あれだけ騒いで、「無かったことにしろ」とはね。ー【朝日社説】学術会議問題 6人を任命し出直せ
「丸い卵も切り様で四角。モノも言い様で角が立つ。」ってぇぐらいだ。下掲朝日新聞社説にしても、見方、読み方、読め方は、「千差万別」とは言わぬまでも、人それぞれではあるだろう。と、理解し、覚悟すべきだろう。
だが、と言うべきか、だから、と言うべきか、私(ZERO)の見る処/読む処では、下掲朝日社説が「朝日の負け犬の遠吠え」と読めて、仕方が無いのである。
【朝日社説】学術会議問題 6人を任命し出直せ
2020年11月7日 5時00分
政権の意に沿わない数人を見せしめのように排除することで、科学者の世界に影響力を及ぼそうとしたのではないか(*1)。この重大な疑念が解消されることは一向になかった。
菅首相が出席する衆参の予算委員会が4日間の日程を終えた。最大の焦点となったのが、日本学術会議の人事だ(*2)。
首相はなぜ、会員候補105人のうち6人の任命を拒んだのか。腑(ふ)に落ちる説明は最後まで聞けなかった。むしろ、言葉を重ねるごとに、矛盾や新たな疑問が生じた。本当の狙いを隠したまま、後付けで理屈を積み上げているためではないか(*3)。
当初は「総合的・俯瞰(ふかん)的活動」、その後、年齢や大学などの「多様性」の確保を理由にあげた。しかし、この6人の排除が多様性に逆行すると指摘されると、「今回の判断に直結はしていない」と言い訳を始めた(*4)。
ついには「国民・国会に責任が負えない場合」という新たな判断基準を持ち出したが、学術会議側が優れた研究や業績を認めて推薦した6人を任命することが、そんな場合に当てはまるとは到底考えられない。
6人の中には、菅政権の今も政府の会議の委員を務めている人がいる。公的な役割を、片やお願いし、片や拒む。支離滅裂と批判されても当然だ(*5)。
政府はこれまで、学術会議の独立性を尊重し、首相の任命は形式的なものであって、学術会議の推薦をそのまま受け入れると、国会などで説明してきた(*6)。
これに対し首相は、推薦通りに必ず任命しなければならないわけではなく、それは「内閣法制局の了解を得た、政府の一貫した考え方」だと強調した。しかし、この解釈を記した文書がつくられたのは、わずか2年前のことだ(*7)。会員選考が選挙から推薦制に変わった83年当時から続くものだと主張するが、それを裏付ける、以前の記録を政府は示せずにいる。
しかも、2年前の文書は、当時学術会議会長だった山極寿一・京都大前総長には示されなかった。政府は口頭で報告したというが、当の山極氏は「覚えはない」という。政府がこっそりと、法解釈を事実上変更したと見られても仕方あるまい。
首相は今回、「推薦前の調整」が働かなかったとも言い出した。学術会議の独立性に対する介入の意図を認めたも同然の看過できない発言だ。
こんな説明をいくら繰り返されても、説得力はない。学術会議のあり方について、今後議論したいというなら、信頼関係を壊したまま進めることもできまい。まずは首相が潔く過ちを認め、6人の任命を認めるところから再出発するしかない。
- <注記>
- (*1) 逆に問おうでは無いか。今般学術会議会員と任命された99人の内、「政府の意に沿う」学者は、一体何人居たのかね?
- 学術会議自体が「軍事利用を目的とした科学研究は絶対に行わない」声明を3回も出して「政府の意に反して」来ている。誰を何人任命拒否しようとも、左様な「疑念」は生じるだろうさ。
- (*2) そりゃ余程平和で暇か、如何に野党が無能かって事だな。武漢肺炎禍下にあり、中国は連日我が領海を侵犯し続けている現状を「平和で暇」と野党が認識しているならば、それは正しく「野党の無能」を立証しているから、どっちに転んでも「野党の無能」は、免れそうに無いな。
- (*3) そりゃ「学問の自由の侵害」とも「違法」とも言えなくなって、「首相の国会答弁の矛盾/破綻」と言い出した、野党とアカ新聞の方では無いのかね。
- (*4) どれも「学問の自由の侵害」とも「違法」とも関係ないぞ。
- (*5) 学術会議への任命拒否は、公職追放では無かろう。それとも、公職追放すべき、って主張かね?
- (*6) そりゃ40年前の国会答弁で、その間に学術会議会員選定する法律が変わったろうが。
- (*7) 40年前の国会答弁より、14年前の法改正の方が、新しく、オーバーライドするのが普通だろう。国会答弁と、法律の修正だって、違うじゃぁないか。
あれだけ騒いでおいて、「無かったことにしろ」とは、余程不都合なのだろう。
特に注目したいのは、上掲朝日社説に「学問の自由侵害」というキーワードが一回も登場しないこと。辛うじて冒頭パラグラフに
1> 政権の意に沿わない数人を見せしめのように排除することで、科学者の世界に影響力を及ぼそうとしたのではないか。
2> この重大な懸念が解消されることは一向になかった。
として、「科学者の世界に影響力を及ぼそうとした」と言う「重大な懸念」が登場する、のみである。10月3日の朝日社説は「学術会議人事 学問の自由 脅かす暴挙」と断定断言したおどろおどろしいタイトルであり、
3> 法の趣旨をねじ曲げ、人事権を恣意(しい)的に行使することによって
4> 独立・中立性を求められる組織を自由に操ろうとする。
5> 安倍前政権と同じことを、管政権もしようというのか。
とその社説冒頭で主張している。上記5>の文末を「管政権もしようというのか。」とすることで、「辛うじて断定断言は免れている」様だが、社説タイトル並びに安倍前政権については、完全に断定断言していて、「懸念」ですらない。
それに対し上掲の新しい朝日社説は、読みようによっては「学術会議の在り方見直しには応じるから、任命拒否された6人は任命して下さい。」である。「6人を任命し直せ」などと偉そうな命令形のタイトルではあるが、10月3日社説タイトルで「学問の自由 脅かす暴挙」とされていたのが、上記2>の通り「解消されない重大な懸念」にまで後退・縮小・矮小化され、「違法性」とやらは上掲朝日社説の後の方で「当時の学術会議会長に説明されていない(と、会長本人が主張する)法解釈の変更」にまで衰退し、以前の東京社説にあったような「法解釈変更は違法だ!」って断定すらない。
6> 政府がこっそりと、法解釈を事実上変更したと見られてもしかたがあるまい。
と言う、実に姑息でみみっちくも滑稽な「批判」になっている。笑っちまうな。「こっそりと」だろうが「堂々と」だろうが、政府が「法解釈を事実上変更した」って、少なくともそれだけで、何らかの問題になろうか?
未だ「健在」なのは、「管首相国会答弁の矛盾・破綻」であるが、如何に国会答弁が矛盾し破綻しようが、それは違法ではないし、「学問の自由の侵害」でもない。諄いようだが繰り返すが、朝日新聞はその社説タイトルで、「学問の自由 脅かす暴挙」と、断定断言したのだぞ。
更に言えば、先行記事で触れた「任命拒否された6人が、スパイである。」とする仮説は、「管首相国会答弁の”矛盾・破綻”」を、かなり上手く説明できる。無論、「管首相国会答弁の”矛盾・破綻”」とやらが、かなり怪しいトンチンカンであることも、先行記事「「違法だぁ!」とすら、言えなくなったらしい。」にした通りだ。
こうして見ると、本「学術会議“問題”」であらためて露呈した、アカ新聞ども、特にその社説の劣化というか、愚劣化には、凄まじいモノがあるな。
ま、モリカケ桜ばかり追いかけて、「事足れり」として来たのだから、そりゃそうなるのも、必然であろうな。
- 学術会議問題シリーズ
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- 7.あれだけ騒いで、「無かったことにしろ」とね。ー【朝日社説】学術会議問題 6人を任命し出直せ 【本記事】