変革の力、バラク・オバマ氏 |  ZEPHYR

 ZEPHYR

ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

バラク・フセイン・オバマ(Barak Hussein Obama Jr.)。
彼の名が、第44代アメリカ合衆国大統領として刻まれる日も遠くないでしょう。

ホロスコープ・チャートを解読していくと、そのように思えます。
まず<2008年後半期の占星術予測 part.4>で述べたように、今現在空を巡っている星の状態から、そのように思えます。そして今回、私はオバマ氏本人の出生チャートも調べてみました。

オバマ氏は、1961年8月4日の生まれです。
出生時間は不明なので、多少、正確さを欠いた鑑定になりますが、私は午前9時から午後4時くらいの間に彼は生まれたのではないかと推定します(現地時間です)。この場合、彼のホロスコープには現在、太陽、月、木星による大調和の複合アスペクト、グランドトリンが形成されます。
およそ考えられるかぎり、最強といって良い幸運の調和座相で、この下では生涯かけた仕事や運命的な伴侶、思いがけない幸運が約束されます。つまりアメリカ大統領になることは、どうも彼の天命なのではないかというほどのものが見受けられるのです。
もしこの時間を外していても、彼のチャートに太陽、木星の幸運角が形成されていることは間違いなく、これだけでも大統領頭角といえます。対抗のマケイン候補のチャートまでは調べておりませんが、これで8割がたはオバマ氏の大統領決定、と言っても差し支えなさそうです。
四柱推命で調べても、彼の出生運気は強く、リーダーたるにふさわしい風格があります。

しかし、現在、そしてここ数年の彼の未来を追ってみると、いいことばかりではありません。
単純に申し上げて、二つの問題が彼を苦しめるだろうと思われます。
一つは火星、土星のハードアスペクトです。
積極性と攻撃性の火星と、それを押さえ込もうとする土星。この際どい対立は、暗闘とストレスを暗示しているように思われます。表面化しない領域での戦い(政治世界での)や駆け引き、そこから来る激しい精神的な苦痛や疲労が読み取れます。
火星には水星が重なっていて、ハードさには厳しい論争や言葉による攻撃といったことが加味されます。
政治問題以外に、やはり人種差別や人種憎悪の対象とされてしまうといったことが読み取れます。

また今後しばらくの世界情勢を左右するのが、土星になっていくことを考えると、彼のホロスコープにもある土星の凶角は、おそらく経済的問題だと読み取れます。
米国が陥るかも知れない深刻な経済危機に対応していくことに、多大なエネルギーを傾けることになるのでしょう。
これが彼のチャート上では、2013年頃まで続くことを見ると、もしかするとアメリカの経済回復にはその程度の長い期間がかかるのかも知れません。

もう一つ、特徴的なことは、金星と天王星の合が見られることです。
国家レベルで見たときには、これは金融や財政に関するトラブルのアスペクトと読むのが一般的でしょう。このアクシデントが、他に金星が凶角を結んでいる木星などとの関係で、「ざるのような収支」を呼び起こしてしまう危険があります。
今アメリカは公的資金を注入して、金融機関を救済し、市場を安定化させようとしていますが、その財源は今ひとつ明確ではありません。さらに米国の財政を悪化させる原因ともなりかねませんが、かといって救済措置を取らなければ立て直すことも難しい。
なんとも厳しい状況です。
この金星と天王星のハードアスペクトは、2011年頃まで持続しますから、ドル体制の金融市場の安定化には、そこまでかかるのかも知れません。
この点については、マンディーンによるチャート解読を照合させなければ、最終的な結論にはなりませんが。

しかし、これらの星はオバマ氏個人の身の上に起きる可能性もあります。
私がもっとも憂慮するのは、奥さんや子供さんたちの身に何事か起きはしないか、ということです。
天王星はもっとも「別離」を引き起こしやすい星です。
ここ1~2年の星の動きを見ると、オバマ氏本人は幸運の守護があり、たとえば暗殺の動きが出てきても、守られる、未然に防がれる、あるいは九死に一生を得るといった展開になりやすいように思えます。
しかし、奥さんや子供たちはどうなのでしょうか?

どうもそこのところが気になります。
もし彼が大統領になったとしたら、私は彼と彼の家族が守られるように祈りたいと思います。

彼の太陽のサビアンシンボルは今、「力をつかまえた禿頭の男」です。これは伝統の中での、強制的な変革をもたらす力に関するシンボルです。
彼はアメリカ政治に変革をもたらす存在として登場してきた。
それは間違いないようです。