ひとことで「薬の塗り方」をうまくする言葉
こんにちは。橋本です。
私は毎日、いろんなアメブロガーさんのブログを読んでいます。
「読んでいると思わずニコッとしてしまう」「幸せな気分をわけてもらえる」「ほっこりしてしまう」ブログなんかは、ついつい読み入ってしまいます。
おそらく1日、100以上のブログを読んでいます。どれだけヒマなんだよ、という話なんですが(笑)。
そんなブロガーさんたちに比べると、私のブログは、はっきり言って、そういう「幸せパワー」はありません。
にもかかわらず、ここ最近、いくつもコメントをもらえているので、更新が楽しくなっています。
さらに、そのコメントが、ただのコメントではありません。
「すごくタメになるコメント」が多いんですね。
日頃のスキンケアのヒントになることが、いくつも隠れています。
ぜひ、そういうものは、記事でとりあげて、その「ヒント」を共有していきたいなー、と思います。
では実際に、「いい話だなあ」と思ったコメントを、ひとつ取り上げてみますね。
子供のアトピーを診て下さっている先生が、軟膏を塗る時に「すりこむのは、肌をこすって刺激になるから」と、仰っていました。
ベタベタするから、早く馴染ませようとして、ついこすってしまいがちです(>_<)
これに対しての私の答えがこちら。
コメントありがとうございます。
たしかに、普通の感覚からしたら、「すりこむのは、肌をこすって刺激になるからダメ」といわれたら、「それぐらいのことでも?」と思ってしまいますよね。
もちろん、正常な肌に、そこまで気を使っていたら異常ですけど、アトピー体質、とくに肌の弱い部分には、「刺激しない」という意識がケアにつながります。
薬の場合だと、すりこまないでほしい理由がほかにも2つあります。
1つは、すりこむと、どうしても塗り方が薄くなって、「十分な量が塗られない」ということになってしまうから。
ステロイド外用薬は軟膏なら、少しベタつくぐらいが適量です。
参考記事:
ステロイドを塗る適切な量「フィンガー・チップ・ユニット」とは?もう1つの理由は、すりこむと、悪くなっている部分に、薬が十分につきにくいから。
湿疹によっては、悪くなった部分が、正常な部分に比べて少し盛りあがることがあります。ごくわずかなことですが。
すりこむと、その悪い部分に薬がきちんとのらないんですね。
洗濯板をイメージしたら、わかるかと思います。洗濯板にすりこんだら、溝にばかり薬がのってしまいますよね。
「刺激しない」を意識しよう、という話から、少しそれてしまいましたが、軟膏をすりこんでほしくないのには、そういう理由もあります。
塗り薬をぬるときによくやる「すりこむ」というのは、「ハンドクリームの使い方」です。
手は、つねにものを取ったり、つかんだりします。手先につけたクリームは、すりこんであげないと、ベタベタしてしまいます。
ハンドクリームなら、すりこんでもOK。ステロイド外用薬だったら、話は別です。
すりこむと成分がよくしみこむ気がしますが、実際には、すりこまなくても、薬は浸透していくんですね。
逆に、すりこむことで、十分な量の薬が肌にのらないため、薬がきちんと効かなくなってしまうこともあります。
悪くなっている、「出っぱった」湿疹の部分。そこにもきちんと薬をのせたいんですね。
私の個人的な意見では、薬を十分な量を塗らなかったことで、「薬がきちんと効かない」という経験をすることは、ある意味、怖いと思っています。
「薬がきちんと効かない」という経験をすると、たとえば、
ステロイド外用薬 → うちの子には、塗ってもよくならない → ステロイドは怖い薬っていうし、よくならないなら、使いたくない
という考えに、かたむいてしまうことがあるからです。
だからといって、薬の塗り方についてグダグダと説明するお医者さんがベストだとは思いません。
場合によっては、よけいに薬を使いたくなくなるかもしれませんので。
どういう説明がベストだというのは、ちょっと難しいです。心に響く説明は、ひとりひとり違うわけですし。
でも、
「すりこむのは、肌をこすって刺激になるから」
という、ひとことで簡潔に説明するお医者さんは、「うまいな」と思いました。
長々と説明しなくても、短いたったひとことが、「なるほど」と心に響く表現だったんですよね。
「誤解をうまない程度の、少ない言葉、説明で、患者の治療を改善させる」
これができるのも、「いいお医者さん」の条件だと思います。
ようは、すりこまないようにして、適切な量の薬が、適切な期間、塗れればいいわけですからね。