コストコの大型BBQコンロであるMasterbuilt36inチャコールワゴンBBQグリルを使ったアメリカンなバーベキュー方法をまとめてみました。
購入時にもレビューを書くと言いながら記事にし忘れてたし(笑)、よそ様のBBQバーティの記事や動画を観てると、せっかくの大型バーベキューグリルなのに全面に炭を燃やしてただの焼肉用グリルとして使っている方が多いことに気が付いたから。例として昨日10人でおこなった我が家のBBQを紹介がてら大型グリルを選ぶ意味や出来ることを明確にしましょう。
もちろん自由に楽しくBBQ出来れば良いのでグリルの使い方に決まりなどない。これが正しいとか誤ってるとかではなく、以下は炭を使ったBBQのうちせっかく大型グリルを使うのなら知っておいた方がより楽しくなる使い方だと思って見てください。
多くのメーカー共通で大型BBQコンロは通常以下の構成になっている。
- 大きな金属製ケース
- 移動用キャスター
- 荒い目の焼き網
- 上下に移動できる火皿
- 左右に空気の取り入れ口
- 焼き面全体を覆えるフタ
- そのフタに温度計
- 排煙エントツ
- 機種により取り外し式の灰皿
当然、重くて移動に不便。出先で使うのではなく庭で据え置きで使うため広いスペースが必要だが、小さく切り分けた焼肉スタイルのBBQをするだけなら、ワゴンタイプのグリルは全く必要ない。焼肉スタイルBBQ用として個人的なお勧めを紹介すると…
↓焼肉スタイルに最適
引き出し式の簡易オーブンがあってピザも焼けるし鉄板も付属してる。出先で使いたい人も含めて焼肉スタイルしかしない人にはお勧め!
大小サイズがあり家族構成に合わせれば良いけど、グリルに関しては大は小を兼ねるので私なら迷わず大きい方を選びます。コレくらいなら車での持ち運びも簡単。
焼肉スタイルでは、オーブンとしてのフタやエントツは不要だし、炭の火力調整に慣れてくると火皿を上下動しての火力調整もあまり必要性を感じない。欲しいのは調理面を動かすことなく炭を追加できる機能くらい。つまり軽量な組み立て式で充分なのだ。
こうした移動を考えず、庭に据え置きで使うのがコストココンロに代表される大型BBQグリルだろう。これらのアメリカ式ワゴンスタイルのコンロは肉塊を焼くために適した構成なので、せっかく購入したなら大きな肉を焼いた方が絶対に楽しいよ。
【アメリカ式BBQの楽しみ方】
「うわぁ~すげぇ~!ホントにこんな大きなお肉も焼けるんやぁ」っと、小さなお子さまも大喜びで盛り上がること請け合いのビア缶チキン等を例にアメリカンBBQの方法を見ていく。迫力あるのに丸鶏は安いのだ。2㎏の大きなもので1,500円~2,000円程度だから気楽にチャレンジできるだろう。
大まかな流れとしては、備長炭オガ炭とブリケットを使ってチムニースターターで火を熾す。下ごしらえしていた丸鶏をビア缶ホルダーに挿して焼いていく。温度計で内部温度を見ながら焼けば失敗も少ない。お子さま用のバックリブはここで仕上がりだが、今日はご近所が窓を閉め切っている雨の日BBQなので少々煙を出しても大丈夫だろう。せっかくだから大人向けの丸鶏とスペアリブには仕上げにヒッコリーチップで燻製の香りをつけようと思います。
BBQマスターたる私が来客の集まる前に用意する大型BBQコンロらしい楽しい作業だ。あとは直接炭火の上で焼く通常の焼肉スタイルに移行するので省略。最後に簡単なクリーニング方法も紹介する。
では、何はともあれ先ずは火を熾そう。
↓チムニースターターで火熾し
これはエントツ状の筒で下に小さな火種を入れて上の炭に火をつけるもの。特に火がつきにくい備長炭には不可欠だと思います。一度火をつけたらほったらかしで火熾しできるので常時張りつく必要がなく他の準備ができるよ。
今入っているのは前回の使いさしをBBQ後にこの筒で消し炭にしていた物。消し炭は着火しやすいのでこれがそのまま今回のスターターになる。これが無い場合はキングスフォードのチャコールブリケット(いわゆる練炭。火が点きやすい)を下に一列だけ敷いている。
このチムニースターターを使うとバーナーで火熾ししてたのがバカらしくなるくらい簡単に火が点く。炭同様に色々な製品があるが、これにはお勧めしたい商品があるのでご紹介。
加熱冷却を繰り返すとスチールはサビてボロボロになりやすいので、ちょっと高いけど可能ならステンレス製の方を買いましょう。
↓もう絶対お勧め!
中に入れる炭にも幾つかの種類があるので知っておきたい。
パーティーなどで裏庭BBQするのに安価なホームセンター炭(黒炭)はお勧めしない。若干薬品臭くなることもあるが何も焼いてなくても煙が出るのが問題。密集地やベランダでは絶対に使うべきではない。
若干火がつきにくくはあるが、頻繁にBBQする家では煙が少なくて火持ちがいいオガ備長炭をお勧めします。焼き鳥屋さんもこれが多いね。
すぐに火のつくブリケットは火熾しの際と、急に火力が欲しくなった時に便利に使っている。
↓実際の使い方
火だねは新聞紙丸めた物でも充分ですよ。使用してるのはWEBERの着火剤。
↓下ごしらえ中の丸鶏さん
チキンスタンドに入れたビール缶をお尻の穴にブッ挿す。そのままスタンドごとグリルに載せて時々横に回転させながら焼くのだ。ビールは肉を保水して香りつけするためだけなので半分もあれば充分。ビールの代わりにジュースでもオケ。首にはレモンなど香りのある柑橘類を差し込んで蓋にすると尚よろしいです。
今回は燻製する予定だったので、合いそうなBBQソースにしたが、塩コショウやケイジャンスパイス、シーズニングパウダーなどお好みの味をつけて焼くと良いでしょう。
↓ビア缶チキンスタンド
Amazonのは2個セットが面白い。楽天のは送料別だが、それでも安い。
↓グリルを設定
エントツの高さが違うのが分るだろうか。右下の空気取り入れ口である通気口を全開。左のエントツを全開。反対のエントツと左通気口は全閉。2本エントツのMasterbuiltには、この設定を設置場所に合わせて逆にすることができる利点がある。

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↓すると空気が右から左へ流れる
熾った炭を右側半分に入れて少し足す。肉の下にあるのは水を入れたアルミトレー。水蒸気で保湿しながら油を受けて煙を減らす効果がある。6段階ある火皿の高さは一番下で、遠火で蒸し焼きにする。この方法でピザも焼けるよ!
つまり直接的に炎で肉を焼いてるわけではない。
今回は丸鶏に加えてバックリブとスペアリブを同時に入れたけど、リブ系はアルミホイルで包むか強火で少し炙って水分を閉じ込めてから焼いたた方が柔らかく仕上がる。魚や野菜のホイル焼きも途中から入れると良いです。
このようにオーブンとして使えるのが大型ワゴン型の良いところで、せっかく出来ることを使わないのは勿体ないね。
左右の火皿の高さを別々に変えられる2室型BBQグリルもある。最近コストコで売られるようになったDUROというちょっと小振りなタイプも同様だが、間の隔壁を取り外せば同じことができるはず。半面だけど鉄板も付属するから使い勝手は良いかもしれないね。
↓温度計は必須
外が℉、内が℃で、素材に合わせて150~200℃くらいを保ち2~3時間くらい焼いてる。もちろん何回かは焼き位置を変えたりソースを塗るためフタは開けるけど、出来るだけすぐに閉めて温度を落とさないように心掛けましょう。
↓時々ソースを塗ったり位置を入れ替える
お子さま向けに用意したバックリブには吉田BBQソース、鶏とスペアリブには少しスモーキーなジャックダニエルBBQソースを使用した。特にソースを塗った鶏は向きを変えながら焼かないと一面だけがコゲ易いよ。
↓燻製チップ
燻すためには事前に30分ほど水に浸しておくこと。そのまま入れると一瞬で燃え尽きる。種類に迷った時はヒッコリーを買っとけば間違いない…知らんけど(笑)
↓香りづけにはチップが便利
本当は塊の木がいいんだろうけど量の調節が難しい。使い勝手の良いチップは各種ある。粗目のものをお好みに合わせて選ぶと良いでしょう。今度はチェリーにしよかなー
↓その方法
なるべく火の弱いところを狙って水を吸わせたチップを入れる。コストココンロ純正だと隙間からポロポロ落ちるので火皿には細目のアミを敷いた方が良いです。
↓煙出る出る
この時に通気口を開けると早く燃えるし、煙突も合わせて閉めると長持ちしやすいので調整してみよう。
【火力の調節方法】
火力が要るときは全ての開口部を開けて空気の通りを良くして火皿を上にする。炭が良く燃えて火力が上がる反面、燃え尽きるのも早い。じっくり焼きたいときはいずれも閉めて火皿を下へ遠火にするのが基本。
これを素材に合わせて位置や量を使い分ける。空気の通り道を考えよう。
硬い大きな肉ほど低い温度で長時間焼く。薄く柔らかい肉ほど高温で短い時間で焼く。
いつもは鶏が180°Cくらいで2〜3時間焼いてる。リブ系は200°Cくらいで1〜2時間でも十分食べられるけど、基本的には低温で長時間焼いた方が柔らかくて旨くなります。
この動画では上手く映ってないが、こうした大型グリルの多くが煙を完全には閉じ込められず煙がそこここから漏れまくる。本格的な燻製器としては使えません。あくまでも香りづけ程度。
本来の燻製器はオフセット型やドラム型のスモーカーと呼ばれる煙をほぼ密閉できるもの。そうじゃないと半日も掛けて煙の熱だけで焼くのは難しい。
だから我が家では昨日のような雨の日BBQ(周辺の家が窓を閉めている)以外では燻製チップは使わないのだ。
庭でBBQしている家は多いけど、煙モクモクが隣近所に流れ込んでるのは頂けないね。
↓温度計で内部温度を確認
もう充分な温度なので皿に移動した。分厚い肉は外の焼け具合だけでなく内部温度を計測した方が安心。だけどこれはちょっと焼き過ぎた(笑)
↓こちらは未だ早かった
鶏の生は食中毒が怖いよね。分厚い胸肉の中間でも70℃弱くらいは欲しい。
↓この温度計は良い製品
レビュー評価の非常に高い製品。防水のため洗えるので清潔に使用できる。
唯一の弱点はマグネットが弱いこと。私は瞬間接着剤でパラジウム磁石を固定して使ってます。
Amazonにレビューも★★★★☆で「良いんだけどね、マグネットが惜しい!」との内容をつけた。
さて、今回は来客があったのでクリーニングは翌日回しにしたが、本来は火が残っているうちに熱い状態のグリルを金ブラシでゴシゴシこすって汚れを焼きながら落とした方が良い。
↓使用後は金ブラシで汚れを削り落とす
洗剤で洗っている人も居るらしいけど基本は不要。汚れを落として油を塗っておくだけ。
鋳鉄アミ部分は石鹸で洗うと油が落ちてサビてしまう。洗わない方が良いです。もし洗うならその都度油を塗ってシーズニングしなおすべき。
もちろん次回そのまま再使用すると前回付着した汚れが腐ったりしてお腹壊すので、使用前に炭を熾した状態でしばらく高温に上げて鋳鉄アミに付いた汚れを焼き切ってから使う。200℃でしばらく焼けば全てのバクテリアは死滅する(らしい)のでBBQ後ほったらかしの人も多いのです。
ただ、臭いが出る事もあるので私は翌日までに鋳鉄アミの汚れだけは金ブラシで落とすようにしています。
↓灰を落として灰皿だけは洗う
火皿に細目アミを入れてるのは、この部分の隙間が広くて燃え尽きる前の小さな炭が下に落ちるのを防ぐためと、アミごと横にスライドして火力を当てる位置を移動できるようにするため。灰が残っていると水分を呼んでサビるそうなのでその都度捨てて水洗いしてます。この状態で次のBBQに備える。
↓クリーニング用品
手前のは100均で500円で売ってた。リーチがあるので奥の灰を掻き落とすのに便利。白いのは先が曲がっててアミの裏側用だが、すぐに毛が潰れるのであまりお勧めできない。他の3本はセットで安い物が売られてる。消耗品は買い替え易い安物でも充分だと思う。
↓針金で固定
グリル上にあるメッキの細目アミだけは洗剤で洗った後に針金で固定して次回に備える。焼き面のこのアミはホームセンターで700円くらいで売ってる40㎝×60㎝サイズのものがジャストフィット。
この製品を持ってる人がこの写真を見たらアミが裏返しじゃん…と思うかもしれないね。その通り、元々鋳鉄の焼きアミは平らな面が下で尖がった方が上で使ってる人が多いはず。でも小さな肉や野菜などが落下しやすいし、下が平だと油が滞留しやすいため長いあいだ火であぶられて煙が出やすいように思うのです。鋳鉄アミを使ってる焼肉屋さんでもそうなっている。
煙は有意な差を感じなかったけど下が尖ってたほうが脂の付着が少なくて掃除が楽なので今はアミを入れ替えて裏返して使っています。
細目の一般的な焼き網を併用するのは、アメリカンBBQとは言え牛タンやカルビなど普通の焼肉も同時に行うので小さな食材用だと思ってください。これは針金のクロス部分に汚れが残りやすいのでさすがに石鹸で洗ってる。
もっとも普段BBQをしない人にとっては使い始めが汚く見えるのも無理ないかなと思うので、わが家ではいつも私が事前に塊肉の蒸し焼きを初めている。2時間ほどで焼き上がったころに客が集まって、ボチボチと焼肉に移り変わっていくという流れが多い。洗わずに使っていることが目立たないようにするためだ(書いておるがね)
でも今のところ、うちのBBQでお腹をこわしたという話は聞いてない(笑)
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