世界の昆虫展で見たネブトクワガタ類の紹介。
ネブトクワガタというと、オオクワガタに似た姿と体型に惹かれるっちゃ、惹かれますが、ちゃちいし、地味だし、日本にも住んでいるにも関わらず、あまり人目に付かないクワガタという事で、やや知られていないのですが、個性派が結構いる種類かと思います。
日本の小笠原諸島にのみ生息するオガサワラネブトクワガタ。
上に石垣島産のラベルがありますが、それとは違います。
ソロモン諸島産のウッドフォードネブトクワガタ
個性的な種類なので、写しました。
これはその中で、世界最大種のヒペルプンクタートゥスネブトクワガタ。
世界最大種のクーランに似ていましたが、マイナーネブトなので気づきませんでした。。
オガサワラネブトクワガタ Aegus ogasawaraensis
節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタムシ科
名前通り、小笠原諸島にのみ生息する日本本土産ネブトクワガタ Aegus subnitidu とは異なる小笠原諸島の固有種とされているネブトクワガタの一種。
本土産ネブトよりも脚がやや短く、一回り小さく、体長は大きいオスでも、30mmにはならない。最近は2亜種に分けられ、母島産の原名亜種のハハジマネブト A o ogasawaraensis と、父島、兄島、弟島に住む亜種のチチジマネブト A o chichijimaensis に分けられた。大顎形状が若干異なり、チチジマネブトの方が大顎がやや鋭角になる。
現地の赤枯れした針葉樹に潜み、母虫はそこに産卵する。成虫は樹液に集まらず、飛翔も殆ど見られない。
ウッドフォードネブトクワガタ Aegus woodfordi
節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタムシ科
ソロモン諸島に生息する中型~大型のネブトクワガタで、最大で40mm近くになり、ネブトクワガタの仲間では珍しく、大顎が直線的に伸びる種類となる。
ネブトクワガタの仲間でも、太目で力強い体型をしている事で人気のある種で、大顎の下と、口器の廻りに毛が生えていて、東南アジアに生息するタウルスヒラタクワガタ Dorcus taurus と共通点を持つが、タウルスには口器の廻りに毛が生えず、同地域に生息するノコギリクワガタの一種であるハスタートノコギリクワガタ Prosopocoilus hasterti とも体型が似ているのも特徴となる。
他のネブトクワガタ類と同様に、赤枯れした材や、その周囲の腐葉土に幼虫は潜み、それを食べながら成長する。
グランディスネブトクワガタ Aegus grandis
節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタムシ科
フィジー諸島の特産の大型のネブトクワガタで、体長は最大55mmを超え、プラティオドンや、パラレルスと並ぶ大型ネブトクワガタ類としても有名である。
ウッドフォードよりも更に太目で、後方に向かってボリュームが付くネブトクワガタ中最も力強い体型となっており、その大きさから、ネブトクワガタとは思えない迫力のある姿となる。
フィジー諸島産のクワガタムシとして、クーランに次ぐ大きさのネブトクワガタとしても人気が高いが、珍種扱いでかつ、大型成虫の作出が難しいとも云われる。
ヒペルプンタートゥスネブトクワガタ Aegus hyperpunctatus
節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタムシ科
フィジー諸島のネブトクワガタ類のみならず、最大級のクワガタムシで体長は最大57mmとなる。
グランディスネブトの近縁種で、体型も似ており、稀に見られる長歯型では、内歯が基部に生え、中央付近で、三角形状になる。
グランディス以上にネブトクワガタ類では珍種扱いであり、日本に輸入される事は多くは無く、大歯型は滅多に見られず、殆どは中型や小型個体ばかりとなる。