バレーボール世界選手権
日本のバレーボールが弱くなってからどのくらい経つんだろう。おいらが高校生の頃は少なくとも女子はまだ世界大会で優勝争いをしていたのだが、あの頃からもう凋落は始まっていたんだろうな。一度は男女共に頂点を極めたバレーボールなのにどうしてこうなったのか。今やってる世界選手権をテレビで観戦していて感じるのはまず日本チームのスピードが遅いことだ。サーブレシーブ後のファーストアタックで、のんびりとオープン攻撃しているチームって強豪国にはない。つまり戦術面で10年遅れていると言っていいだろう。身長、ジャンプ力に優るイタリアが3人のアタッカーでタイミングを外して来るんだから、日本が4本しかブロックで止められないのも当然だ。確かに日本には高さがないが、セルビア・モンテネグロ戦でセッターの竹下が決めたように、ブロックはタイミングさえ合えば決められるのである。つまりバレーボールに於いて、最も有効な攻撃であるブロックはコースとタイミングさえ合えば高さは関係ない。逆に考えると、センター攻撃とかクイックとかバックアタックとか相手のマークを外す攻撃をしなければ勝てないのに、オープン攻撃ばかりじゃ結果は見えている。オープン攻撃だけで世界に立ち向かっていっているにしてはむしろ大健闘なのだが、健闘してしまうがために方向転換が出来なくなっているように思える。もっと世界レベルの戦術を研究することがまず必要だ。
じゃあ世界レベルのバレーってどんなもんだろう?と思っても、残念ながらテレビで観戦することは出来ない。それどころかどこでなにやってるかさえよくわからない。日本で開催しているのに!である。見たい人はみな自分で日程を調べて会場に足を運ぶからどの試合もチケットが手に入らない。っていうんならそれでもいいんだろうが、ニュース映像を見る限り会場はガラガラである。世界トップのプレーを見る機会がないからそういうバレーをしたら良いか、選手としてのイメージが湧かないのだ。高校生・中学生たちが見ることができるのは社会人リーグ。せっかく世界トップが集合しているのになんともったいないことか。バレーボール協会には能無ししかいないんだろう。トップのレベルを感じさせることにより、選手たちのモチベーションもアップする。それは観客だって同じことだ。テレビ局もせっかくの優良コンテンツを手にしていながらなんともったいないことか。世界ランク1位対2位の対戦ですらテレビ中継がないのだ。世界ランク1位と2位がどの国なのか調べようと思っても、スポーツ新聞のWebサイトには、各組の星取表ものっていないし出場国すらはっきりとわからない。
だめだよこれじゃあ。
他の国の情報がないから試合会場にも足を運ぶ気にならないわけで、ブラジルにどんなキャラクターがいるのか、イタリアがどんなに凄いのか、PRしなくちゃ。まるで他の国との比較によって露になる日本のダメさ加減を隠そうとしているみたいだ。
サッカーがなぜ急激に世界へと旅立つことが出来たか?それは三菱ダイヤモンドサッカーが我慢強く世界のサッカーを紹介していたからに他ならない。トヨタカップが世界の凄さを肌で感じさせてくれた。自分たちの目指すレベルがどのようなものなのかを、選手たちはテレビで確認することが出来た。知らぬ間に底辺のレベルアップが進んでいたのだ。一方でバレーボールではそういうチャンスはまったくない。早いところ日本バレーはすでに三流国であることを認め、世界に学ぶ姿勢を取らないと将来はない。テレビ局だって本気でバックアップをするべきだ。日本バレーが強くなることと同時に世界のバレーを世間に認知させることにより優良コンテンツが倍以上に増えるんだから一石二鳥だ。よ~く考えるべきだろう。