注文を取るために接待をするのは、昔からある風習だが
果たして本当に接待は必要なのか。
バブル期は本当に多かったと聞く。
しかも中小企業での1回の接待が何十万円なんてのはザラだったとか。
もちろん、百万単位という接待もあった。
種類は酒、ゴルフ、ピンク(性風俗)など。
おまけに公共交通機関がまだ動いている時間にも関わらず、
車代と称して1万円ものタクシー代まで渡していた時代がある。
1メーターの距離でもだ。
残念ながら、私はそんな恩恵には縁がなかった・・・
バブルがはじけて以降、そんな話は全くと言うほど聞かなくなったが、
未だ、1回の金額が大幅に下がったとはいえ、接待というのは
ごく普通に行われているのが現実だ。
さて、この接待。現在ではもちろん会社によっても違うだろうが、
「○万円まで」という接待費の上限があるのが普通らしい。
場合によっては役職によっても上限額が設定されている。
私は、過去に接待費という名目の領収書はもらったことがない。
つまり自腹だった。
と言うのも、前回の飲み会のブログで登場した、部長から
「課長職以上でないと接待費は出ないから」と、入社時に言われ
それを守っていたからだ。
当然、自腹で何万円も払いたくないので、お客さんとは
お酒を飲みに行くということはせず、せいぜい、お昼をご一緒するか、
喫茶店でコーヒーだった。
そんなこんなで6年も経ったある日、T課長に居酒屋へ連行され
こんなことを言われた。
T課長 「おまえさ~ 仕事してる?」
私 「は?」
T課長 「いや、経理から聞いたんだけど、接待費の領収書が
一度も出てないって言うんだわ。」
私 「は?」
T課長 「おまえだけ出てないからほんとに仕事してんのかなって
話してたんだわ」
私 「あの~言ってる意味がよくわからんのですが?@@」
接待してない=仕事していないことになるのがもはや意味不明w
私 「入社時に部長に課長職以上でないと接待費は出ないと
聞いてますが・・・」
T部長 「いや そんなルールは・・・ない・・・」
私 「なんですと~」
翌日、部長に聞いたら
部長 「オレそんなこと言ったっけ?@@」
大ゲンカである。
さて、私のいた会社では発注を取ったら何千万なんてことは
まずない。
せいぜい、多くても100万、200万ってレベルである。
そんな程度の受注を取るのに何万も接待費に使う。
大抵の場合、接待に居酒屋はない。
洋酒を出して、おねーちゃんがいるお店である。
やはり2人で最低3万円はみとかなければならない。
100万の受注を取るとしても、競合相手がいるから2~3割は
引かざるを得ない。3割引いたら最低粗利しかない。
その上、接待をしていたら接待しただけの金額が
上乗せされて利益が減るということを接待した人は気にしない。
気にしないというより頭の中にない。
つまり、定価ベース100万円であれば、
3割引いたとして、売値で70万。
3万円の接待を2回したら6万円そこから引かなければならない。
つまり実質64万円の売値だ。
実は30%offではなく36%も値引きしたことになる。
3割引いたら最低粗利ってことはわかっているのに
接待費を計算していないから最低粗利を割っているという
事になるのである。
よく、「経営者の立場になって考えろ」と言われるが、
基本そこまで考えてないからこんなことになる。
ある社員が4割も引いて尚且つ、合計10万以上も経費を使い
「どこどこから注文が取れた」と自慢していたヤツがいるが、
まったくのマヌケである。
毎年、注文を取らないといけないのである。うまみを知った相手が
初年度の接待だけで毎年、毎年発注をくれるわけがない。
こんな若手社員もいた。「経費って会社にも戻ってくるんでしょ?」
お上はそんなに甘くないのである。
もちろん、接待をしたからって発注がもらえる補償なんか
どこにもない。言うなれば、発注ももらってないのに
値引きしたことになる。
それならば、接待なんて必要だろうか?
本人たちが楽しめればそれでいいのか?
大きな発注をもらってから感謝の意味も込めて
どこか飲みに行きましょうならまだわかる。
ただし、利益があっての話しだ。
発注をもらう前段階での接待は、全く必要のないものだと私は思う。
その分、値引きした方がよっぽどいいのではないだろうか。