
9月7日、韓国・ソウル競馬場で行われた国際GⅢのコリアカップを大井競馬所属のディクテオンが制した。たまにある地方所属馬の海外競馬挑戦の中でも国際グレードレースの制覇ともなると2006年に道営からGⅠのシンガポール航空国際カップ挑んだコスモバルク以来となり、コリアカップ単体で見た場合でも昨年川崎から挑んだライトウォーリア(4着)に続く挑戦にして悲願成就につながったわけであり、さらには2023~2024年とJRAのクラウンプライドが制しており、日本調教馬の3連覇であると同時に名だたるJRA所属馬に先着という『地方競馬から海外へ』の1ページもまた開いた計算となる。
実は残念なことに、現行の競馬法上ではJRAが農林水産大臣の指定した競走(以前このブログでゾウたん的に『メジャーGⅠ』と呼んだビックレース・リンクを貼る)しかできないことになっているため、いくら地方所属馬が海外に挑戦しても地方競馬における海外競馬馬券の発売はできないのである。
『JRAは海外競馬発売できるのに地方所属馬が挑戦してもNARとして馬券購入発売ないから応援できないのはおかしい』
こんな疑念を持ったのは史実では下級条件から這い上がり2022年のジャパンカップを制したベーくん(ヴェラアズール)と新潟で重賞制覇の後が泣かず飛ばすで海外遠征とは全く縁のなかったファンちゃん(マイネルファンロン)。そのためにどうすればいいのかに話が及んだ。
なお、冒頭に載せた2頭のバックにはNARのサイトに載っていたこともあり現地の公式映像を英語実況したもののゴールシーンを使わせていただいた(ありがとうございます)。
ファンちゃん(マイネルファンロン):マンダリンヒーローのサンタアニタダービー挑戦のあたりから地方所属馬の海外挑戦がぼちぼち見受けられるけど今回のディクテオン君の場合はGⅢ格とはいえ国際グレードで韓国競馬の基幹競走の一戦なんだが。それ競馬法の壁で発売できないのおかしいと思う南関東のファンって多いと思う。
ベーくん(ヴェラアズール):何か可哀そうな予感しかしない。これは僕思うのは競馬法の壁もあるけど地方競馬だけで発売システムが3本乱立しているのも一因としてあると思う。ノウハウ的にはSPAT4とか大丈夫なんじゃないかなとは思うけど。あと、発売主体をどこにするかの問題も出てくるから。
ファンちゃん:地方って自治体レベルで発売して場外ネットで他地区に開放する現状なんだ…なんとなくまずい気もする。大井所属なんだしここぞの時だからTCKが音頭とって発売出来たほうがいいんだよね。
ベーくん:そうそう、それが本筋。地方から海外への挑戦がある場合メジャーGⅠならJRAで対応できるとして少なくても国際グレード化ついたレースであればNARも発売主体の組合を指名して加入方式により全国発売するのか普通なんだと僕なら思う。トリプル馬単を発売する南関東と門別をレースを絞ってプレミアム会員に提供しているオッズパークだって海外であればだれでも買えるようにできるはずだよ。
ファンちゃん;そういう意味では馬券発売上のJRAへのおんぶにだっこというのも地方競馬のレベルアップのためにはよくない。地方馬が海外に挑んでも馬券上冷遇されてしまうのもまた格差拡大の印象しかない気がする。
ベーくん:それでなくてもコリアカップ(同列に扱う意味では同日実施のコリアスプリントも)って地方の強豪馬が遠征に取り組みやすくなっている事情も出てきたみたいだし、そのおまけにディクテオン君も地元馬もJRAから遠征した馬も封じての快挙なんだし。地方競馬の未来のためにも今回の快挙で一つ動きがあるといいよね。
ベーくん:実はそのコリアカップとコリアスプリントなんだけど…実況者の確保追いつかなかったからライブ中継YouTubeか何かで配信できたとしても実況ハングル語になっちゃうんだよね。
ファンちゃん:快挙が快挙でもあるのでそこはグリーンチャンネルでも日本語による『事後吹き替え実況』とかやってくれるとありがたいんだよね。次回の『アタック!地方競馬』で話題にする(この前に『ダート競馬JAPAN』の冒頭で快挙に関し速報的なニュースを入れたらしい)にしても実況音源もハングル語のままだからおそらく報告会が所属の大井で行われるタイミングまでに耳目社のアナウンサーが吹き替え実況こしらえて公開できるのがベストなんだと思う。
ベーくん;そういう意味ではグリーンチャンネルの絡みならラジオNIKKEIの競馬実況アナウンサーが出演共有の契約を結んでいる事情もあるから最低でも『地方競馬プラスワン』用には吹き替え実況作成しないと辻褄合わないんじゃないかな。うまくいけば3日間開催の競馬中継内のどこかでもトピックに出てくれれば…
ファンちゃん:実現するのであればラジオNIKKEIなら誰やるのかな?
ベーくん:この際だから関西支社に卸して三浦拓実アナとかだったら面白そう。確かダートグレード関係の(ライブでない)取材録音音源としては入社後経験していないと思うし船橋の重賞も確かライブ中継しか経験していないはずだと思う。
ファンちゃん:地方競馬ということでいえば大関隼アナが百戦錬磨のところあるけど…この際誰でもいいのは確かにある。そういう意味なら執行役員(取締役)になった影響で中野雷太アナが実況機会激減りのようだからいっそのこと取り組んでもらったほういいんだよね。
ベーくん:そういう意味であればGⅡ昇格のタイミングか何か使って舩山陽司さんの実況とかで『ALL IN LINE~世界の競馬』でダイジェスト的な扱いとかあってもいいと思う。願っている馬券発売まで及ぶようならTCKのYouTubeチャンネルあたり使って『ウマきゅん海外挑戦への道スペシャル』なんてやったほういいんじゃないかな?
南関東のファン、というよりは地方競馬ファンの非ざる本音を2頭は感じていたようである。それでなくても競馬界が『芝はJRA・ダートは地方』という棲み分けを悲願にしているだけに馬券発売にまで格差が出るのは許せないようである。
そして『吹き替え実況』の需要についても的確なこと言ってくれたような気がする。レース当日にライブ実況できるのに越したことはないが事後に吹き替え実況を作ってNARの特集サイトで公開するというのも理想論ではあるはずだしファンだって望んでいるのではなかろうか。






