そういえば、念願の「やっぱりステーキ」へ行ってきた。某「いきなりステーキ」と名前が似ているが、あくまで無関係の店である。沖縄発祥のステーキ店である。いきなりステーキが店舗拡大でサービス品質が低下し、肉マイレージも大幅に解約され、さらに経営が悪化した際には社長の怪文書が張り出されたりして、すべてが裏目に出て経営難になったが、一方で「やっぱりステーキ」は堅調なようである。

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そんなやっぱりステーキだが、東京だと店舗があまりなく6店舗のみ。なかなか行く機会がなかったが、ようやく行ってきた。訪問したのは吉祥寺店。カジュアルな雰囲気。吉祥寺駅から徒歩で数分であるが、土曜の夜だったが、そこまで混んでなくてすぐに着席できた。
 

写真は300グラムのミスジステーキ。さらにサラダ・スープ・ご飯、食べ放題というから驚き。それで1980円なのは破格だ。経営が心配になる。そして肉がかなり柔らかく食べやすいし美味である。脂身も少なくヘルシー。いきなりステーキはインジェクション加工でひたすら脂っこいし、筋やら脂身があるので、明らかにやっぱりステーキの方が肉質が良い。ほんといきなりステーキあるあるだけど、ヒレステーキにある筋とか、サーロインステーキの嚙みきれない脂身とか勘弁です( ̄▽ ̄;) もはや食えない部分をマイナスすると300gのはずなのに実質250gだと思う笑。

 

やっぱりステーキは豊富な調味料もGood !! 300gもあると味変が欲しくなるが、これだと飽きない!

 

ただちょっといただけないのはワインかな。アルコールもいきなりステーキより安いんだけど、いきなりステーキはワイングラスで銘柄も選べるのに対して、カップのワインか・・・。アルコール度数も低くて飲みやすいんだけど、香りとか味は・・・。アルコールについてはいきなりステーキが断然に良いです。

 

いきなりステーキは本格派路線風なのに肉質がちょっと・・・という感じだが、やっぱりステーキはカジュアル路線ながら肉質がかなり良い。ただ若干、カジュアル路線過ぎて女性客とかは入りにくい?感じがしないでもない。サラダやご飯の食べ放題もコロナ禍だと衛生的にちょっとという感もなくはない。東京の客層に合わせてちょっと洒落た雰囲気の店の形態も模索してもいいかもしれない。改悪されたとはいえ、いきなりステーキの肉マイレージ制みたいのもないので、通い続ける制度もない。そして店舗数が少な過ぎる。急拡大で大失敗したいきなりステーキを反面教師にしているのだろうが、もう少し東京でも店舗拡大してほしいなと思う。ゆえにトータルだといきなりステーキもやっぱりステーキも良い勝負な気がする。

 

レバノンという国をご存じだろうか?中東にあり、北と東ではシリアと、南ではイスラエルと国境を接する人口500万程度の国である。最近だと、カルロス・ゴーンの逃亡先と、また大規模爆発があった国として有名だろうか。実はワイン生産地としては世界でも最も古い歴史を持つ国の一つである。

レバノンはやはり中東という地政学的な問題もあって長きにわたり紛争に悩まされてきた。しかし、そんなレバノンで地道にワイン造りに励む人々がいる。そして彼らの継続力は結実し、徐々にレバノンワインは知名度が上がってきているという。

ワインの作り手のモノローグが多いドキュメンタリーだったが、戦争の中でワインを地道に作り続ける人々の思いがよく分かった。平和ボケの日本からすると想像しにくいが、戦争が当たり前の中東の現実も垣間見れて勉強になった。

単館上映で吉祥寺のアップリンクまで観に行ってきたが、上映後にはトークショーもあり、売店ではレバノンワインの販売もある充実の内容だった。ワイン好きにはお勧めの貴重なドキュメンタリーだ。

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上映後のトークショー。写真撮影可で拡散してほしいと話していたのでシェア^^


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せっかくなので購入したレバノンワイン。お値段は6270円(税込)。

 

 

ピーターリンチとバフェットの投資術 + ソロスの投資術で書いたが、伝説的な著名投資家の漫画本がシリーズで出ている。リンチ、バフェット、ソロスとそうそうたるメンバーである。前記事では「実はこのシリーズでジム・ロジャーズも出ているが、素っ頓狂な発言が多いので、読んでない」と書いたが、読まずにあれこれいうのも失礼なので購入して読んでみた。彼は財務会計分析などから投資をするのではなく、社会情勢などから投資先にあたりをつけている。

 

彼はイェール大卒で、オックスフォード大学院を経て投資銀行に入り、ジョージ・ソロスとともにクォンタム・ファンドを立ち上げ、その後、ソロスとは袂を分かつ。コロンビア大学ビジネススクールの客員教授として指導をしつつ、今後の将来性を踏まえてシンガポールに移住している。彼の娘さんは中国語もペラペラだ。

 

彼の投資哲学は、実際に現場を見ることにあり、産業や経済も実際の社会情勢に左右されるし、歴史的な背景なども斟酌されなければならないというものだ(現在は過去の因果の結果だから当然といえば当然であるが)。公開されているただの数値からあれこれ分析するのでは見誤るというスタンスのようである。だから彼は世界を訪問して現地を観て歩く。

 

ただ本書でも指摘するようにこうしたヒストリカル・アプローチは結構難しいし、ジム自身も見誤るケースが多々ある。というのも、インドはカースト制度の呪縛もあり経済成長しないと彼はみていたが、インド経済の成長率は高く2030年には日本を追い抜き世界第3位の経済大国になる。「名投資家ジム・ロジャーズの「韓国楽観論」は大ハズレ」の記事で書いたが、彼の韓国の見方は明らかにおかしい。彼は北朝鮮と韓国が統合すれば大国になると主張して、朝鮮半島の往来が活発になるから韓国の航空会社が買いだと主張していたが、北朝鮮と韓国の関係はこじれるばかりであるし、おまけにその後、韓国でNO JAPAN運動が起きて、訪日が激減して韓国の航空会社は軒並み減収になった。ようやく事態に気が付いたロジャーズは、日本の航空会社の株を買ったらしいが、コロナで株価は暴落である。

 

ヒストリカル・アプローチの難しいところは、まず、旅行程度では現地の表層的なところしか知れ得ない点にある。文化・歴史・民族的な意識などは把握が難しいし、把握したところで、それが今後どのように動くかは分からない。日本と韓国は文化的に近いし、欧米人からすると相当似ているが、日本と韓国はかなり反発しあっている。ここら辺の感情は到底旅行程度で理解できるわけがないし、彼は明らかに見誤っている。

 

彼は成績優秀で社交的だったようだから、彼の成功はどちらかというと、彼の性格等に起因するのではないかと思う。高学歴で社交的な若者ゆえに良いビジネスの話が舞い込んで、投資先が偶然に儲かって富豪になったように思われて仕方がない。実際、彼はバフェットのように資産などは公開していないし、アセットバランスも不明である。

 

本書を読んで、彼の現地主義などは理解できたが、具体的な投資アプローチも概念的だし、ソロスと一時的に一緒だった偶然的な成功者の感がぬぐえなかった。彼のインタビューの日本悲観論なども、中国とかの工作を真に受けてるとしか思えない。彼は中国を重視しているが、習近平独裁体制で経済成長率は絶賛低迷中であり、「中心国の罠」にハマる未来しか私は見えない。ただ彼のリアルな情報に触れろという点だけは同感する。

日本人の若手ピアニストが、海外コンクールで入賞ラッシュ!の記事で書いたが、主要なピアノコンクールで日本人の若手が入賞ラッシュである。今度は亀井聖矢さんが、フランスの名高いコンクールのロンティボー(正式名称は「ロン=ティボー財団主催国際ピアノコンクール」)で見事優勝した。なお、聴衆賞と評論家賞も同時受賞している快挙である。なお、第4位に重森光太郎さんも入賞している。ちなみに、前回のロンティボーコンクールではピアノ部門で三浦謙司さんが第1位で、務川慧悟さんが第2位に入っていたので、今回の亀井さんの優勝で日本人が連続で優勝となった。これまでにロンティボーでは日本人がこれで7人優勝していることになる。wikiの情報によると同コンクールの優勝者は合計で30人(目視なので違うかも・・・)なので、ピアノ部門優勝者の23.3%、つまり4人に1人近くが日本人ということになる。

 

※動画はコンクールとは関係がないが演奏の参考として貼っている。

 

今回のロンティボーコンクールのピアノ部門だが、実はもう1名優勝者がおり、韓国人のイ・ヒョクさんである。彼は前回のショパンコンクールのファイナリスト。パデレフスキーコンクール第1位、浜松国際ピアノコンクールで第3位の実力者である。浜松国際ピアノコンクールは若手ピアニストの登竜門で地位を確立してきている点も喜ばしい。なお、彼が入賞したときの第2位が牛田 智大だった。前回のショパンコンクールでは惜しくも二次予選で姿を消した。この時の第5位が務川慧悟でその後、ロンティボーコンクール第2位、エリザベートコンクール第3位に入賞した。

 

 

それにしても日本人はフランス文化圏のコンクールの入賞者が多い。日本のピアニズムの大家の安川加壽子 女史がフレンチピアニズムを持ち込み、以来、東京芸大などではフランスが留学先の定番となっており、フレンチピアニズムが強いのだろう。メンタリティ的にも体格的にも、おそらく日本人はロシアンピアニズムではなくフレンチピアニズムのほうが相性が良さそうだ。

 

それにしても日本人のピアニストの活躍は喜ばしい。芸術の秋に素晴らしいニュースだった。

芸術家として大成するためにぜひ一聴衆として応援していきたい。

 

 

東京芸大出身でピアニスト・文筆家の青柳いずみこ女史のショパンコンクールの新書である。以前にも同女史は「ショパン・コンクール」(中公新書)も書いているが、本書のほうがかなり読みやすい。

 

ピアノ演奏というのはどのように弾くべきかというのは非常に難しい。19世紀的な音楽的霊感に従ったロマンティズムの演奏を良しとすべきか、一方で、新即物主義的な楽譜に忠実な原典主義的な演奏を良しとすべきか。ショパンコンクールこの両者のせめぎあいだったが、これに「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」が始まり18世紀的演奏という立場も加わったという。ピリオド楽器コンクールとは、ショパンが実際に演奏していた当時の楽器によるコンクールである。当然だが、当時のピアノと現在のピアノは機能も性能も異なる。ショパンの演奏を突き詰めるのであれば、当時の楽器での演奏を立ち返ることは避けられない。つまり、19世紀的ロマンティズム派、新即物主義的な原典主義派、18世紀的楽器主義派の三派がせめぎあっているという。

 

ピアノ演奏をいかにすべきかというのは難題である。現代ピアノで演奏する以上は現代ピアノにそった奏法であるべきという主張もあり得るし、一方で、なるべく作曲家の意図を反映すべきという主張もあり得る。そもそも後者の論にたてば、ショパンが演奏していたのは貴族の館の一室で開かれる夜会などであり、大型コンサートホールでの演奏でそれを主張することが自体が破綻しているともいえる(ショパンは大型ホールでの演奏は好まなかった)。さらに作曲家の意図は楽譜に描写されているのだから楽譜に忠実であるべきという主張もあるが、楽譜には様々なパターンがある場合もあるわけで、どれに忠実であるべきかはほとんど神学論争であり、ロマンティズムよろしく演奏者の時々の音楽的霊感に従って何が悪いかという反論もさもありなんである。ここらへんのピアニズムの争いは当然にコンクールでの評点にも表れる。2021年のショパンコンクールはそうした審査員間の対立などもあって、審査は難航したという。一回目の審査では第2位が3人になり、それでは賞金の予算が足りないと、再調整して何とかガジェブと反田の2名に絞ってようやく決着したそうだ。

 

2021年のショパンコンクールではさらにライブ中継されていたが、それも論点だった。コンサートホールで聴いていた聴衆と、Youtubeで放映されていた演奏を聴いた聴衆とで意見がかなり割れたのだ。当然Youtube配信の場合は音声はマイクで拾ってそれが調整されて配信されるので、会場の音声と相当に異なる。Youtubeでは牛田智大の二次予選の演奏は好評だったが、実際の会場の聴衆の間では「音が大き過ぎる」「うるさい」などの声が聞かれ、審査員は「攻撃的だった」とさえ批評する者までいる。当然、生の音が正しいと思うかもしれないが視聴者数では圧倒的にオンラインの視聴者が多い。本書でも”かてぃん”こと角野氏のコメントを引用し、オンライン配信の音もそれとして価値があるのではないかという。「オンライン聴衆賞」があってもいいのではないかと指摘しているが、私も同感である。私も第3位のガルシアの演奏はオンラインで聴いてイマイチだったが、生演奏を聴いて、大ファンになった。逆で生演奏はイマイチだが、オンラインで絶品の演奏ならそれはそれで価値があると思う。

 

演奏は時代時代にあわせて更新されていくので、新しい演奏にあわせた評価をすべきという主張もあり得るが、一方で、個性が百花繚乱だからこそ伝統コンクールは正統なショパニズムを尊重し、そのような演奏を行うピアニストを評価すべきという主張もあり得る。つまり、カオス化する演奏の中にあって、これがショパニズムだと正統を示す役割もあるのではないかという。しかし、それではコンクールは、聴衆を置き去りにした時代に取り残された過去の遺物となってしまうという懸念もある。コンクールの評価はこれらのせめぎあいと葛藤の結果なのである。コンクールの結果をその時代の固定的な価値観の反映と思ったら大間違いである。終着点がないからこそ発展がある。このせめぎあうプロセスことがコンクールの醍醐味なのだろうと思う。

 

ただ2021年のコンクールはかなり個性派が揃ったので、次回は揺れ戻しで、正統派のピアニストが入賞者に選ばれるだろう。おそらく今回涙をのんだ牛田智大氏が出場するなら次回こそ入賞が期待される。そして野暮で申し訳ないが、次回こそ日本人の優勝者をと期待してしまう。