【帚木31-②】文法事項に照らし合わせた丁寧な訳出を☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木31-②】文法事項に照らし合わせた丁寧な訳出を☆

おはようございますラブラブあいです。

 

おお~遅くなってしまいました^^;

さて。

 

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【今日の源氏物語】

(頭中将)「女の、これはしもと難つくまじきは、難くもあるかなと、やうやうなむ見たまへ知る。
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【源氏物語~これまでのあらすじ】

最愛の桐壺更衣を亡くした桐壺帝は、亡き更衣に生きうつしの藤壺宮を入内させます。更衣の忘れ形見である光源氏は、元服して臣下となり、左大臣の娘(葵)と結婚するも、藤壺宮への想いは募るばかりでした。義兄である頭中将は、光源氏とよくなじんでおり、何でも話せるような間柄でした。長く雨の続いた時節、宮中に泊まり込んでいた彼らは、つれづれなるままに、女性に対する品定めを始めます。

今回は、説明しておきたい文法がいっぱいあるので、それぞれポイントを見ていきますね
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まず、「女の」ですが、

 

「○○の、△△△(連体形)は、」という形で出てきた時は、

【同格】の「の」である可能性があります。

 

今回も、

「女、これはしもと難つくまじきは、…」

 

ほら!「○○の、△△△(連体形)は」の形でしょ♪

 

訳)女、『これは!』と難くせをつけることができない(女)は、

 

つまり、「難つくまじき女」というのが、

英語の関係代名詞のような形になってるんですね♪

(※詳しくはこちらの記事を参照→

 

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次に、「しも」ですが、

 

「しも」は強調の意を付随させる副助詞です。

直後に、引用「と」があるので、「とマルの原則」☆

「これはしも」というのが心中語であるととらえます。

 

これはしもと難つくまじき…

訳)『これは』と難くせをつけることができない…

 

特に訳す必要もないのですが、「!(ビックリマーク)」でちょっと雰囲気を出してみました^^


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次に「まじき」ですが、

 

「まじ」は、打消推量の助動詞です。

 

【まじ】

①~ないだろう【打消推量】

②~まい【打消意志】

③~できない【不可能】

④~はずがない【打消当然】

⑤~てはいけない【禁止】

⑥~ないほうがいい【不適当】

 

などの意味があります。

「べし」の対義語として押さえてくださいね♪

(※詳しくはこちらを参照→

 

「べし」と同様、まずは【不可能】の意味を当てはめてみて、

おかしくなかったら、その意味でOKです☆

 

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最後に、「見たまへ知る」ですが、

 

「たまへ(たまふ)」が、連用形の位置にもかかわらず、「エの段」になってることに着目☆

 

つまり、下二段活用の「たまふ」であり、

「たまふ」が下二段の場合は、尊敬でなく、謙譲語になります!

(※詳しくはこちらを参照→


 

「見たまへ知る」の敬語部分を外したら、「見知る(=わかる」です。


 

「見たまへ知る」

(お分かり申し上げる

 

「見たまひ知る」

(お分かりなさる


 

つまり、「見たまへ知る」の場合は、こちら側の行動であり、

「見たまへ知る」の場合は、敬意を払いたい相手側の行動なんですね♪

(*^o^*)

 

こういう敬語で主語がわかることも多いんですよ!


 

ちなみに、この「たまふ」の謙譲語としての用法は、

地の文では用いられず、今回のような会話文での用法です・

 

また、「見たまへ知る」のように、複合語の中に割り込む形でよく用いられますので、

源氏物語の通読で、ぜひ慣れていってくださいね♪

(o^-')b

 

今回の源氏物語イラスト訳はこちら→
 

あいでしたラブラブ