トイレ掃除をすると謙虚になり、心が清らかになるといった精神論は、古くからある。根性論とも見られるそれは、古い体質の企業が取り入れていると思われてきた。こうした中、清涼飲料水「ホッピー」を販売するホッピービバレッジの採用ページが波紋を広げている。同社は「人財教育」の一貫に「環境整備」を掲げ、「幸せな人生の実現のためには、心磨きが必要ですが、心を直接磨くことはできません。環境は、心の鏡です。心の鏡である、環境を磨くことで心を磨くことができます」と、掃除の大切さを訴えるのだが、ここに、膝をついて雑巾がけする社員と素手でトイレ掃除をしているように見える社員の画像が載っている。良く見ると手元が黒く、ゴム手袋などを装着しているようだが、ネットでは「不衛生だ」と拒否感を持つ人が多い。-- livedoor NEWS

 

ホッピ―というとビールテイスト飲料の1種である。ビールが高価だった時代に代替品として飲まれて、いまでもレトロな感じがウケて居酒屋でもよくおいてある。そんなホッピ―の製造元の採用ページになんとトイレを素手で触る男性の写真が掲載されており、ネット上で炎上している。

 

日本だとなぜかトイレを素手で掃除すると心が綺麗になるという意味不明な持論を持っている人がいて驚かされる。イエローハットの創業者がそれで、東洋経済で記事にもなっている(記事)。埼玉の学校でこれを実践しているところがあり、美談として埼玉新聞が取り上げ、批判されたこともあった(記事)。

 

当方はこの感覚が全く分からない。トイレには雑菌が付着しており、これを素手で触ることがどれだけ危険かなぜ理解できないのだろう。爪の間に入りこんだ雑菌がドアノブ等に付着すれば、たちまちパンデミックになるリスクがある。特にノロウイルスの時期は心配だ。特にホッピ―は食品会社である。これはホッピ―の製造に携わっている人もトイレを素手で触っているのだろうか。触っているとして、その後、どのように消毒をしているのだろうか。ホッピ―はたまに飲んでいたのだが、衛生面が心配で飲む気がしなくなった・・・。食品会社であるのに不衛生なイメージの写真を堂々と掲載する神経が狂ってると思う。

 

衛生観念が低い時代や、まともに教育を受けていない発展途上国ならまだしも、先進国の日本でこんな不衛生な慣行があることに驚かされる。中国のホテルで、トイレのブラシでコップを洗っていてニュースになっていたが、日本の衛生観念も五十歩百歩だと思う(記事)。もうちょっと科学的に考えてほしい。

全開の記事で、Yahoo!映画について書いたのだが、これに代わるサイトを探していたところ、Filmarks(フィルマークス)というサイト(&アプリ)を発見。こちら試しに使ってみたのだが、結構いい感じ。評価もまだサクラがいないみたいで信用できる。観た映画を一覧で観れ、評価した順で表示できたりと結構便利。トータル5~6時間かけて観た映画を評価してみたが、今まで観た映画は思い出す限りで750本だった(観たけどいまいち記憶にないもの等は含めていない)。入力漏れもあるのでトータルで800本ぐらいかなぁと思っている。社会人なって観た映画を振り返ると、映画好きといいつつ、だいたい年間観ているのは20~30本ぐらい。別に数を追ってるわけではないので、マイペースで今後も映画を観ていこうと思います。今年の春頃はアカデミー作品賞候補作品を観つつ、旅行の移動中はタブレットで古典映画を観ていこうと思います。

当方は、映画を観に行く前に、Yahoo!映画等のレビューをみて、参考にして、あまりにもつまらなさそうであればやめることが多い。ただ、前々から言われているが、サクラのせいで、レビューがかなりあてにならなくなってきている。配給会社とかが組織的に評価を操作しているのだろう。この前観た「スリービルボード」でも、Yahoo!映画のレビューをみるとあまりにも薄いコメントが多いし、この手の作品にしては評価が高過ぎて不自然。

 

去年問題になった「鋼の錬金術師」のレビューでは、片言の日本語による投稿が相次ぎ、また高評価が連発。ネットで話題になり、逆に低評価の投稿が相次ぎ、一時期はトータル評価が2.0を割りそうなほど下がったものの、急回復しており、いまみたら4.01点。評価が21,217件もあるが、「ララランド」の評価数が14,505件、「スターウォーズ最後のジェダイ」の評価数が11,538件であるから、「鋼の錬金術師」のレヴューはやたら多い。ここまでの評価の上下は、サクラ以外に考えられない。実際、filmmarksだと評価2.7、映画.comでは2.6だ。

 

以前は、映画のレヴューをちゃんと書かないといけなかったが、最近はワンクリックでも評価できるので、操作がしやすいのだろう。Yahoo!映画の評価を観ても、本当に面白いのか、サクラのおかげなのか峻別がつかない。さすがにYahoo!映画は、いい加減に対策をしたほうがいいように思われる。今後は、Filmmarks映画.comの評価を参照していこうかなと思う。あまりにもYahoo!映画の評価管理は酷い。

 

ユナイテッド・シネマの会員は、金曜日は1000円で映画が観れるので、仕事帰りに「スリー・ビルボード」を鑑賞してきた。アカデミー作品賞の最有力候補の1つである。ベネチア国際映画祭で脚本賞、トロント国際映画祭で観客賞受賞。

 

【あらすじ】

主人公ヘイズの娘がレイプされ焼き殺されるという事件が発生した。ヘイズは、7か月経過しても犯人逮捕できない警察を恨み、この状況を訴えかけるために町はずれに3枚の広告を出す。警察は広告を取り下げるように圧力をかけるが、ヘイズは屈しない。しかし、物語が進むにつれて事態は思わぬ方向へ・・・。

 

【感想】(ネタバレ含む)

全然予想外のストーリー展開。捜査もろくにしない横暴な警察に、被害者の母親が立ち向かい、ついに犯人逮捕に至るハッピーエンドか、結局逮捕出来ずに警察の横暴さを世に訴えかけるという結末かのいずれかを予想している人が多いと思う。これが全然違うのだ。キャラクターイメージ、ストーリー展開などすべて裏切られる。それがなんとも面白い。見事な脚本だ。

 

ヘイズは娘思いの気丈な母親かと思いきや、結構なクレイジーで、神父様に罵詈雑言はいて家から追い出すし、警察署に火炎瓶を投げつける。警察署長ウィロビーが事件について説明しても聞く耳をもたず、全米の男のDNAを調べろと無理難題を押し付ける。生前、娘と喧嘩したときは「強姦されちまえ」と言ってしまうクレイジーさだ。ただ気丈すにみえて、娘の死を相当悲しんでおり、ふとした瞬間に涙を見せる。別れた夫がDV男だったので、あえて弱さを出さないように、気丈に振る舞っているのだろう。

 

警察署長のウィロビーは、横暴な警察官ではなく、実は相当な人格者。捜査を怠慢していたわけではなく、ヘイズの娘の事件については、捜査はちゃんとしており、目撃者もいないし、DNAも一致しないし、手詰まりだったのだ。また、家族思いの優しい父親であり、良き夫であり、住民からの信頼も厚い。癌を患っており、妻に病気の自分を見せて悲しませることを避けるため自殺してしまうが、ヘイズや部下へ手紙を書いており、その内容はやはり人格者らしく素晴らしいのだ。

 

また、警察署長の自殺後、警察署の部下ディクソンが重要な役割を演じる。ディクソンは黒人虐待をしたことがあるらしく、また広告設置会社の責任者をのボコボコにしてしまい警察署をクビになるロクデナシだ。しかし、警察署の署長の手紙で回心し、犯人逮捕に動き始める。

 

キャラクターだけでもこれだけ予想を裏切られる。話のストーリーでも、伏線と思いきや伏線ではないとか、伏線がここで回収かと思わせておいて、回収されないみたいなことが多々ある。描かれるのはある事件を発端に生じた復讐心からくる不毛な応酬の連鎖である。

 

個人的にこれはキリスト教の「赦し」がテーマじゃないかと思う。ヘイズは映画の序盤で神父様を家から追い出してしまう。ヘイズは教会にも、もはや行っていない。ここでキリスト教から断絶し、敵を愛せという教え、赦しから離れたのだ。キリスト教を予感させる箇所は多々ある。街を映すシーンでは遠くに教会が見えるし、警察署長が自殺したのは馬小屋だ(イエスの生まれたのも馬小屋)。「赦し」がないからこそヘイズは執拗に警察を追及する。ヘイズ自身も辛いはずだ。憎悪を他者ばかりではなく自身も傷つける。一方、人格者である警察署長は、善き人であるが、キリスト教で禁じられている自殺をしていまう。ディクソンは警察署長の手紙で回心するが、映画のラストで、これは回心したといっていいのだろうかと思ってしまう。ヘイズと一緒に別の事件の犯人と思われる人を殺しに向かうのだ。赦せないから自分も他人も傷つけるヘイズ、善き人であるのに罪を犯したウィロビー、回心したとしてもその方向性がおかしいディクソン。これから示されるのは、神を喪失した時代の不毛さである。別に映画は、キリスト教を前面に押し出していないし、赦しの重要性を説くわけでもない。ただひたすらに淡々と不毛な応酬を映画いていくのだ。滑稽ともいえる。もがきながら生きる人間の興味深い群像劇であった。★4.0

この3連休でちょっと旅行したのだが、その時に観たかったWWⅡに絡む映画2本を鑑賞。

それにしてもAmazonのタブレットは安いが、移動中での映画鑑賞にかなり重宝している。

 

アカデミー作品賞の最有力と言われる「ダンケルク」。ダンケルクとは、フランス北部の都市の名前である。WWⅡでは、英仏軍の兵士40万人がダンケルクに追い詰められ、ドイツ軍に包囲されて絶望的な状況だった。そこで、民間の船も協力し、総出で兵士救出に乗り出す。本作はその史上最大の撤退作戦「ダイナモ作戦」を描いている。監督は「ダークナイト」「インセプション」を手掛けたクリストファー・ノーラン。

 

この映像のリアリティや緊張感はさすがである。カメラワークを工夫し、あたかも自分がその場にいるかのような視覚体験をさせてくれ、まるで戦争を追体験しているようである。またノーラン監督は本作をただの戦闘シーンの派手な戦争映画に矮小化せず、また一方で、アメリカ映画によくある感動の押し付けもしてこない。ドイツを悪役にするこもなく、中立的にただリアルに描いていく。そうでありながら、本作の見事なところは、ひたすらに絶望的な状況を描きながらも、そこに人間の尊厳を織り込んでいるところである。船に手伝いたいと乗り込んできたジョージの死はそれを象徴している。映画のラストで、絶望的な中における人間ドラマには目頭が熱くなった。ノーラン監督の力量の高さを示す映画であった。5段階中★4.1

 

P.S. どうでもいいが、こちらIMAXフィルムで撮影されたらしいので、劇場で観るべきだった。タブレットの縮尺だとだいぶ画面がカットされているらしい。

 

 

「カサブランカ」は言わずと知れた、1942年公開のアメリカの古典映画である。アカデミー作品賞を受賞している。カサブランカはフランス領モロッコの都市である。WWⅡの中、ドイツ侵攻を逃れた多くの人々は、ポルトガルに渡り、そこからアメリカ合衆国への亡命を図ろうとカサブランカに集まっていた。このカサブランカを舞台にしたラブロマンスである。

 

それにしても主人公のリック(ハンフリー・ボガート)があんまりにも格好良過ぎて、ストーリーがどうでもよくなってくる。格好良いというのは、容姿ではなく、その言動や男気がである。ラブロマンス映画というより、かつての恋の傷心を抱えながらも、愛よりも大義を尊び格好よく生きる男のダンディズム映画である。名言もオンパレードで「君の瞳に乾杯」は、本作が元ネタだと初めて知った。ただ英語だと"Here's looking at you, kid."で意訳である。AFIの選ぶ「アメリカ映画の名セリフベスト100」だと、本作の台詞が6つもランクイン。ラストはどうなるかと思いきや、またもや"Louis, I think this is the beginning of a beautiful friendship." (ルイ、これが良き友情の始まりだな)との名言とともに幕を閉じる。いやぁ、名作はやはり名作であった。今年は古典映画を観ていこうと決意。★ 4.2