踊る小悪魔 -13ページ目

踊る小悪魔

会社の先輩に恋をしました。

電話の翌日。


昼頃、メールが来た。


あれから連絡きた?


来てないですよー


たったそれだけ。


日付が変わる頃、再びメールが来た。


起きてる?


起きてますよー


にひひ


???


グッド!


???あせる


NEXTべーっだ!


OK汗


ますますよくわからん。

無駄に終わった問答の中身。


確かに、猫宮さんには口酸っぱく言われていた。


あの人は危険だから気をつけた方がいい。


確かに態度や言動の端々に

女の子好きの匂いをさせていたけれど

それは私に対してだけではないし。


呑みに行こうという誘いだって

今社内にいる現場職の女子で

成人してるのは私だけだからだろうし。


気をつけるって言ったって

気をつけようがなかった。


確かに、調子に乗った時期もあった。

ネクタイとか髪型とか目についたものを褒めると

すごく嬉しそうな顔をするので

キャバ嬢になった気分で遊んでた。


でもそれは、私がまだ猫宮さんに片想いをする前の話。


あの人、連絡先を交換した時点で

澪ちゃんが自分のモノになったと思ってる。

たぶんこれからガンガン誘われるよ。

家の前まで押し掛けられるよ。

冗談抜きで。


一体何を根拠にここまで言い切れるんだろう。


まだ何も起こってないじゃないですか。

起こる「かもしれない」から私たちは終わるんですか?


起こるかも、じゃなくて、起こるよ。


私は彼だけを見ていなければならないのだろうか。

彼は私だけを見るつもりはないのに。


なんだか、よくわからない。

だって、しょうがなくね?


うちの会社、圧倒的に女子が少ない。

特に支社内は事務職のおねえさま方(もれなくアラフォー)が

片手で数えれる程度。

現場職の先輩はほぼ直行直帰なので

社内をうろうろしている若い女子は

私ともう一人の子、ミドリちゃんだけ。


現場研修でほぼ全ての課を回るので

その都度色々な事がある。


私が最初に行った課には女好きで有名な課長がいて、

地元が一緒な事や

出勤時に同じ時間の電車に乗り合わせることもあり

研修先が次の課に変わってからも

わりと仲良くさせてもらっていた。


ある日、珍しく土曜出勤の日。

車内に人が全然いなかったので

課長と喋りながら出勤する流れに。


前々から「今度呑みに行こう」と誘われてはいたけれど、

いつも社交辞令だと思って適当に流していた。


その日もいつものように流そうとしたら

「じゃあ、連絡先教えてよ」と携帯を取り出された。

断る事も出来ず、連絡先を交換した。


その日の昼休憩時、猫宮さんにメールした。


今朝、あなたの課の課長さんに連絡先聞かれました(笑)


驚くだろうと思った。

笑ってくれると思った。


あぁ・・・やっちゃったね・・・


あれ、そんだけ?


夜、電話が来た。


とうとう交換しちゃったか・・・


はい。


俺達、もう今までみたいに会うことはできんわ。


えっ、な、何でですか?!


あの人、女の事になると目の色変わるんだわ。

もし、俺と澪ちゃんがこういう関係って事を知ったら

たぶんあの人自分の権力を使って俺を潰しにかかる。

そういうの嫌だからさ。


え・・・?


だから、ごめんね。


ちょっと待ってくださいよ!


それから後は、何を言っても無駄だった。