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もうひとつ震災の時に強く認識したのは、全国の動物園で働く飼育係や獣医師のつながりの強さです。

信号も消えデコボコに崩壊した道路を徹夜で運転し、トラックで動物の餌を運んでくれた近隣動物園の職員への恩は決して忘れません。

救援物資に隠れてリポビタンDが入っているのは見た時には涙が滲みました。

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21年前の今日、阪神・淡路大震災が発生しました。

王子動物園の施設被害はそれほどではなかったのですが、周辺住宅地の被災は甚大でした。
そのため、動物園は被災市民を受け入れる避難所となり、さらに救援活動する自衛隊の駐屯基地にもなったのです。

動物科学資料館のホール(写真)は震災直後から7日間、41体の遺体安置所となり動物園職員が管理を担当し、その後、福祉事務所が移転してきました。

そして、震災から65日間にわたり閉園がつづき、その間そしてそれ以後の数年間、全職員が公務としての震災復興に関与しました。

この体験がなければ、動物園とくに公立の動物園が都市公園として防災の役割を担い、職員もそれに関わるという責務を強く認識しなかったでしょう。

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動物関係よりもマーケティングやマネイジメント関係の本を読む方が多くなっている最近の私ですが(笑)、このシリーズは大変勉強になった。

ビジネス分野の著名な35冊の内容を専門家が分かり易く解説し、1冊分が10分ぐらいで読めたので、新幹線内での退屈な時間を有意義に使うことができたのも有り難かった。

35冊の中の数冊には目を通したはずだったが、解説を読んで「そんなこと書いてあったけ?」と思ったのが情けない。いずれその解説さえも忘れてしまうのだろうな...。

35冊に対する解説を読んで感じたのは、組織は人によってつくられる、という当たり前のこと。それは大きな組織でも小さな組織でも同じで、人についても単に運営管理者だけではなく末端の従事者まで含めての話。

その人と人との関係が崩れてしまうと、どんな大きな組織でもいずれ脆くなり壊れてしまう、という読後感は、たぶん忘れないと思う。

35冊のうち少なくとも半分以上は、いかにすればスタッフの能力を引き出し、そして育てることができるかについて触れている。上の人に気を配ってばかりいるような組織に発展は見込まれないということだろう。天下り組織なら国や自治体のサポートで維持はあり得るかもしれないが、一般私企業でそのようなことがあれば20年持つかどうか。

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 数年前から、しばしばネット上で話題になっている『サボタージュマニュアル』というものがある。

 第二次世界大戦中に米国の諜報機関(CIAの前身)が、敵国の経済を混乱させるために作成したものらしい。
その指示の一部をネット記事から拝借して以下に記すと…。

 ・重要な決定を行う際には会議を開け。
 ・可能な限りの事象を委員会に持ち込み「さらなる調査と熟考」を求めよ。委員会のメンバーはできるだけ多く(少なくとも5人以上)すること。
 ・以前の会議で決まったことを再び持ち出し、その妥当性について改めて問い直せ。
 ・議事録や連絡用文書、決議書などにおいて細かい言葉遣いについて議論せよ。
 ・もっともらしくペーパーワークを増大させよ。
 ・通達書類の発行や支払いなどに関係する決済手続きを多重化せよ。すべての決裁者が承認するまで、仕事を進めるな。
 ・何事をするにも「通常のルート」を通して行うように主張せよ。決断を早めるためのショートカットを認めるな。
 ・あらゆる決断の妥当性を問え。ある決定が自分たちの管轄にあるのかどうか、また組織上層部のポリシーと相反しないかどうかなどを問題にせよ。
 ・「スピーチ」を行え。できる限り頻繁に長い話をすること。長い逸話や自分の経験を持ちだして主張のポイントを解説せよ。
                                          等々

 あまりにも「そのまんまじゃん!」な内容なので、また例によってネット情報によく見られるイタズラの類だろうと思っていた。しかし、米国が2008年にマニュアルの原本を公開し、さらにその翻訳本が今年になって出版されたことで、考えを改めるに至った。

 しかし、それでも俄かには信じ難くて、日本の麗しい組織文化を混乱に陥れようとしている現CIAの謀略か、それともエープリルフール的なイタズラなのではないかと疑っている(笑)

参考資料:
“Simple Sabotage Field Manual”
Office of Strategic Services. Washington, D. C.. 17 January 1944.

『サボタージュ・マニュアル: 諜報活動が照らす組織経営の本質』
米国戦略諜報局(OSS)、越智啓太、国重浩一(著)
北大路書房(2015)

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国立国会図書館デジタルコレクションで『少年文学 動物園』(明治26年)という本を見つけた。

この本の最後の章で豹駝が紹介されている。送り仮名は「じらふ」。当時は、キリンよりジラフが通称だったらしい。

キリンが登場するのは文章の最後で以下の記述。

昔中国では「此獣(このけもの)を麒麟(きりん)と称(とな)へ天下治まり世に聖(ひかり)のあるときは此獣も亦出(い)づるとなん傳(つた)へたり」

麒麟が出づる世を切に願う。

国立国会図書館デジタルコレクション
【動物園:少年文学】
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1919831