無駄に終わった問答の中身。
確かに、猫宮さんには口酸っぱく言われていた。
あの人は危険だから気をつけた方がいい。
確かに態度や言動の端々に
女の子好きの匂いをさせていたけれど
それは私に対してだけではないし。
呑みに行こうという誘いだって
今社内にいる現場職の女子で
成人してるのは私だけだからだろうし。
気をつけるって言ったって
気をつけようがなかった。
確かに、調子に乗った時期もあった。
ネクタイとか髪型とか目についたものを褒めると
すごく嬉しそうな顔をするので
キャバ嬢になった気分で遊んでた。
でもそれは、私がまだ猫宮さんに片想いをする前の話。
あの人、連絡先を交換した時点で
澪ちゃんが自分のモノになったと思ってる。
たぶんこれからガンガン誘われるよ。
家の前まで押し掛けられるよ。
冗談抜きで。
一体何を根拠にここまで言い切れるんだろう。
まだ何も起こってないじゃないですか。
起こる「かもしれない」から私たちは終わるんですか?
起こるかも、じゃなくて、起こるよ。
私は彼だけを見ていなければならないのだろうか。
彼は私だけを見るつもりはないのに。
なんだか、よくわからない。