選ばなかった不都合 |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
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 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

昨日の記事に関して、水城さんから以下のようなご質問を頂きました。

ちょっと長くなるし、ちょうど記事ネタを考えていたところだったので(笑)、これにお答えさせて頂いちゃおうかな~と思います。


占星術の知識がまだ無い頃に、お見合いをして結局こちらからお断りした事があります。
後からトランジットやお互いの出生図を見てみると、この時に話が進んで結婚までいった可能性もあったように思いました。

嫌だと思う未来を拒否するという事は、後々余波…といいますか、運命的に不都合となったりもするのでしょうか?


ここで話題になっている結婚に関する問題に絞れば、基本的に不都合はない、と思います。
が、何を不都合というかによっても話の内容は違ってきますし、拒否した未来の中身によっては話は違ってきます。

最近はご自分で占星術を勉強されている方が結構いらっしゃって、鑑定をさせて頂いても用語を理解されている方が多いのに驚かされます。

水城さんと同じように、日常の中でいろいろとご自分のことを見られている方はたくさんいらっしゃることでしょう。

上記のようなご質問の場合、いくつかのことを考えねばなりません。



一つは以前にも<トランジット信仰はほどほどに>という記事を書いたことと関連性があります。
トランジット天体はたしかにその人に何がしかの影響を与えるというか、その人の何がしかを表現しているというか、そういう側面はあります。

たとえばトランジットの木星が適齢期に7ハウスなどに入れば、それだけで結婚をもたらす場合もあります。
そういう意味では決して無意味じゃないんですよね。

ただ、トランジット木星が7ハウスに入るというのは、11年~12年に一度はあるわけで、このタイミングで結婚できるのなら、だいたい30代半ばには(結婚したい人は)、皆されているはずです。

実際にはこのような条件が整っていても、他に重大な問題を抱えているチャート状況であれば、結婚しないほうが正解ビックリマークということだって、ざらにあるのです。

そういう意味で、トランジットのことだけでその人の運勢を語るのは、とてもとても危険なのです。

トランジット木星7ハウスなんていうのは、数あるファクターの一つでしかないということ。

あ、これ、たとえば出生太陽に木星が重なるとか、同じ星座に入るとか、そんなことを考慮されていても、まったく同様ですから。

つまり水城さんの言われているようなことが上記のような事であったとしても、それで必ずしも結婚は起きないわけです。
その場合、「嫌だと思う未来を拒否することで、後々、運命的に不都合なことが起きる」ということなど考慮にも値しないわけです。


しかし、こういう割と上っ面だけの情報ではなく、根本的に

ここで結婚しないのはおかしいだろうはてなマーク

というようなチャート状況をスルーされている方はいます。

これはいろいろと原因があるのですが、多いのは家庭環境などから、結婚生活に夢を抱けなくなったり、むしろ否定的な感情を抱いている場合、それもすごく強い場合です。

このケースでは、その根本の情報をクリーニングする必要があります。
そこを浄化すれば、本当は結婚したいのであれば、そちらへ動きやすくなります。

またほかにもご自分の頭の中に、結婚という選択肢がまったく存在しないという方もいて、当然ですが、こういう場合にはスルーすることがあります(逆に、選択肢がなくても、強い運勢に導かれ相手が出現し、なぜか結婚してしまったというケースも多い)。

かならずしもネガティブな要因でない場合もあります。

たとえば過去世(複数の前世)を幾度も修道院のようなところで神に仕えてきた女性がいたとすれば、その人は肉の身を持つ男性との接触の下地がほとんどないというケースもあり、そうなると「当たり前の人生ビギナー」だったりします。
そのような場合、結婚という未来自体、その人の無意識の中でまったくないかもしれません。

まあ、まったく結婚したくないとか考えにない場合は良いのです。

問題は結婚はしたいのに、その運勢がある時に、相手が嫌だとかその気になれなかったとか、何らかの要因でスルーした場合ですよね。

ただ、結婚運の上昇はあってもほかにマイナス要因のアスペクトがチャート上あれば、その時にしないことも賢明な選択になることがあります。

その時の相手が良くない人であった可能性もあるからです。

ここで問題にしたいのは、すごくいい条件の時があったのに、スルーするケースです。


その場でも、じつは最初に申し上げたように運勢的に何か不都合なことがあるわけではありません

そのようなことがあっても、人の人生というのはだいたいフォローがあるものです。

でも、現実的にご自分が不都合を感じることはあります。


これ、現代ではやや増えてきているかなという印象を持ちます。

というのは、女性が社会で活躍する機会は、50年前よりも格段に増えています。

自分なりに仕事での充実や達成を得たいというのは、人として当たり前のこと。

これは私はとてもいいことだと思っていますし、女性がもっと社会の中で活躍してもあったほうが、社会全体が健全になると思います。

これ、どういうことかというと、根深い話としては、社会の問題なんですよね。

本来は人間も動物なので、結婚や出産に関してある程度自然な年齢域というのがある。

これは当たり前の話なのですが、そういう年齢で結婚して出産したりすれば、女性が社会復帰しにくいとか、キャリアが継続しにくいとか、そんな現実がある。

ここがもっと寛容になれば、結婚を後回しにする風潮も和らぐように思います(少なくとも結婚したい人に関しての話)。

しかし、今はそういう社会の寛容さがないため、頑張ってお仕事をされ、そろそろ結婚を考えられる時に、スムースに良い伴侶を見つけられたらよいのですが、そうでもない場合もあるのです。

たとえば20代にはあった婚期が、30代にはあまり良いものがない、というチャート状況だと、その時になかなかお相手が現れないということもあるのです。

もし運勢的な不都合が生じるとしたら、こういうケースに限られてきます。

しかし、過去の良い時期をスルーしたからその反作用的にまずいことが起きるというのとは、ニュアンスが違います。
水城さんのご質問は、そういうことだと理解しております。

結婚を後回しにすることも、その人の選択ですし、どのような選択であれ、プラスとマイナスの側面は付きまといます。
これ、結婚に限った話じゃないと思います。

誰であれ、現実との中で、判断と選択を繰り返しています。

人や仕事や、生き方や。

何を選ぶのもその人の自由。

でも、選ばなかった何かの不都合は人それぞれ背負えばよい。

そう思うゼファーです。


※ 明日、これに関連した記事をもう一つ書きます。拒否した未来の中身によっては、というのは、この部分です。





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