【夕顔37-2】「の」の識別☆
源氏物語イラスト解釈です
では行ってみましょう~♪
ヽ(○・▽・○)ノ゙
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今回の源氏物語
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「めざましかるべき際にやあらむ」と思せど、さして聞こえかかれる心の、憎からず過ぐしがたきぞ、例の、この方には重からぬ御心なめるかし。
訳と内容が不明確の人は、まずイラスト訳からどうぞ☆
夕顔37のイラスト訳はこちら
これまでのあらすじ
天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏。
ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻です。源氏が新たな恋人、六条御息所の所に通っていた夏の頃の話。源氏の従者である惟光の母は、光源氏の乳母でもありました。この乳母が病に臥していた見舞いに、源氏は五条まで出かけます。家の門が開くのを待つ間、夕顔の花が咲く隣家に目をとめます。その花を一房取ってくるよう従者に命じると、その家の女童が、香をたきしめた扇を、花を載せるためにと差し出します。その後、乳母を見舞い、帰り際ふと扇に目をやると、光源氏の正体を察しているような、趣深い和歌が書かれていました。
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助詞で頻出ベスト1! ☆「の」の識別 ☆
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格助詞の中で、最も入試に登場するのが
今回の、「の」の識別です。
「めざましかるべき際にやあらむ」と思せど、さして聞こえかかれる心Aの、憎からず過ぐしがたきぞ、例Bの、この方には重からぬ御心なめるかし。
問)傍線部ABの「の」と同じ用法のものを1つ選べ。
1.月の出でたらむ夜は、見おこせ給へ。(竹取物語)
2.人の謗(そし)りをもえはばからせ給はず。(源氏・桐壺)
3.白き鳥の嘴と脚と赤き、鴫(しぎ)の大きさなる水の上に遊びつつ魚を食ふ。(伊勢物語)
4.世になくきよらなる玉の男皇子さへ生まれ給ひぬ。(源氏・桐壺)
5.草の花はなでしこ。唐のはさらなり、大和のもいとめでたし。(枕草子)
「の」の識別は、
上の選択肢1~5の5種類です。
…こういうのは、
この春のうちに、じっくりと問題解いて、
完璧に見分けられるようにしておきましょっ♪
─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ
識別マニュアルとしては、
↑の、富井健二先生の参考書が分かりやすいので
持ってる人も多いと思いますが…
上記の参考書よると、
・「の」の上に【例え】があれば⇒比喩(連用修飾)
・なければ「の」の下を見て判別する。
とのこと
なるほどなるほど。
今回の、傍線Bの上は、
明らかに【例】ですよねー!
ヽ(*'0'*)ツ
【れいの(例の)】
【連語:名詞+格助詞】
①いつもの、あの(「の」は連体修飾格)
②いつものように。いつもどおりに(「の」は連用修飾格)
(Weblio古語辞典より)
連用修飾格(比喩)の用法は、
この「例の」の場合か、和歌中に
多く見られまーす。
(o´・ω・`o)ノ
でも、今回の選択肢は、
「例の」も、和歌も入ってなくて…
この、富井先生の、
【例え】+「の」で識別するしかないんですね~;
。(´д`lll)
4.世になくきよらなる玉の男皇子さへ生まれ給ひぬ。(源氏・桐壺)
「玉」が【例え】なの、分かりました?
じゃあ……傍線Aは…?
上記の参考書よると、
・「の」が用言を修飾⇒主格
・「の」が体言を修飾⇒連体修飾格
・「の」の下の方に「なりor助詞⇒体言の代用
で、同格の識別が、分かりにくいんですよね~;
。(´д`lll)
こういうのは、分かりやすいですね
「―の、(テン)」だったら、
主格「が」、or、同格「で」
なので、
上の例題の傍線Aは、
主格か、同格か、
どちらかなんですね!
注意してほしいのは、
「、(テン)」がなくても主格【が】・同格【で】の可能性はあるってこと。
間違えないでね~!
で。
分かりにくいのは、
主格なのか、同格なのかの見分け☆
これはもう、慣れるしかないですねー
たとえ、識別マニュアルを示しても、
例外もたくさんあるし…
とにかく文脈を考えないと…;;
たとえば、『徒然草』より。
連歌しける法師の、行願寺の辺にありけるが…
この場合、
①連歌していた法師が、行願寺の辺りに住んでいたのだが…
②連歌していた法師で、行願寺の辺りに住んでいた者が…
と、どちらで捉えてもよさそうです。
(ㆁωㆁ;)
ですが…
連歌しける法師の、行願寺の辺にありけるが聞きて、
こう続くのであれば、
「の」を、①の主格で取ると、おかしいですよね;
「めざましかるべき際にやあらむ」と思せど、さして聞こえかかれる心Aの、憎からず過ぐしがたきぞ、例の、この方には重からぬ御心なめるかし。
傍線Aの「の」は、
主格の格助詞です。
自分を光源氏と見て歌を詠みかけてきた女心が、
↓
いい感じでそのままやり過ごすわけにはいかない。
そういった光源氏のご性向が、
例のごとく、軽薄であるようだね。
…という文脈になります。
これを同格に取ってしまうと…
自分を光源氏と見て歌を詠みかけてきた女心で、
↓
いい感じでそのままやり過ごしたくないその心が、
例のごとく、軽薄であるようだね。
おおおお
「重からぬ御心」が、
女の心になっちゃいましたねー!
なので、
傍線Aは同格ではありませーん!
(o^-')b
解答
A…1 B…4