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 数年前から、しばしばネット上で話題になっている『サボタージュマニュアル』というものがある。

 第二次世界大戦中に米国の諜報機関(CIAの前身)が、敵国の経済を混乱させるために作成したものらしい。
その指示の一部をネット記事から拝借して以下に記すと…。

 ・重要な決定を行う際には会議を開け。
 ・可能な限りの事象を委員会に持ち込み「さらなる調査と熟考」を求めよ。委員会のメンバーはできるだけ多く(少なくとも5人以上)すること。
 ・以前の会議で決まったことを再び持ち出し、その妥当性について改めて問い直せ。
 ・議事録や連絡用文書、決議書などにおいて細かい言葉遣いについて議論せよ。
 ・もっともらしくペーパーワークを増大させよ。
 ・通達書類の発行や支払いなどに関係する決済手続きを多重化せよ。すべての決裁者が承認するまで、仕事を進めるな。
 ・何事をするにも「通常のルート」を通して行うように主張せよ。決断を早めるためのショートカットを認めるな。
 ・あらゆる決断の妥当性を問え。ある決定が自分たちの管轄にあるのかどうか、また組織上層部のポリシーと相反しないかどうかなどを問題にせよ。
 ・「スピーチ」を行え。できる限り頻繁に長い話をすること。長い逸話や自分の経験を持ちだして主張のポイントを解説せよ。
                                          等々

 あまりにも「そのまんまじゃん!」な内容なので、また例によってネット情報によく見られるイタズラの類だろうと思っていた。しかし、米国が2008年にマニュアルの原本を公開し、さらにその翻訳本が今年になって出版されたことで、考えを改めるに至った。

 しかし、それでも俄かには信じ難くて、日本の麗しい組織文化を混乱に陥れようとしている現CIAの謀略か、それともエープリルフール的なイタズラなのではないかと疑っている(笑)

参考資料:
“Simple Sabotage Field Manual”
Office of Strategic Services. Washington, D. C.. 17 January 1944.

『サボタージュ・マニュアル: 諜報活動が照らす組織経営の本質』
米国戦略諜報局(OSS)、越智啓太、国重浩一(著)
北大路書房(2015)