもりだ。

 まず比例区だが、同党から西村眞悟前衆議院議員が立つのであるから、投票するしかない。

 参院選は非拘束名簿方式なので、個人名を書いて投票できる。西村氏の名前を投票用紙に書けるとは喜ばしい。

 次に選挙区だが、愛知県は定数是正によって定数が6から8に増えたhttp://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/senkyo/san_gouku/index.html)。今夏の参院選では上位4名が当選する。

 「民主党王国」と言われている愛知県であるが、自民党の候補者が落選するとは考え難い。衆院選のように自民党に票を集中させる必要性は低い。

 今回の参院選は、平成22年に当選した議員が改選される(http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2010/kaihyou/ye23.htm)。平成25年の選挙結果こうだ(http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2013/kaihyou/ye23.htm)。 

 渡辺喜美前衆議院議員がおおさか維新の会に入り(http://www.sankei.com/politics/news/160514/plt1605140026-n1.html)、おおさか維新の会は減税日本の立てた候補者を支援するため(http://www.sankei.com/west/news/160518/wst1605180107-n1.html)、かつてみんなの党に入った票は、減税日本に入ることになるのだろう。また、平成22年のように、民進党に2名を当選させる力があるとも思えない。

 とすると、自民・民進・減税が1位~3位となり、共産党が4位に入って当選してしまうのではないだろうか。

 井桁亮氏には、共産党の当選を阻止すべく頑張ってほしい。

 

 他の選挙区を特に調べたわけではないが、ひょっとしたら、選挙区の中で愛知県が最も当選の可能性があるのではないか。

 愛知県選挙区に注力するという戦略もあり得るかもしれない(昨年の名古屋市議会議員選挙で全滅した上、共産党を上回る区が1つもなかったのは気がかりではあるが。http://www.yomiuri.co.jp/election/local/2015/kaihyou/yi23.html)。

 

 政治の世界は一寸先は闇で、安倍政権が消費税再増税をどうするのか、解散総選挙をするのかしないのか、よくわからない状況になっている。

 

 日本のこころを大切にする党には、いかなる展開になろうとも、悔いを残さぬよう、国家国民のために、ギリギリまで政策や選挙戦略を詰めていってほしく思う。

 実のところ、参院選の政策を説明する今回の講演会は、既に投票先を決めていたこともあり、あまり関心がなかった。

 しかし、行ってみて、中野幹事長の話を聞き、他の政治家の話を聞き、彼らを支える裏方を見て、そして血祭さんと加藤さんと話し、様々に刺激を得ることができた。

 行ってみてよかったと思う。