害虫カブトとクワガタ | zojurasのブログ

世界の昆虫展で見たカブトムシやクワガタでは、世界のいろいろな種類を展示していたのは当然ですが、その中には厄介モンもいたりしました。

まずはサイカブトムシ類。

 

日本では「タイワンカブトムシ」の名でも知られていますが、元々は日本に居たカブトムシではありません。

サイカブトは、ヤシやココナッツ、サトウキビといった食用及び、有用植物を傷つけ、枯らしてしまう事から、大害虫として嫌われていますが、生命力も繁殖力も強いことから、実験動物としてもよく利用されていますが、タイワンカブトの名が示す通り、原産地は台湾で、八重山諸島には明治後期、沖縄には戦後の本土復帰前に入ってきたと云われています。

 

日本在来のサイカブトは、大東諸島の南大東島にのみに生息するとされるヒサマツサイカブトムシ Oryctes hisamatsu 只一種だけですが、近年殆ど見つかってはいないどころか、絶滅したのではないか?といわれ、おそらく、世界のカブトムシの中で一番の絶滅危惧種だろうし、沖縄の絶滅寸前の昆虫といったら、ヤンバルテナガコガネが思い浮かびますが、そのヤンバルテナガコガネよりも比較にならない程の貴重昆虫となってしまった模様です・・・・・。

続きまして、南米産のクビボソツヤクワガタ。

 

南米産のチリークワガタとか、コフキクワガタとかといったイロモノ系に比べれば、比較的マトモな形状に見えますが

実は、この系統のクワガタは、アボカドを荒らす害虫でもある訳です・・・・。

 

色々な種が居るカブトやクワガタですが、こういう害虫やら、絶滅危惧種やらもいるという事で、そういう面も知って欲しいです・・・・。

クビボソツヤクワガタ Cantharolethrus luxeri.

節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタムシ科

「ルクセリークビボソツヤクワガタ」とも呼ばれる中米パナマから、南米コロンビアにかけて分布するクビボソツヤクワガタ属の代表種でかつ、最大種で、体長35~60mm程になる。

頭部の後ろと胸部の前部が狭まっているのような形態が特徴で、複眼も他のクワガタムシに比べて割合的に小さい。代わりに触角は体の大きさに比べて長く、体長の2/3程となる。オスは漆を塗ったような黒い艶のある体色が特徴だが、東南アジアに広く生息するツヤクワガタ属に近い種類という訳では無い。メスは鮫肌のような表皮が特徴となる。

独特の形状と色彩のクワガタムシだが、現地ではアボカドに集まり、大顎でアボカドの実や茎を傷つけ、その汁を吸う農業害虫として嫌われ、クワガタムシの中では数少ない、明確な害虫扱いをされているグループとしても有名である。