パク・ジヒョン記者によるレビュー。
カン・シオン文化コラムニストによる解説。
10/15
うあああーっ!なんだこれ
全然分からないっ!
面白いっ!
見終わって興奮気味の感想。いや、分かるところはそれなりにあるけど、「これをどう理解するかはご自由に〜」って丸投げされた気分。
難しくて眠くなるのが心配だったが、緊張感で目が離せない。
どういう意味があるのか考えながら見る演劇としては〈エレファント・ソング〉に似ているかもしれない。もっと抽象的だけど。
全体的に大雑把な理解を得るという初回の目的は達成したということにしよう。
単純に理解できる内容ではないため、勉強放送で事前にプログラムを読むことを推奨していた。そのせいか売り切れ。再入庫なしだそう。
大して評価されなかったベラの小説の真髄を語る学生クリストファーと、理解者を得た喜びに包まれるベラ。一瞬アルフレッド・ダグラスとオスカー・ワイルドを思い出す。
カン・スンホ君が今回はとっても少年ぽい雰囲気…でありながら、絶対普通の子じゃない雰囲気を漂わせている。
クリストファーがまるで小説の登場人物かのように、ベラが彼のセリフまで語ったりするので、沈黙の演技が多いんだけれど、そういうのが本当に絵になる人。
回転舞台は好き嫌いがあるかもしれないが、最後に出てくる雪の降る公園のセットは奥に鏡が仕込まれていて、とても美しく幻想的。立ち尽くすクリストファーに加えてベラの姿も映り込むから…意味ありげで悩む。
「破滅的結末」が好きなら見た方が良いかも。でも見方を変えれば「再生」とも言えるのか???
ベラの方はまとっている空気感が若干違うかな?くらいなのだが…
いやー、困った。クリストファーは同じ名前だが今日は別人なので、また1から理解のやり直し。
活字でじっくり読まないと、とても咀嚼できない感覚がある。だが、今日のクリストファーを見て感じたのは、無駄に深読みを試みていたのかもしれないと言う事実。
昨日は余りにも繊細な感覚もしくは異常性を感じたが、今日は大人の目には幼さも垣間見える年齢なりの学生。(演技力の問題?)
どこまでが現実で、どこからがベラの内面世界なのか、その線引きで理解が変わってくるのだが、どこに線を引くかは見る方が決めても良いとのこと。
見る側の作業が大変ではないか!レストランに食べに来たのに、料理の途中から「自分の好みで作りなさい」と渡された気分。そもそも足りない読解力に、音情報の吸収率の悪さが重なっているので…料理するのにひと苦労。でも確かに面白い。
今日は腰の曲がり気味なお年寄りの団体が来ていて…おじいちゃん、こんなの面白いですか?100分間大丈夫
いや、私も同類で、人の心配をしている場合じゃない。
10/18
〈長い長い夜〉やら何やら、何を見るか最後まで決めかねていたが、結局〈サウンド・インサイド〉に決めた。カウンターに当日券を買いに行くと…まさかの完売
いつ見ても余ってたのに!
他の日見ても余ってるのに!
なぜ今日だけ
するとカウンターのお姉様がこっそり囁いた。
「ナイショですが、開始5分前に事故席が解放されるので、待っていればご案内できるかもしれません。ただ確約はできません」ナイショなのに書いてよかったのかな?
大学路の劇場ならさっさと他の演目を探しに行ったかもしれないが、ここは忠武アートセンターの中劇場。移動するのも面倒くさい。なので大人しく待ってみた。
事故席というか保留席?が放出されるのがシステム的にきっちり5分前らしく、「あと10秒!」とカウントダウンしてPCを操作してくださった。
結果、センブロ4列目端っこの2席を示されたので、変なサイド席しか買えない時は5分前に勝負をかけても良いのか?と思うくらい、とても見やすい席だった。
今日の2人はしっくり噛み合う感じ。水曜日は何回か噛んでいたムンソリさんが、今日はまろやかな演技だった関係もあるかもしれない。
ベラが投影されている、ベラの小説に出てくるビリー。クリストファーが投影された、彼の小説の中のクリストファー。この辺を整理したらなんとなく理解できる気がする。
ビリーの話を記録したことになっている友人とビリーの関係も実在の2人に投影できるんじゃないだろうか。クリストファーの話を記録したベラとか?
ベラの願いを知ったクリストファーが見せる怒り(ショック?)をじっくり紐解きたい気がする。お互いが得難い理解者だと思っていたのに、全く想像していなかった彼女の内面を知ったから?
だが、それより目を惹いたのが「(小説の中の)クリストファーは帰って来ないと思う」というベラの答えを聞いたクリストファーの反応だ!
先に見せた「怒り(ショック?)」の次に来た、本当は逆を望んでいたベラの返答。それで彼は最後の決断をしたのかもしれない。(涙目になるのを天を仰いで隠していた。)
彼が望んでいた答えについては、再び読解力(妄想力)をフル活動させなければならないが…。
今日のクリストファーは的をしぼった分かりやすい演技だった気がする。頭の中がだいぶ整理されてきて、ようやく自分なりのストーリーに落ち着けた。
初回のスンホ君クリストファーが、絶対裏がある感じに見えて、変に深読みして難しく見てしまい、本当は実在の人物じゃなく、ベラが作り出したキャラクターじゃないか…とか。途中から現実じゃなく、ベラが考えている小説の構成なんじゃないか…とか。
実際 10人10色の解釈が可能で、その可能性は否定されていないのだが、基本形はもっとシンプルでもいい。ただ、その先の応用形を読み解いていくのは、かなりの楽しさな気がする。
3人のクリストファーを一巡し、なんとなくストーリーを把握できたところで、もう一度各ペアを見れば、もっと見えてきて、もっと面白くなりそうだ。もう見られないのが残念!
そう簡単に再演がありそうな演目ではないけれど、チャンスがあればぜひ通いたい演劇だ。
忠武の裏口から出ようとしたらヒョヌ君の退勤をやっていた。
何やらファンの言葉に一生懸命耳を傾けている。絵を描いたので渡したいと言っているようだ。受け取って嬉しそう。
