太陽とハジケ隊っス。  | “Mind Resolve” ~ この国の人間の心が どこまでも晴れわたる空のように澄みきる日は もう訪れないのだろうか‥

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世の中には色々な職業があって、
日本の映像業界のスタッフ側(?)の一人、
自分の好きなことを堂々とやって
とても楽しく仕事をしている人もいた! 
…ということを発見した瞬間がある。
俺も初めて逢った時は ちょっとビックリした。
「世の中にはこんな人もいるんだ」
視野が拡がった。
ここでは その人のことを仮に
芸能ブローカー
と呼ぶことにしよう。
本人も、
「オレは芸能ブローカーだ」
と云っている。
云っているだけでなく、
やっていることも芸能ブローカーそのものだ。

    
    
三軒茶屋の駅から地上へ昇り出て渋谷方面へしばらく歩くと
池尻2丁目の通りの左側に
ビリヤードのプロが経営するお店で 
映画やドラマのカジノのシーン…その手の撮影によく遣われることも多い、
909というプールバーがあった。 
    
とある早朝。三軒茶屋にて。
「南ぃ、おまえ今日はカジノバー店員もしくは客な。
ツカイマワシで どっちが先になるか行ってみねぇとわかんねぇけど
ゲンバ着いたらスタッフの指示に従って衣装替えしてくれ。
午後は警官な。」
 
と、バッグから名簿を取り出して集合した者の名前をチェックする
芸能ブローカー。 
「それと イナジ っ! お?、アイツどこ行ったよ。 おいっ!イナジっ!」 
「ハイ!」 マクドナルド前へ集まった集団の少し離れたところから 
「おまえ、今日の午後の予定どうなってる?」 
「は?」 
「歯じゃねぇよ、オレはちゃんとイレバ入れて しゃべってんだよ。
昨日の夕方、事務所からなんて云われてんだよ?!」
 
「はぁ、午後の現場が移動になった時点で連絡するように…ということです」 
「でなぁ、それに間にあうようにスケジュール組んどいたんだけど
こっちの頭数が足りなくなるんで、なんとか換わりの者を用意すっから  

おまえは今日一日ここにいてくれ。」 
「はい」 
「たぶんもう変更はないと思うけど
もしもまた何かあったときは向こうからオレのケータイへ連絡あるだろうから
そんときに…」
 
「えっ?! じゃぁ事務所の方へは電話しなくてもいいんですか?」 
「だから、オレんとこへ連絡あったときに教えるから、
この件で おまえはもう心配しなくてもいいのっ! 最後までヒトの話を聞いてろっ!」
 
「でも明日のこと翌日の仕事確認 もあるんで…」 
「あした? 明日じゃねぇよ! オレが云ってるのは今日の話だ! 
明日は明日で自分の面倒は自分でやってくれ」
 
「…」 
「わかった?」 
「今日は電話しなくてもいいんですか?」 
「だからぁ゛っ! 何回も云わせるなっつーの! 
今日のことは、これから現場で撮影やってる最中、
午前中のうちにハッキリさせるから 
おまえは今日一日、本体が移動してもオレと一緒にいればいいのっ!」
 
「はい」 
「ったく、朝から同じこと何回も云わせるなっつーの! 
それと、上牧っ! 
あ?、カミマキの野郎はどこ行ったよ? おいっ、上牧っ!」
 
「ヘイッ!」 
「ちょっと こっち来い」 
「ヘイ、なんでしょう?」 
「おまえ、今日の午後、現場が移動したあとで刑事やってもらうから 
そのつもりでな。急遽、一人こっちで用意してくれってことになったんだけど
衣装は持ってきてねぇだろ」
 
「アリマス!」 前日の別の撮影 が朝までかかって、そのまま来たらしい。) 
「あるのかよ?!  どれ? 普通のスーツか?」 
「黒だけど。」 
「ネクタイは?」 
「お葬式。」 
「ダメだっ! そんな格好した刑事じゃ遣えねぇ!」 
「やっぱり?」 
「あったりめぇだ! 常識的に考えて 
犯人を連行してパトカー乗り込むのに 
オツヤ行く格好のデカがいてどーするよ!」
 
「白手したら葬儀屋さんになっちゃうし。」 (南) 
「昨日どっかで遣ったヤツ(自前衣装)か?」 
「そうです」 
「まぁいいや。いちおう ソレも助監督に見てもらって 
衣装は向こうで用意するって云ってたから、ロケバス行きゃぁなんとかなるだろ」
 
「それはそうと、朝食はあるんですか?」 
「知るかよ! そんなの。」 
「いや、もしかしたらあるかなぁ…って期待してみただけで…」 
「あるわけねぇだろ。
こっちだって喰う間もなく こうして来てるってぇのに 

おまえらのメシの心配 までしてられねぇっつーの! 
何年この仕事やってんだ!
 
「3年です。」 
「だったら ちっとは判るだろ、そういう御時世ぇくれぇ。
ホンペンじゃあるまいし、2週間で済ませるような撮りで 
トラに朝メシ喰わせる予算なんて最初っからねーの!」 

「はい」 
「・・・・喰ってねぇのか?」
 
「うん。」 
「んじゃぁ、まだ現場の集合時間まで少し時間あっから、
どっかそのへんで買ってきて喰えっ!」
 
「あ! まだ時間あるんすか? じゃ俺、コーヒー買ってくる」 
「おお、南ぃ、オレの分も買ってきてくれ! カネはあとで払うから 
なにか ちょこっと喰うもんもなぁ」
 
    
ということで、その日は小沢仁志 さん主演の、
あ・キレた刑事(2001年 東映Vシネマ)の撮影だった。
ロケ先でのシーン設定は、ある若手刑事の違法カジノ潜入捜査。
小沢さんはジャンパー姿でバカラの席へ腰かけ 
マッチ派 で洋モクを吸っていた。
煙草の銘柄はたしか、ゴールデンバットだったか? 記憶が定かではない。) 
その作品そのものは、タイトルからしてもパクリっぽい んだけど 
たとえば、恭兵さん のドラマ『はみだし刑事 情熱系』では、重要な役どころでもあったりして 
どこへ登場してもメリハリの効いた演技で存在感が濃い。
大泉撮影所のプレハブ事務所の2階一室を利用した 
その撮影の取調室のシーンでは、容疑者を廊下へ放り出して暴れる際に 
テストの段階で壁にデカイ穴をあけてしまっていた小沢さん。
    
午後の現場は横浜の、とある廃工前にて。
カジノがロフトの中にあったという設定で 
小沢さん扮するロクデナシ刑事は、一連の捕り物が終わったあとで
ゲンバでセシメタ札束を数えているところを 
「そちらは預からせていただきます」 
というオチで、パトカーの周りをウロついていた警官 に あっけなく取りあげられてしまう。
    
というシーンがあって、
なんとその札束がいつもの小道具ではなく 
すべて現ナマだった。
ところが、その¥何十万というカネが無造作にも、コンビニ袋へ入れられ 
片付けに明け暮れるロケ先の
夕暮どきの地面へ置き去りにされていた! 
    
拾いあげる南。
まず、スタッフではなく、芸能ブローカーのもとへ持ってゆき、 
    
コレ今日、これから飲みに行きませんか? 」 
「ああ? なに云ってんだよ。ダメだよ。ちゃんと数えてあるんだから。」 
やっぱり?  
昔とはちがう んだ! 返してこい。」 
    
    『あ・キレた刑事』(2001年東映V) 撮影現場より。
    
       あ・キレた刑事  
    
    
ちゅうことで、“黄昏の芸能ブローカー”からは 
アレ 以来、連絡はない。 (今のところはな。) 
生きておられるのでしょうか? 
    
    
    
    
    
    
    
    VANISHING GLOW 『太陽が弾ける日』  
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    HITOSHI OZAWA 25th Anniversary 
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    OZAWA FACTORY ~小沢仁志 公式サイト~  
    http://www.ozawa-factory.com/index.php