【夕顔52-2】古典常識:「褶」って何?
源氏物語イラスト解釈です
受験生のみなさん、勉強がんばってますか?
古典常識は、出てきたものから
イメージを理解していきましょうね!
では今日も行ってみましょう~♪
ヽ(○・▽・○)ノ゙
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今回の源氏物語
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「…褶だつもの、かことばかり引きかけて、かしづく人はべるなめり。
昨日、夕日のなごりなくさし入りてはべりしに、文書くとてゐてはべりし人の、顔こそいとよくはべりしか。…」
訳と内容が不明確の人は、まずイラスト訳からどうぞ☆
夕顔52のイラスト訳はこちら
これまでのあらすじ
天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏。
ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻です。源氏が新たな恋人、六条御息所の所に通っていた夏の頃の話。源氏の従者である惟光の母は、光源氏の乳母でもありました。この乳母が病に臥していた見舞いに、源氏は五条まで出かけます。家の門が開くのを待つ間、夕顔の花が咲く隣家に目をとめ、その花の名を尋ねたことをきっかけに、その家の主人夕顔が和歌を寄越してきました。興味を持った光源氏は返歌をし、その後、今夜の目的であった六条御息所のもとへ訪れますが、心の隅に、五条の隣家のことが残るのでした。
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☆ 「褶(しびら)」って…何? ☆
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古典常識って、
どこまで覚えたらいいの~???
(°Д°;≡°Д°;)
…なんていう質問をよくされます。
たしかに、現代と違う言葉や文化、価値観が
古典の世界では、いっぱい出てきますよね~;
(;゚;Д;゚;)
仏教や死生観、恋愛観に、生活スタイルに至るまで、
古文常識――幅広くて…;;
。(´д`lll)
特に、今回の「褶」なんか、
もし出てきたとしても、おそらく注釈がついてるので、
スルーしてもいんじゃね?!
って思います(ㆁωㆁ*)。。。
ですが、もし注があったとしても、
こんな問題が出たとしたらどうでしょう?
「…褶だつもの、かことばかり引きかけて、かしづく人はべるなめり。
昨日、夕日のなごりなくさし入りてはべりしに、文書くとてゐてはべりし人の、顔こそいとよくはべりしか。…」
問)傍線部の理由として最も適当なものを選べ。
1.褶のようなみっともない着物を着た女性は、その服装から主人に仕える女房の一人なのだということが見てとれる。
2.褶のような略装を、かんたんに羽織っているということは、そこにお仕えする女主人に敬意を表していないことが見てとれる。
3.褶のような簡略化した着物を着るということは、服の汚れを気にせず世話すべき乳飲み子がいるということが見てとれる。
4.褶のような身分の低い者が着る衣服を着ているということは、そこの女主人も相当身分が低い者なのだと見てとれる。
5.褶のような形だけでも礼装を着ているということは、そこに敬うべき身分の主人がいるのだということが見てとれる。
ちなみに注釈は、この下をご参照ください。
【褶(しびら)】
【名詞】
…平安時代の女性の衣装の一種。「裳(も)」の簡略なもので、衣の上から腰に着用した。地位の低い女房が用いた
(『学研全訳古語辞典』(Weblio古語辞典)より)
(※服装史については疎いのでご容赦下さいませ;)
さて…
分かりますかな……
古典常識は
たしかに、入試で出るものは少なく、
できたら、覚えない方向で済ませたいものですよね^^;
ですが、
古典の世界の常識――
つまり、価値観や文化、生活習慣などを知っておくことで、
とってもイメージが広がり、理解も深まると思います。
1.褶のようなみっともない着物(△スギ)を着た女性は、その服装から主人に仕える女房の一人なのだということが見てとれる。
2.褶のような略装を、かんたんに羽織っているということは、そこにお仕えする女主人に敬意を表していない(×傍線ズレ)ことが見てとれる。
3.褶のような簡略化した着物を着るということは、服の汚れを気にせず世話すべき乳飲み子(△常識ズレ)がいるということが見てとれる。
4.褶のような身分の低い者が着る衣服を着ているということは、そこの女主人も相当身分が低い者なのだ(×傍線ズレ)と見てとれる。
5.褶のような形だけでも礼装を着ているということは、そこに敬うべき身分の主人がいるのだということが見てとれる。
正解……5