世界の昆虫展示で、コガネムシ類の紹介では、今度はフンコロガシ達。
これはアフリカ産のフェモラリスタマオシコガネ。
糞を球状に丸めて転がす習性を持つ糞虫類、いわゆるフンコロガシと呼ばれる糞虫の中では最大の種類です。
こちらは、海外のダイコクコガネ類
ダイコクコガネの仲間は、日本にも居ますが、特にナンバンダイコクガネは、体長60mm近くにもなる糞虫類の中では最大の種類となります。
ただし、フンコロガシ類のように、糞をボールにして転がす習性はありません。
きらびやかなダイコクコガネ類。
ダイコクコガネも、フンコロガシ類も、同じダイコクコガネ亜科ではありますが、ダイコクコガネと呼ばれる種類にはカブトムシのようにオスには角があって、メスは角があっても小さいか、殆ど無く、フンコロガシ類のようにボールにして転がさない違いで見分けることが出来ます。
そして、こういう宝石のような綺麗な種類も少なくないようです。
フェモラリスタマオシコガネ Pachylomera femoralis
節足動物門 昆虫網 鞘翅目 コガネムシ科
アフリカ大陸のタンザニアに生息するアフリカ最大のフンコロガシで、体長が最大50mm近くにも達する。
アフリカゾウやアフリカスイギュウなどの大型の草食性哺乳類の糞に飛翔して集まり、他の糞虫達と共に糞を食べたり、その糞を幼虫の餌にして運び込む性質があり、そうする事でサバンナに拡がる糞を掃除し、草原が汚れて荒廃するのを防ぎ、清浄化を保っている。
前脚の頸節は湾曲して棘が生えており、その棘を用いて糞を突き刺して、掻き集めるように発達していて、長い後肢で糞を球状にして、後ろ向きで転がしながら運ぶいわゆる「フンコロガシ」と呼ばれる性質を持つ糞虫類では最大の種類となる。
そうした大柄な身体になったのは、アフリカの大型哺乳類達の糞を速やかに片付ける為だともいわれる。また、本種をはじめとした糞虫類は、小型のジャッカルのような肉食性哺乳類の餌にもなっており、いろいろな意味でアフリカ生態系の中で、重要な役目を果たしている。