こんにちは。

 

純ジャパ、地方在住で、英語とは縁のなかった主婦が、

ボッチで勉強して、ぎりぎり英検1級に合格するまでを紹介してきました。

 

どうもナナメな内容なので、参考になるかは微妙な気がしていますが、

ただいまクライマックスの最中です。

二次面接のお話です。

 

 ☆ ☆ ☆

 

面接を落ちた私は、追い詰められました。

準1級合格から、1級の一次合格までが2年と短期間だったので、

短期記憶でしかない単語を、時間とともに忘れると思ったんです。

単語帳も続けながら二次の勉強をするのは、

自分のキャパではいい作戦だとは思いませんでした。

二次の勉強だけに集中して、

脳みそから単語がこぼれすぎてしまう前に、一気にゴールに駆け込みたかったんです。

 

絶対次で決めたい。

でも、実力以上のコミュニケーションができたあの面接で不合格。

もっとできないといけない。

私は滝修行に入りました。

2回目は準備する時間がしっかりあるので、

自分がライティングの試験用に書いた大量のエッセイの束を机に置いて、

見ずに言えるように毎日練習しました。

 

そして当日。

面接室前の椅子に案内されると、

1つ前の順番の椅子に座っていたのは、1回目の試験の控室で気配を感じた、

ダースベーダーその人でした。

臨戦態勢のダースベーダーの呼吸の衝撃派を受けながら、

一緒に再チャレンジしている仲間がいるんだと、

温かい気持ちにしてもらえました。

 

先に面接室に入るダースベーダー。

がんばれ。

 

そして私の順番がきて、2度目の

メイ・アイ・カムイン?を言いました。

緊張して、一番得点をかせげるはずの発音も、ど日本人。

 

ドアを開けると、小柄なネイティブの男性と、小柄な日本人の女性がにっこりしていていて、

拍子抜けしました。

帰化されました?というくらい、奥ゆかしい雰囲気のネイティブの男性と、

静かで穏やかで慎ましやかな、日本人形のような女性。

 

テンションマックスにして待機していたので、たじろぎました。

ジョンぐるもかなり小さいので、

座敷童が3体、膝をつき合わせたみたいになりました。

 

自己紹介をしてください。

 

今回はシナリオ通りのことをネイティブの男性に言われました。

私は準備した通りに自己紹介をはじめました。

 

はい!

私は主婦で、家族は夫と、高校生の息子と、中学生の娘です。

スキーインストラクターの免許持ってます♪

 

ほぅ!?

と、尊敬のまなざしでリアルに息をのむ面接官のリアクション。

意外なことを言ったりして会話を盛り上げるとよいと、

ネット上で先輩方がアドバイスされていたので、

意外そうなネタを持ってきました。

まずは作戦成功!

 

(でも簡単にとれる免許だから、サギっぽい。)

 

ほんとうに面接官を驚かせてしまった私は、

けれど、盛り上がりを台無しにする罪の意識に足をとられました。

つづくおもしろいネタが降りてこなくなってしまいました。

考えろ!と思って両手で顔をおおったら、

余計に詰まって時間だけたち、

なにも出てこないまま手を外しました。

 

私は、面接で最大のタブーの、沈黙を作ってしまいました。

中国語の落第生だった学生時代、

中国人によくからかわれたおかげで覚えたフレーズが、

リエンホンバ!(顔真っ赤じゃん!)

 

やらかしました。

 

てへ。

とか言おうと思ったのに、

真面目で優しいそうな面接官の、ほんとに心配する視線で、できませんでした。

明るくハキハキしゃべるキャラを作って練習したのに、

しょっぱなで転びました。

 

…すみません。

なにかポジティブなことを言わないといけないと思ったのですが、

続けられなくて。

…自分に自信がないのが、私の問題なんです。

仕事をやめて、

自分にはなにもとりえがないと思っていて。

そんな中で、時間だけあって、英語を勉強できることが、喜びでした。

だから、その、

私には英語しかなくて、

英検はわたしの目標地点で、

私にとって、とても大きな意味があります。

それで、いま、緊張しすぎてしまいました。

いつも家族が応援してくれて、英語と過ごせました。

家族に、感謝しています。

 

試験、はじめても大丈夫?

 

ネイティブの男性がそっと言いました。

雰囲気、完全にカウンセリングルーム。

 

渡されたカードを必死に読みましたが、

毎度のことながら緊張して手足が震え、

ふだんでも緊張すると、日本語ですらまともに読めない。

 

Do you think sports club activities are crucial in school education?

(体育会クラブ活動は学校教育において重要か)

 

忘れたんだけどそんな感じの、専門性のなさそうなお題を選びました。

あんなに苦手な政治経済や科学について頭につめこんだのに、

結局苦手なので、いざというとき採用できず。

 

絶望的なことに、この唯一お子さま向けに作られたっぽいお題の中に、

わからない単語がありました。

基本的な単語のはずなのに、

crucial(重要)が「大切」のようなポジティブなニュアンスのものか、

「やばいことになる」のようなネガティブなニュアンスのものか、

混乱したまま放置していたので、お題の意味が正確にわかりませんでした。

もう、確実に挽回不可能。

 

合格の可能性はゼロだとしても、

自分の持っている全力をつくして帰ろうと思いました。

 

私は、クラブ活動は心や体を育てるので、学校教育において重要だと思います。

あ。失礼しました。

心や体を育てるけど、重要ではないと思います。

理由はふたつあります。

まず、クラブ活動は生徒にとって負担が大きすぎます。

十分に教科の勉強をするための、時間と体力をあまりにも奪います。

息子は体育会クラブ活動をしていましたが、

朝6時に家を出て、練習をします。

もちろん放課後も毎日練習がありますし、休みの日もあります。

家では疲れていて、ほとんど時間もありません。

次に、クラブ活動は教師や保護者にとっても負担です。

教師はまず教科を生徒に教えなければならないのに、

生徒と一緒にクラブ活動に参加するので、

自分の専門分野についての時間がとれない上、

家族との時間もありません。

保護者にも、試合の送り迎えなど、手間がかかります。

 

こんな感じの内容で続けていきました。

家で話しているような、たいしたことない内容でした。

そもそも一番大事な出だしのキメで言いなおして、筋がブレブレなので、

どうしようもなく終わってました。

 

そのあと面接官ふたりと何をやりとりしたかも、ほとんど忘れました。

受かる人は余裕があって、どんな面接内容だったか記憶しているそうです。

必死だった私があと覚えているのは、ネイティブの男性の最後の質問で、

 

もしお子さんが、あなたの望まないような職業を希望したらどうしますか?

 

というようなもの。

私がただの主婦なので、マトの方を合わせてくれたんだと思います。

緊張の中だったけど、一度は考えた方がいい、いいこと聞く人だなって思いました。

 

今回の試験官は容赦ないネイティブ速度で話すので、ついて行ききれず、

このときイクスキューズミー?を発動させました。

2回聞いても正確にわかった気がしませんでしたが、見切り発車。

 

親の方が子どもより長く生きている分、人生経験がありますので、

子どもにとってその職業につくのが難しいような場合や、

就いてからが大変そうな職業である場合には、

難しいことをきちんと説明し、あきらめるように勧めます。

たとえば、芸術家とか、芸能人とか。

けれどもし、それでも子どもが希望し続け、強い情熱があるようなら、

親の方もその職業について調べ、勉強するべきです。

子どもと話し合って可能性が見つかるようなら、

しっかりサポートするべきだと思います。

 

自分ならどうしたいか考えながら話しました。

実際にはもう少し長く話しすぎて、他の質問の時間を食ってしまいました。

 

面接会場からの帰り道、

車のたくさん通る大きな通りの、歩道かどうかわからないはしっこを歩きながら、

ぐずぐず泣きました。

前回より上手くやらないといけなかったのに、まるでダメでした。

 

発表の日。

落胆が高密度すぎて、体からブラックホールを発生させてサイトにつなぐと、

まさかのぎりぎり受かってました。

 

英検1級って、あんなんじゃない!!

 

ぜんぜん納得いきませんでした。

面接官の同情票をもらったとダンナさんに訴えると、

そんなことがあるなら、「泣き落とし作戦」がネットに出回っていると、否定してくれました。

確かし。

 

でも1級って、あんなんじゃない。

私が憧れて、努力して、なりたかったのは、あんなんじゃない。

 

ゴールを決めるつもりが、

長い道のりの先にあったはずのゴールが蜃気楼みたいに消えて、

無限の砂漠が現れました。

 

 ☆ ☆ ☆

 

 

これにて、一連のシリーズ完結。

 

いままでブログにつきあってくださったみなさま、

ほんとうにありがとうございました。

 

自分がインターネットにお世話になって独学したので、

合格したら恩返しがしたいと思っていました。

誰の目にも触れずにムダかもと思っていましたが、

たくさんのアクセスをいただいて、ほんとうに嬉しかったです。

 

そして大好きな英語について、誰かに話せたことも嬉しかったし、

私の言葉にいつも笑って喜んでくれた、

まわりの人たちのことも思い出しながら書けました。

 

書き終わってみると、

相手にまっすぐ自分の気持ちを届けられたことが、

一回目の面接と、二回目の面接の違いかなと思います。

先輩方がおっしゃる二次試験で測るコミュニケーション力とは、こういうことなのかな?

 

わたしのブログが、

気分転換でも、

こんな感じでも受かるんだ、でも、

なにかみなさまのお役にたてていると嬉しいです。

 

今後はたまにふらっと英語ネタをアップしたいと思っています。

ぜひまた遊びに来てください。

 

これからも英語と仲良くしたいと思ってます。

 

ごきげんよー♪

 

 

 

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