【夕顔7-3】現代と「同じ」すぎて…
源氏物語イラスト訳のあいです
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…受験生世代はホボホボ使わない語。
…ですが、今回の古語は、
現代と同じすぎて混乱する古語☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
あはれに、「何処かさして」と思ほしなせば、玉の台も同じことなり。
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今回出てきた古文単語
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■【あはれに】…ナリ活用形容動詞「あはれなり」の連用形
※【あはれなり】…しみじみとした情趣がある
■【何処かさして】…どこをさして
※【何処(いづこ)】…どこ
※【か】…疑問・反語の係助詞
※【さし】…サ行四段動詞「指す」の連用形
※【て】…単純接続の接続助詞
■【と】…引用の格助詞
■【思ほしなせ】…サ行四段動詞「思ほしなす」の已然形
※【思ほす】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
※【思ひなす】…思い込む。思い決める
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【玉の台(うてな)】…美しく立派な御殿
■【も】…列挙の係助詞
■【同じ】…シク活用形容詞(連体形)
■【なり】…断定の助動詞「なり」の終止形
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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☆ 今回の古文単語 「同じ」 ☆
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古文には、現代と同じ言葉が数多く出ます。
そんな言葉は、特に何も考えず、
スルーすべきかもしれませんが…
たとえばこんな問題が出たら、あなたは解けますか?
─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ
あはれに、「何処かさして」と思ほしなせば、玉の台も同じことなり。
問)傍線部の説明として最も適当なものを選べ。
1.名詞
2.シク活用形容詞の連体形
3.シク活用形容詞の語幹
4.ナリ活用形容動詞の語幹
5.副詞
オロオロ(゚ロ゚;))((;゚ロ゚)オロオロ
大学入試では、
こういうのは単独で出ることは
あまりありませんが、
組み合わせ問題としてなら、センター試験でも出題されそう…
(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)
「同じ」の下に、「こと」がついているので、
明らかに連体形……
……いや、ちょっと待てよ……
シク活用形容詞の連体形は、
「―しき/―しかる」のはず
で、でも、選択肢に終止形がないし…
オロオロ(゚ロ゚;))((;゚ロ゚)オロオロ
…こんな考えがぐるぐるまわって
入試本番で時間ばかりが過ぎていきませんか?
ヽ(*'0'*)ツ
【形容詞:シク活用】
…同じだ。一致している。差がない。等しい
*『学研全訳古語辞典(Webilio古語辞典)』より
実は、
古語の形容詞「同じ」の連体形には
「同じ」「同じき」の2つの形があるんです。
(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)
上代では、「同じき」「同じ」の両形が用いられていましたが、
中古になると、
漢文訓読語には「同じき」が、
和文脈の文には「同じ」が多く用いられたようです。
解答…2
あはれに、「何処かさして」と思ほしなせば、玉の台も同じことなり。
● 過去記事リンク
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