トラインは環状線のトレイン |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

<アスペクト論・序章>
<コンジャンクションは星々のセックス>
<オポジションはもう一人の自分(あなた)>
<スクエアは合わないし、似ているけど嫌い>
<太陽と月 その認識>
の続編です。


さて、今日はトライン=120度について述べたいと思います。

トラインは昔からとくに幸運度の高いアスペクトを言われており、場合によっては「タナボタ式」の幸運というような解釈をすることもあります。
意味合いとしては、「成功」や「安定」「調和」といった意味合いが強いアスペクトです。

以前、太陽と月のトラインの時期を取り上げた記事やサービス鑑定を行ったことがありますが、とくにホロスコープ上でこの二つの天体が、セクスタイル(60度)、トラインを結ぶときは幸運の導きが強く実感されることが多いようです。
合もこの範疇に入れて良いのですが、チャートの全体像から読まないといけません。

合は一つの星座の強調につながりますから、それがよい方向へ働くか、そうでないか、判定する必要があります。
が、一般的にはそんなに悪い作用をするとは考えられません(女性の場合は体調を崩すことが多いという報告もある)。

アスペクトの背景には星座があります。
この考え方は、トラインなどソフトアスペクトに関しても同じです。

そうして考えたとき、トラインは120度ですから、基本的に同じエレメントで起きることが分かります。
たとえば牡羊座10度の太陽に対して、獅子座10度の火星。
これは正確な120度です。
同じ火のエレメントですから、親和性が強いのは当然です。

つまりトラインの本質は、エレメントの同一性にあることが分かります。

同じ質のもので、機能的に違うものがつながることによって、その作用が相乗効果的に増すこと。
新しい創造が行いやすくなること。

これがトラインの本質です。

したがって、その人の本質であるところの太陽と同じエレメントで、特定天体がトラインを作ることがもっともその人の創造性を助勢することになります。
これはきわめて当然の論理的な帰結です。

視覚的には(見た目上)太陽と同列に近い月がトラインを結べば、それは当然、大きな意味を持ちます。

また以下のようなことも、想像できます。
その人の出生チャートの太陽に対して、進行の月がトラインを結べば、それはその人の今回の人生に対しての助勢となる。
ところが、進行の太陽はその人の刻々と変化する人生の運行、カルマ(=行為)の総体ですから、その進行太陽が出生の月に対するアスペクトは、どちらかといえば来世的な助勢にも関わっているのではないか? という想像です。

このへんは、あくまでも私の、超私見です。
あまり当てにしないように。

それを念頭に置いてもらって。

でも、進行太陽は先へ進む人生そのものです。ですから、先へ向かうほどに、当然、来世に近づきます。

つまり進行太陽が作るアスペクトは、今回の人生におけるカルマに関わっていて、次(来世)につながるもので、そのときに自分が何を行うか、考えるか、何を得るか、などは次の人生に関して非常に重要な意味合いを持っていて当然ではないでしょうか?

もしかすると、こんなことを言っているのは私一人かも知れないのですが(浅学にて、知らぬことも多いと思いますが)。


やや脱線しました。
トラインは幸運、吉座相の代表選手ですから、じつはあまり逆に取りざたにされないのですが、実際には大きな意味を持っています。
その意味を掘り下げてみようというのが今日の記事。


トラインがなぜ良いアスペクトなのか?

これについても、よく考えてみましょう。
同じエレメントだから、というのは安直です。

たとえば牡羊座10度、獅子座10度で生じるトライン。
これは同じ火のエレメントですが、クオリティはどうか?

牡羊座はカーディナル(活動宮)で、獅子座はフィックスド(不動宮)です。

カーディナル(創造)→フィックスド(維持)→ミュータブル(破壊)というサイクルがあることは、このシリーズ記事でも前述しました。
通常、この移動は牡羊座を起点とした場合、エレメント的には
牡羊座(創造)・火→牡牛座(維持)・地→双子座(破壊)・風→蟹座(創造)・水……
という、相性的には親和性のないもの同士で受け継がれて行きます。

この通常ルートでは、その変移にはぎくしゃくとした軋轢が生じます。

ところが、ワープするようにこの間をすっぽり抜かして、

牡羊座(創造)・火→獅子座(維持)・火→射手座(破壊)・火

というサイクルにすり替えてしまうと、エレメントが同じであるため、創造・維持・破壊のプロセスもスムースに受け渡しが行われることになります。

これこそが、トラインの幸運たるゆえんです。

ただしビックリマーク

トラインにはここに落とし穴があります。
同質のエレメントで、創造・維持・破壊が繰り返されたら、苦痛もないかわり、同じところでぐるぐるぐるぐる回り続けることになります。
環状線のトレイン(列車)のように。

これがグランド・トラインの落とし穴です。
グランド・トラインは120度のトラインが三つ組み合わされることで、正三角形のような複合アスペクトが生じることですが、やはり同じエレメントで生じることを重視します。

同じエレメントでこれが起きれば、その人はある意味、他の場所へ動けない「拘束」を受けることになります。
これが私が過去の記事の中で述べている、グランド・トラインの宿命的な側面、拘束的な側面の中身です。

出生チャートの中で、グランド・トラインに対して、それを乱すハードアスペクトを生じている人もいます。
これを「良くない」と解読するセオリーもありますが、こうした大局的な観点に立てば、その人の型にはまった運命を、どこかで崩してより大きな視野や世界に広がる可能性も示しているのだと解読することも可能になります。

こういったことに、従来の占星術はあまり解答していません。
分かっていて、意図的にしていないのか、それとも、なのですが。

私はここでとくに革新的なことを述べているつもりはなく、伝統的な法則に従えば、当然こう考えられるであろうということを述べているに過ぎません。
ここらあたりについて、深く掘り下げた解説書にはお目にかかっていないのですが、それこそ私の浅学かも知れません(海外ではあるのかも)。

いずれにせよ、トラインはその人の人生における良き導きのシグナルと言えそうです。

誰もが、どのシーンでも、その恩恵が受けられるはず。

それは今回の人生を充実させてくれ、本来の目的を補強してくれるものといえそうです。


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