TF史上初の海洋戦士!
G1シースプレーを紹介します。
◆トランスフォーマー C-64 海上防衛員 シースプレー
まさにG1期の玩具といった雰囲気! 棒立ちの体勢、箱っぽい脚、絶対動かないなこれという繋がった両足。これぞといった感じです。
1985年のアニメ『戦え!超生命体トランスフォーマー』に登場したシースプレーの玩具です。当時の最小サイズトイである『ミニボット』の一員で、手で握って隠せる大きさとカンタンな変形が魅力の一品。ホバークラフトに変形。サイバトロンです。
初代TFの玩具はほとんどがダイアクロン玩具やミクロマン玩具からの流用で、かのバンブルもミクロマンの『ミクロロボットCAR』が元になっているのですが、シースプレーやワーパスなどのシーズン2登場ミニボット組は最初からトランスフォーマー用に玩具開発がされたため、流用元の玩具が存在しないオリジナル金型になっているそうです。
後ろから。変形方法まるわかりですが、いらないもの後ろに寄せました感はゼロ!
サイズの小さいTFは変形にムダが無いところがいいですね。
横から。ホバークラフトの前半分がそのまま足になっているので接地性は良好。倒れることはほぼ無いです。
顔アップ。アニメだと両目があるタイプの顔でしたが玩具は黒いバイザー顔! それもV字型じゃなくて◇型なので表情に力が無く、愛嬌のある顔になってます。かわいい! このシースプレーはほとんどが成型色でできているんですが、おそらく唯一の塗装箇所がこのバイザー部分です。
口元のマスクにはスリットが入っていて、なんとなく水中仕様っぽく見えなくもないです。
ボディはホバークラフトの後部。四角いモールドはホバークラフトのウインドウなんですが、ロボットモードだとメカディティールに見えてくる感じもあり、単純な変形の中に上手い工夫が光ってます。胸部の『三』みたいなトコはアニメだとパネルになっており、ここを開けて周波数を調整することで他の星からの救難信号をキャッチしたりしてました。
脇腹の色ついてるとこはシール処理。
腕は単純なつくりですが指までちゃんと造形されてます。4本指。
ここも見ようによっては銃口的な何かに見立てることもできます。武器が付属しない分、このへんで想像してビーム出したりしてね、という意図のもとにこういう造形になってたりしたら感動するんですがどうなんでしょうw
肩から突き出たプロペラは手回しでクルクル回せます。ホコリ取るためにエアーダスター吹きかけたらブイイイイイ!!と高速回転して笑いました。
繋がっている両足。こういうのは自分「ビート板を履いてるロボ」といったように捉えちゃいますが、一応分割線が造形されているので、ホントは両足分かれてるから頭の中で切り分けて遊んでねという感じ。
ですが分割線をまたぐようにシークレットエンブレムシールがあるのでなんというか中途半端ですw
足の裏はコロ走行用のタイヤ(画像右側)があるのでそのままだとフラフラしちゃいそうですが、ロボットモード用のダミータイヤ(画像左側)がスタンドになるおかげで、押した程度ではコロコロしないようになってます。細かい気づかい!
可動の話! 腕が前後スイング! 終わり!
いやまだ動くところはありますが、可動用として備わっている関節はここのみ。
人魚を助けるくらいならお手のもの!
なんかあんまり触りたくなさそうな持ち方に見えるのは気のせいです。
「元気出せよ、そのうち家に見習いサキュバスとか降ってくるって」「うん……」といった光景も演出可能。
またこれも変形関節ですが、足首を伸ばすこともできます。足ユニットが急発進して体がついていかない、というアクションが可能! 勢いよくずっこけてるんじゃないですよこれ。
ちなみにアニメでは、地球の海やそこに生きる生物たちを愛していて、人間の姿を願うほどの地球親派でした。
シースプレーが主に活躍するのは主役回でもある第44話『変身の泉』。シースプレーの内面が描かれた話で、「確かに俺の身体は無数のトランジスタとボルトと鋼鉄でできている。でも俺は単なるマシーンじゃないんだ。心臓はエネルギーポンプでも、人間のように感情を持ってるし、あんなドロイドなんかと一緒にされてたまるか!」という名台詞もある、とてもロマンチックな話です。マジで。大好きな話。もの言わぬ機械ではなく感情のある生命体で、夢もある、悩みもある、というトランスフォーマー全体の魅力も描写された回だと思います。
またビーチコンバー主役回の第31話『ゴールデンラグーンの秘密』もシースプレーが活躍します。この回では内面ではなく身体的な能力…海上での機動力や水中でのスピードなんかを見せ付けてくれるので、こちらもオススメです。
ムービー版シースプレーと。改めて比べてみるとムービー版は全体の配色や体型はぜんぜん似てないんですが、雰囲気でシースプレー感が出ていることに驚き。
ムービー版は以前にクロミアやロックバスターと一緒に軽く紹介した程度なのでそのうちちゃんと単体で記事にしたいですね。
メタルスデプスチャージとリベンジデプスチャージの2人は、別人に同じ名前がつけられただけでしたが、ムービー版シースプレーと今回のG1シースプレーに関しては、別人ではありますが別世界の同キャラというような部分もあり、遊ぶときにどうしようか結構迷いました。
ひとまずは「ムービー板シースプレーのもうひとつの姿」ということで以下のようにやってます。
大きさ。近年のEZコレクション(レジェンドクラス)と同じくらいですね。
シースプレー以外のミニボットは持っていないので、ミニボットとしてデカイのか小さいのか普通なのかはわかりません。
さて変形。
シースプレーはホバークラフトに変形します。
シースプレー、トランスフォーム!
曲げて!曲げて!スライド! わずか3ステップで変形完了!
スライド時に腕をまっすぐにしていないとうまく入らないのでそこだけは多少気を使いますが(腕が定位置で小さくロックされれば尚良かった)、カンタンかつ気持ちの良い変形なので、1人で笑顔になってしまうことうけあい。脚もカクンカクンと段階を踏んで曲がるので手が楽しいです。
シースプレー、ビークルモード! かわいいホバークラフトに。
単純な構造ですが、腕と足がスポッと接続されてひとつのスカートになったり、足と脚がきっちり噛み合って一枚の屋根を形成したり、いわゆる『ツライチ感』はかなりのものです。自分はビークルでツライチになるとそれだけでもうウヘヘと笑ってしまうので実に嬉しい。
プロペラがむき出しなのでなんとなく旧式ホバーという感じがしますが、船舶に明るくないので実際のモデルがあるのかどうなのかはわかりません。詳しい人いたら教えてください。
後ろから。角度のついたウイングがかっこいい!
後部の白い部分のスリットはロボットモードだと見えない場所にあり、ビークルにするとこうして出てくる仕組み。後頭部のスリットとあいまって、ホバークラフトとしてのディティールアップに一役買ってます。こういうさりげない小さな工夫大好き!
横から。やっぱり屋根というかデッキ?のツライチ感、一枚板感がいい感じ。
中央下にダミーのタイヤが見えてますが、もちろんこの状態では接地していないので、3つのタイヤでコロ走行が可能です。
正面から。巨大なフロントガラスが印象的。見て分かるかもしれませんが窓ガラスの類がなく窓が開いた状態になってます。そこから脚の黄色が見えるせいで「目」に見える現象がw ロボットモードにするとここの黄色は見えなくなるのでまさにビークルモードの目って感じですw
裏側。背中と手足で出来ているのに手足見えちゃってる感が無い!
後部のアップ。ウインドウやドアも造形されていて、子供の目を飽きさせない作り。
黄色の台形部分はロボットモードの後頭部ですが、まるで潜望鏡を覗き込んでるような体勢になるのが面白いw
シースプレー、海上を巡回!
ホバークラフトは海面ギリギリを浮いて進む乗り物。地面や海面との摩擦はゼロ、水の抵抗もゼロ。スピードに長けた船舶です。
空中を移動しているので正確には船舶ではなく航空機に分類されるとのこと。ですが法的には船舶扱いらしいですw
海に入っていないので、座礁とは無縁!
岩場だらけの浅瀬もギュンギュン進めます。
地面が平らでありさえすれば陸上も走行可能なのがホバークラフト最大の利点!
俺はロボットモードにならなくても陸上を走れるんだぜ!と得意げなシースプレーに、わーカッコイイー!と喝采を送るボーター君。機関車トーマスとかだとこのあとシースプレーが調子乗りすぎて大事故起こしてみんなからざまあざまあ言われたりしますがトーマスではないのでこのまま終わりです。
ビークルモードでムービー版と比較。
豪華版、という趣もありますがホバーの種類自体も違うし配色も形も別物です。
ホバークラフトは60~70年代に民間用のものが多く投入されましたがそれ以降は「燃費が悪い」「うるさい」「悪天候に弱い」などのデメリットが浮き彫りになり、次々と廃止されていった乗り物。ですが今現在でも軍事用としてあちこちで活躍しています。G1シースプレーが25年の時を経て軍事用の揚陸艇ホバークラフトに姿を変えたのはこういった世情を反映してのことなのかもしれません。
ちなみにビークルのサイズはこんな感じ。
ムービー版に余裕たっぷりで乗れる!
色んなホバークラフトと。左からムービー版シースプレー、フィルター、パワーラン&ストライクダウン、G1シースプレー、シーマイクロンエクスディメンションズのフロート、ショートラウンド。ホバークラフトTFはリカラー除けばこれで全部ですかね? 単体でロボにならないのを含めればフリートクラフトもいますね。まだいたっけ?いたら教えてください。
ホバークラフトは変形玩具にしやすいのか、通常の船型よりも多いかもしれません。
G1シースプレーとその左右2体は大きさも形も似ていますが、船体のどこがロボットのどこになるのかはまったく違っていて面白いところ。
うおお~~唐突な俺変形だ~!
2足歩行することにより陸上の悪路も進めるようになったぞ!(あ~~……)
G1シースプレーのレビューでした。
玩具としては、とにかく変形が単純かつカンタンです。EZコレクションやマイクロンより簡単。そのうえでジャコッというスライドやカクンカクンといった曲げ伸ばしの感触が心地良いので、シースプレーだという事実を抜きにしても玩具として好きな部類です。
造形面では愛らしいたたずまいが魅力。各部のモールドや足裏のストッパーなど小技も効いていて、そういうのに魅力を感じる人にもオススメです。
海洋系TFとしては、そこまでリアルなホバークラフトではないのですが、丸みを帯びたビークルはとてもかわいらしく、また『海洋系TFの元祖』でもあるので、海モノを集めている自分にとってはもうほとんど最初のコンボイ司令官みたいな位置の玩具に思えたりします。
難点は手に入れづらいこと。アニメで主役回が存在する初代キャラでありながら、30年間ただの一度も復刻されていない(リカラー再販はありましたが)ので、当時品しか存在しません。自分のは箱なしの本体のみ品なんですが、それでも手に入れるのに時間がかかりました。ぜひ今後、せっかくなので2010の海洋戦力であるブロードサイドとともに復刻されてほしいところです。
リカラー品はG2にて青成型部分がメッキになった『シースプレー』が海外で出ていた模様です。G2の時期なんでこれも入手しづらい!
では。