1年ぐらい前ぐらいに話題になっていた森本あんり(ICU副学長の)本。「反知性主義」というのは、知性への反発だとか理性の軽視などと誤解ないし曲解されるが、この言葉はR.ホフスタッターの著書に由来し、もともとの”Anti-intellectualism”は異なった概念だという。反知性主義というのは知性が権力と結びつくことへの反発なのだ。正直、そこまで期待して読んだわけではないが、反知性主義の概略や、アメリカのキリスト教の発展を垣間見ることができて、非常に勉強になった。面白いエピソードや映画の話も交えた文章は非常に面白く読み物としてもよくできている。アメリカに興味があるのであれば、強くお勧めする一冊だ。

 

◆反知性主義の端緒とは?

もともと米国に入植したピューリタンは知性レベルが高く、早々に高等教育機関であるハーバード大が牧師養成のために創立されたのも、知性レベルの高さゆえだという。ハーバードは教理的に退廃したとして、イェールが創立され、イェール大も英国国教会に毒されたとして反発してプリンストン大が創立される。その後、人口は増えていくが、当時の米国ではクリスチャンでなければ投票権がなく、半人前の扱いだった。多くの人は教会に行ったが、エリートの牧師の話は小難しくて、おまけに説教は長く、最長で9時間だったという悲惨な記録も残っているという。成人後に回心し洗礼を受ける人ならいいが、生まれながらにクリスチャンの人は、とりあえず教会にいって理解不能な牧師の話を聞くものの、回心の経験がない。そこで、回心し真のクリスチャンとして一人前になることへの欲求が蓄積していく。これが内的な要因である。外的な要因としては印刷技術の発達があげられる。メディアが確立しつつあったのだ。そうした状況の中で、ホイットフィールドは分かりやすい言葉で、メディアを駆使し、神の言葉を市民に教授したのだ。多くの人々の求めていた説教をする彼が人気が出ないわけがない。彼のような平坦な言葉で無学な者にも分かる説教をして歩く、巡回説教師が当時活躍し始める。多くの人々にとって、彼らの話は、ハーバードやイェールを卒業した牧師の小難しくて無意味に長い話に比較して、抜群に面白い。高慢な知性よりも謙虚な無知を尊ぶキリスト教の感覚からすれば、神の真理がインテリにしかわからないようでは困るわけで、そこで人工的に構築された神学ではなく聖書の言葉に帰ろうという運動が起きるのだ。これこそが反知性主義の端緒である。反知性主義とは、知性の否定ではなく、知性というヘゲモニーに対する霊性の異議申し立てなのだ。

 

◆19世紀の反知性主義

19世紀になると米国は国土を拡張していくことになる。ここで活躍するのがメソジスト派である。メソジスト派は中央集権的な組織を持ち、牧師を各地に派遣した。嵐の中外にいるのはカラスかメソジストの牧師ぐらいだ、などといわれるほど巡回して歩いたそうだ。バプテスト派も開拓民の中で支持を集めていく。こうした反知性主義の運動は、政治への影響も出てくる。荒くれ者のジャクソンと、名門出身のアダムスの政争では結局、荒くれ者のジャクソンが勝ち大統領となった。この構図は2016年の暴言のトランプと、インテリのヒラリーの対立まで引き継がれている。おバカな息子ブッシュが大統領になれたのも反知性主義の根深さを物語る。その頃、教会はというと、成功したビジネスマンが牧師になり、ビジネス性とも結びつき、ドタバタ劇や音楽も加えて世俗化・大衆化し、大規模化していく;これが米国のメガチャーチの起源だ。

 

◆20世紀、反知性主義の完成

20世紀初頭に反知性主義を完成させたのは野球選手でもあったビリーである。彼は出自も貧しく、学もなかった。しかし、彼は圧倒的な人気を得て、ついには牧師の資格も取得する。長老派の牧師の口頭試問では、彼は何も答えられないが、多くの者を回心に導いたと試験官が折れて、彼に牧師の資格を与えたのだ。彼の説教は大人気だったが、莫大な献金を得て豪奢な暮らしをする彼は、牧師というよりもはやショービジネスマンの様相を呈していたらしい。下層階級の出自ながら、ウィルソン大統領とホワイトハウス写真で撮るまで出世した彼は、アメリカンドリームを体現する牧師となるのだ。彼をもって反知性主義は完成するのだという。

 

正直、アメリカの植民地から反知性主義の完成までを著した本としては名著に違いない。ただ、本はあくまで反知性主義の完成までしか描いておらず、その後の米国のキリスト教の歴史も読んでみたい。ぜひとも続編を出してほしいものだ。

 

新年初めて観た作品は「パリ、テキサス」。またもや早稲田松竹で鑑賞。監督はヴィム・ヴェンダースで、パルムドール賞受賞作品。「ベルリン、天使の詩」も同時上映だったのだが、予定が合わず、1作品だけ観てきた。ヴィム・ヴェンダースはドイツの映画監督で様々な賞を受賞し、名監督として名高い。観よう観ようと思って見逃していた監督の作品だったが、ここまで良いとは思わなかった。新年早々、名作を観れてよかった。

 

本作の主人公はトラヴィス。彼は4年前に姿を消していたのだが、荒野で行き倒れているところを助けられ、弟に引き取られて身を寄せる。実は彼には子供がいて、弟が育ててくれていたのだが、徐々に子供とも復縁する。そんな時、行方知らずの妻の住んでいるところが判明する。トラヴィスは子供を連れ、妻を探す旅に出るのだった・・・。

 

タイトルの「パリ、テキサス」というのは、テキサス州にあるパリという地名だという。トラヴィスが思い出の地として買っていた場所で、実在する。それにしても、本作はロードムービーの最高峰とうたわれるが、本当に名作中の名作である。物語は抑揚もなく、静かに物語が流れていくが、そこに絶妙に乾いたライ・クーダーの哀愁漂うギターの音色が響く。アメリカの街並みにこのギターの音色が見事にマッチする。なぜトラヴィスは放浪の旅に出たのか。最後、彼がその理由を語るシーンは、映画史に残る名場面だろう。彼は妻を愛し過ぎ、器用には生きれなかった。母と子は再開し、4年のブランクなど関係なく、熱く抱擁するが、しかし、トラヴィスは最後去っていくのだった・・・。人はいつまでも何かを求めてさすらう旅人なのだ。

明けましておめでとうございます。2017年の年明けは海外で迎えた。年末年始を海外で過ごすのは人生初である。行ってきた場所はマカオ・香港。夏にも行ったが、なかなか良かったので再訪。前回は香港がメインだったが、今回はマカオがメイン。といっても、自由に動けるのは3日で、1日は香港に日帰り旅行したので、せわしなかった。4日からは仕事である。
 
下の写真は今年オープンのパリジャンマカオ。パリをイメージした施設で、メインロビーには巨大な噴水があり、定期的にショーを行っており、廊下にはシャンデリアが輝く。まさに豪華絢爛。だいたい一泊2万円ちょっとぐらいで泊まれるらしいので、おすすめ。部屋数は3000室あり、巨大な劇場、カジノ、ラグジュアリーブランドが立ち並ぶショッピングモールも併設したIR(統合型リゾート)である ― ちなみに日本でカジノ合法化が議論されているが、130か国以上でカジノは合法的で日本は周回遅れどころではない。今回の宿泊先はパリジャンマカオの向かいにあるシェラトンだったが、こちらは一泊1万数千円。家族向きのホテルで家族連れが多くて騒がしいが、新興エリアのコタイ地区のメインストリートにあり、立地は良いのでおすすめ。ただスタッフの態度などは値段相応で、高級ホテルにはなりきれていない印象。高級ホテルであれば一泊数万円になるがリッツカールトン・フォーシーズンズ・コンラッドなどが良いだろう(これでも他の大都市で泊まるよ3~4割は安い価格)。MGM・リスボア・永利などの定番ホテルも評判が良い。
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高級ホテルの永利(立ち寄っただけだが....)。コタイ地区ではなく、世界遺産などがあるオールドマカオの中心街に立地。豪華だがとても品が良いし、スタッフの対応も質が良く、高級ブランドのショップもそれなりに揃っていてなかなか良い。落ち着いた大人の雰囲気を求めるならお勧め。

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MGMも定番中の定番ホテルだが、アメリカのラスベガスにもカジノを持つ豪華な外資系カジノホテル。永利にもほど近い。永利よりも派手だが、パリジャンマカオなどに比べれば控えめ。日本人にも人気のホテル。一緒に行った友達の友達が働いているので訪問してみた。バーのみ利用したが、スタッフの対応も一流ホテルという感じ。

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リスボアはマカオのカジノ王のスタンレーホーの最初のカジノ。新しいリスボアには前回いったが古い方は初めて。コタイ地区に超豪華で大規模な統合型リゾートを建設中。古いほうのリスボアは外観が微妙だが、下記の写真の通り内観は見事。規模は小さいが高級感は抜群。立地もマカオのど真ん中で世界遺産エリアにも近い。地下には回遊魚という娼婦がうろついているらしく、そこも昔ながらのマカオらしい(ホテル公認らしい)。世界遺産にも近いし、マカオのど真ん中なので、観光にも至便。

 

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コタイ地区にあるスタジオシティのカジノ入口(内部は当たり前だが撮影禁止)。オールドマカオのほうは日帰り観光客や成人が好きそうな雰囲気だが、コタイ地区はカップルや家族連れ向けの施設が多い。ショーなどもあり、家族できても楽しい施設ではある。ただお隣のパリジャンやベネチアンマカオに客を取られている印象。ただ空いていてショッピングやグルメには良いと思う。

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媽閣廟(マーコミョウ)はマカオ最古の寺院。略称はマーコウで、これがマカオの語源だという。線香の煙がすごいが、お隣には海洋博物館もあり、一度は訪れるべき寺院である。

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官也街は小さなお店が並ぶコタイ地区のストリート。ポルトガル料理の店が多く異国情緒を感じられる。金色に輝くギャラクシーマカオの隣りに位置する。前回はノーマークだったが、今回行って気に入った。寺院もあるので観光にも良いし、お土産の買い出しにも最適。コタイ地区にお越しの際はぜひ。

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マカオタワーからの景色。左手はマカオ、右手は広東省。資本主義と社会主義が川を隔てて存在しているのは興味深い。マカオタワーはバンジージャンプも楽しめる。マカオ全体を一望できるタワーで、マカオの代表的な観光スポットである。

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マカオと香港の間はフェリーで1時間。特に難しい手続きもなくスムーズに行き来ができる。往復しても6000円前後ぐらい。今回はYick Fat building(イ・ファ・ビルディング)を観たくて訪問。こちらはリーマントラベラーの記事を読んで訪問を決定。フランス人の写真家に紹介され、トランスフォーマーなどの撮影にも使われた団地。現在でも使用され、一階のお店に生活感を感じる。ただの団地だが常に数人の観光客がいる観光スポットである。香港とマカオは1時間なので延泊してでも絶対に日帰りで観光することをお勧めする。

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というわけで、2017年もブログの執筆をしていきますので、本年もご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

 

クリスマスではあるが、特に予定もないので、早稲田松竹で映画鑑賞。1300円で二本立ての名画座である。学生時代もよく通っていたが、社会人になってもたまに来ている。クリスマスのロマンチックな雰囲気とは裏腹に、重い歴史問題を扱った2作品の上映だった。

 

ヒトラーは現代ドイツではタブー化されているが、これをなんとコメディ化した問題作である。原作小説はドイツでベストセラーだった。公園にヒトラーがタイムスリップし、おもしろおかしくストーリーが進んでいく。メルケルを「ド迫力のデブ女」といって現代ドイツ政治を罵るシーンや、「ヒトラー最後の12日間」等のパロディはかなり笑える。ただ、前半のコメディの雰囲気とは裏腹に、後半は背筋が寒くなった。現代だったらヒトラーはこうして大衆の人気を得るのかと、映画を観ながら蘇ったヒトラーの発言に感心していた自身にぞっとした。彼は作中、必要なら道化とも化すと言っていたが、頭の中では着々と大衆扇動の計画が練られている。現代ドイツは移民との軋轢の問題を抱え、出生率の低下に苦しむ。これらは大衆扇動の材料で、ヒトラーを生み出す土壌なのだ。映画で認知症の老婆がヒトラーをみて、大勢一族をお前に殺されたんだと激怒するシーンがあるが、作中のコミカルなヒトラーと、歴史上の残虐なヒトラーのイメージが脳内を交錯する。本作は思考実験的な作品なのだ。ヒトラーは現代のいつどこにでも蘇る可能性がある。現在、欧州ではイスラムフォビアがはびこっている。ブラックユーモアに見せた、現代への警鐘映画である。ただ監督の腕が悪いのか、B級臭がぬぐえない。前半はテンポ良くもっとコミカルにして、ラストで一気に暗転させるぐらいがちょうど良かった。これだとコミカルなヒトラーを題材にした単なるフィクションにも見えてしまう。

 

「ローマの休日」は誰もが知っている名作である。これを書いたのは誰かご存じだろうか?これを書いたのはダルトン・トランボ。これが本作の主人公である。彼は共産主義者でもあった。そのため、マッカーシズムが吹き荒れ「赤狩り」がされた1940~50年時代にハリウッドを追われてしまい、刑務所に服役もする。ダルトンを含むハリウッドを追われた10人を「ハリウッド・テン」という。しかし、彼は生活のために偽名を使って作品を発表し、その結果、彼は偽名でオスカーやアカデミー賞を受賞するのだった。それが明かされるのは1970年代になってからだ。彼を支えた家族との葛藤や、自由の国アメリカの、言論や思想の自由が制限されていた時代を上手く描いている。出演者は演技派を揃えており、映画のクオリティは、かなり高い。最近、アメリカは自己反省的な作品が多いが、これはアメリカの社会経済の停滞による自信喪失の表れだろうか ― いや、アメリカは思慮深くなったのだと思いたい。

先月ソフトバンクの契約更新月(2年縛りがあるので、契約更新月以外だと違約金が発生する)。携帯を使用して早6年になるが、やはり携帯代はバカにならない。別に電話もそんなにしない、ゲームをへビーにするわけでもないし、家と会社はWifi環境あるし、月8000円もかける意味はあるのだろうかと。iPhoneを使っているが、SIMフリーになったので正直キャリアの携帯にこだわる意味がないんだよね。キャリアのメアドでいろんなところ登録しているが、

 

ちなみに、キャリアってのは基地局とかを持って、電波を飛ばして通信インフラ持ってるところで(こちらは「MNO」という)、最近流行のMVNOってのはその通信インフラの一部を借りて事業展開しているところです。楽天モバイルであれば、ドコモの通信インフラを間借りしてるわけです。とはいえ、MVNOは、要は居候みたいなもので、キャリアよりもつながりにくいという話は多い。さらに電話の定額プランがなく、従量でかかってくる(1分話したら30円みたいな)。

 

ただ圧倒的に安さが魅力で、楽天モバイルの場合、通話SIMの5GBプランで、たったの2150円!MNPも可能で電話番号もそのまま。だが、30秒20円かかるので、1分40円。5分以内の通話は何回でも無料になる850円もある。でも、仮に月の通話時間が30分だとしても1200円なので、月3350円。どう考えても現在よりはどう考えても安い。現在が8000円として4650円安いので、これを年にすると55800円。韓国旅行に行ける額。違約金も2か月で元が取れる。

 

懸念事項は通信の安定性と、入ってるデータの移行。あとはキャリアのメールが使えなくなるので、その登録済みのサービスのメアド変更がめんどい。うーん、悩む、、。