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「学問の自由の侵害」は何処へ?World Wounder-【朝日社説】学術会議改革 存在意義 社会で共有を
「モリカケ桜」とは異なり、「学術会議」問題は、安倍・前政権とは基本的に無関係な、「管・現政権独自の問題」である。だからまあ、「比較的新しいネタ」とは言えそうだ。
だが、「比較的新しい、だけ」としか、私(ZERO)には思えない。つまりは、「モリカケ桜」と同様に「精々が、出来損ないスキャンダル」でしかないのだが・・・
【朝日社説】学術会議改革 存在意義 社会で共有を
学術会議改革 存在意義 社会で共有を
https://www.asahi.com/articles/DA3S14885424.html?iref=pc_rensai_long_16_article
2021年4月27日 5時00分
会場とオンライン参加で開かれた日本学術会議の総会。報告書や声明をめぐり活発な意見が交わされた=2021年4月22日、ネット中継画像
【1】 自らの役割と今後の組織のあり方を話し合ってきた日本学術会議が、その結果をまとめた報告書を総会で承認した。
【2】 分野を問わず、科学を発展させ、成果を社会に反映・浸透させるにはどうしたらいいか。設立の原点に立ち、慎重な検討を経て導き出したものだ。政府は最大限尊重するべきだ。
【3】 きっかけは菅首相による会員の任命拒否だった。強権的な手法が批判されると、政権は学術会議の現状に問題があると言い出し、改革の必要性を唱えた。明らかな論点ずらしだが、執行部は議論には応じることにし、会員に限らず国内外の識者から意見を聴いてきた。
【4】 報告書は、法律で独立性を担保され、国の「特別の機関」として予算措置がされている現在の形態について「変更する積極的理由を見いだすことは困難」と結論づけた。あわせて、情報発信力の強化や会員選考プロセスの透明性の向上に、引き続き取り組む考えを示した。
【5】 学術会議は各国のアカデミーに共通する要件を分析し、(1)国を代表する機関としての地位(2)公的資格(3)安定した財政基盤(4)活動面での政府からの独立(5)会員選考の自主・独立――の五つを挙げた。時の政権に左右されることなく、中立の立場で科学的・客観的な提言をするために欠かせないもので、その堅持を訴えたのは当然だ。
【6】 これに対し自民党は「改革に消極的だ」と決めつけ、「学術会議は、政治や行政が抱える課題認識や時間軸を共有して活動すべきだ」と主張する。一見もっともらしいが、政府と一体化し、目先の懸案を処理する下請け機関になったときの弊害を理解していない。
【7】 政府は近年、学術界に「イノベーション(技術革新)」への貢献を求める。だが実現には、既存の価値観にとらわれない発想や視点が不可欠だ。批判精神のないところに発展も革新もないことは、人類の長い歴史が証明している。戦前、学問が国家に隷属した果ての惨禍は、改めて指摘するまでもない。
【8】 「国の予算を使いながら政府と違う考えを示すのはおかしい」との意見も的外れだ。予算は国民のもので、政治家や官僚の所有物ではない。政府の意向と異なることでも臆せず提言する組織は、社会全体の財産であり、維持・発展させながら次代に引き継がねばならない。
【9】 総会では、本来、感染症対策を議論して社会に貢献すべきなのに、組織論に時間が割かれることを憂える声も出た。今こそ多分野の知を統合する学術会議が存在意義を示すときだ。無用の混乱を招いた首相は、事態を早急に打開する責任がある。
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そもそも「存在意義」を示せていないのが、学術会議だ。
有り体に、率直に、聞こうじゃぁ無いか。「日本学術会議の存在意義って、何?」
「純然たる学術的有識者団体として、主として政府の学術関連問題に関する諮問機関であり、アドバイザーであること」ってのが多分、「模範的な回答」だろう。左様な「純然たる学術的有識者団体」が「政府の諮問機関」として存在することの意味・意義には、相応に首肯できる点があるモノの、発足以来ほぼ戦後この方の70年近くになる日本学術会議が「純然たる学術的有識者団体として存在意義を示した」事なんざぁ、一度ぐらいはあったのだろうか?
1> 今こそ多分野の知を統合する学術会議の存在意義を示すときだ。
と、上掲朝日社説のラスト近くにあるが、発足以来70年にならんとする日本学術会議が、「多分野の知を統合し、存在意義を示した」事例・事象なんぞ、私(ZERO)には全く覚えが無い。そんなことが、ひょっとすると一度や二度はあったのかも知れないが、仮にあったとしても、「近年には、無い。」とは断言出来よう。その「近年」も、「ここ20年、30年、さらにはそれ以上」という気がしてならない。
良いさ。「日本学術会議に、未だに存在意義がある」と言うならば、先ずその「存在意義」とやらを、示して貰おうではないか。「示されない」ならば、「学術会議会員候補の任命拒否」どころか、「学術会議の解散」だって、あって当然/無ければ不自然/「今まで無かった」のは「凄まじいばかりの既得権益」であろう。
さてその上で、朝日新聞にも日本学術会議に、お尋ねしようではないか。【Q1】「“学問の自由の侵害”ってのは、どうなったんだぁ?」
「忘れた」とは言わせないぞ。本「学術会議問題」が問題化された当初、朝日新聞はその社説で、当の日本学術会議もコメントで、「政府の任命拒否は、学問の自由の侵害だ」と明言/明記して、日本政府を批判していたんだ。繰り返すが、「忘れた」とは言わせないぞ。
「学問の自由の侵害」と言うのは、「結構な大事(おおごと)」だ。であるというのに上掲朝日社説は、「学問の自由の侵害」と言う「日本政府が犯した(とされる)大罪」に全く触れることなく、「政府の任命拒否撤回」=「学術会議問題の解消」を求めている。「政府の任命拒否撤回」さえ勝ち取れば、「学問の自由は守られた」と言うことかも知れないが、「政府の犯した大罪」に全く触れていないと言うのは、実に不自然である。左様に「不自然」なのは、何故か?
或いは、こう問い直しても良いだろう。【Q1A】「政府による学術会議会員候補任命拒否は、“学問の自由の侵害”と、今でも考え、主張するのか?するのならば、その理由/根拠は、何か?」
以前の朝日社説には、「学者が萎縮すると、学問の自由が危うい」って屁理屈があったが、左様な事を認めるならば「学者、少なくとも日本学術会議に対する否定的評価は、“学問の自由が危うい”から、禁じられてしまう」事になり、少なくとも日本学術会議はある種の「聖域化」されざるを得ないのだが、その点も踏まえて是非お尋ねしたいね。
それと、もう一つ。これも、朝日新聞と日本学術会議、両者への質問だ。上掲朝日社説【パラグラフ5】には、
2> 時の政権に左右されることなく、中立の立場で科学的・客観的な提言するために欠かせないもので、その堅持を訴えたのは当然だ。
とあり、あたかも「日本学術会議は、中立の立場で科学的・客観的な提言する(ないし“してきた”)」かの如く書かれているだが、【Q2】「日本学術会議は戦後三度にわたって『軍事研究を禁じる宣言」を出し続けているのだが、かかる宣言は”中立の立場での科学的・客観的な提言”だと、考えて居るのか?Yes or No?」
更には、学術会議自ら政府を「学問の自由の侵害」と批判している以上、日本学術会議は(ごく当たり前の事ながら、)「学問の自由を尊重している」筈なのだが、【Q3】「日本学術会議が戦後三度にわたって出した『軍事研究を禁じる宣言』は、『軍事研究を行う自由を侵害している』とは考えないのか?考えないとしたら、その理由・根拠は、何か?」
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学術会議問題シリーズ
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