zappaはzappingがお好き -4ページ目

夏の思い出

暑いなー夏だもんなーと、うだっていたら、
急に匂いの思い出がよみがえってきた。


子供の頃、夏休みは父の実家に帰省、が毎年のイベントだった。

新幹線がなかった昔は、ほぼ一日かけて岩手まで帰った。

冷凍みかんや駅弁屋が売りに来る小さな持ち手つきのお茶が楽しみで、
一口サイズのフタにお茶を入れて、姉と交代で飲んだ。

朝早く家を出て、田舎の小さな駅に着くころは夕方近く。
叔父がスクーターで迎えに来ていて、
父の大きなボストンバッグを荷台にくくりつけてスクーターで先に走っていき、
私たちは一年ぶりの田舎の道をてくてく歩いた。

父がいつか死ぬ実感のかけらもなかった幸せな小さなわたし。

一週間くらいして戻った自宅は、
雨戸は閉め切って暗く、部屋の中はムッとした匂いがした。

あの匂いこそが、夏の思い出だ。

従兄弟たちと別れて帰って来たつまらなさと、
家に帰った安心感。
湿ったあの匂い。

あのころ、父は働き盛りで元気だった。

今年の夏は、父も自由に故郷の山を歩けるだろう。
一足先に逝った叔父も、またランニング姿でスクーターにまたがっているんだろうか。

わたしは雨戸もなく湿った匂いもしない都会のマンションで頑張るよ。

もうすぐ新盆。
ナスとキュウリのお馬をつくらなきゃね。


ロックな四十九日

昨日、ロックの日が父のリアル四十九日でした。

法要はその前に済ませました。

亡くなる随分前から、お墓を用意していた子供思いの父。

自分の入るお墓を満足そうに見て「いいだろう」と言った笑顔が思い出されます。


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咲南も小さなおててを合わせてくれたよ。



往生際の悪いわたしは父のお骨を小さな骨壷に分けてもらい、連れて帰ってきました。


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いまね、こんな可愛いプチ骨壷があるんですよ。

高さ8センチくらいかな。

いつか父が帰りたかった故郷、岩手の山に撒いてあげたいとおもいます。


メッセくれた方々、見守ってくれた方々、ありがとうございます。

これからまた明るくアホな元木に戻ります!^_^


生きている者は、

生きていく責任がある。


お母さんを守るからね、お父さん。


今日は(今日も)飲む!




20170404その時

20170404記

父が施設でターミナルケアに突入。

個室に移り、24時間出入り自由、家族が泊まることもできる状態まできた。

その時は必ずくる。
その時、側にいられないかもしれない。
その時のために準備することもたくさん。

その時が来たとき、自分がどうなるかわからない。
でも、その時が間近だぞと知らせてくれている父に、感謝しかない。

お父さん子だった私に覚悟をする時間をくれているんだね。

バスターミナルって打ったらターミナルケアって変換出て可笑しいやら泣けるやらちくしょー。

穏やかな顔になってきた父。
人生の最期を生きる父をしっかり見ていよう。

############
父が亡くなる前に下書きしてたブログはこれで最後。
いつか忘れてしまいそうなことを残したかったんだろうな、自分。
ほんとに「その時」は側にいてあげられなかったね。

今日は月命日。
つきめいにち、なんて意識する日がくるなんてね。

もう間も無く四十九日の法要。
仏になるなー父ー。
まだ側にいてほしいよー。


20170324笑顔認証

2017/03/24記

入院中の父に会いに行くとき、

面会には必須のマスクをはずし、
思いっきりの笑顔になる。

そうすると、父も
「知ってる。この人知ってる。笑ってる、、」と笑顔になり、
たまに、ほんとにたまに
「ひとみ」と名前を呼んでくれる。

検温したり
血圧や酸素濃度を計ったり
変な臭いの吸入器を口の近くに持って行ったり

父がイヤなことをするときも、
こちらが笑顔になると「笑ってるから大丈夫かも」と思ってくれるのか、
割と素直に言うことを聞いてくれる。


私は笑顔に自信がなかった。
というか、自然な笑顔というものがわからなかった。
仕事仲間にも「怒ってる?」とよく言われた。

でもいま、今まで生きてきてたぶん一番いい笑顔で父と話している。

父の瞳がわたしの笑顔を認証して、
心の扉を開けてくれる。

父には幼い頃のひとみが見えているのかな。
だったら良いな。



20170313 子供返り

父が死ぬと思ってなかった時に、
記録として残そうと下書きに入れていたブログ。
気持ちの浄化のために少しずつ上げよう。


20170313
肺炎で施設から病院に移って四日目。


今日も早出早上がりして、早めに父の病院へ。
顔色は少し良くなっていて、おしゃべりもできた。

でもご飯は置いておいただけでは食べないので、スプーンであーん。
熱いタオルで顔を拭こうか?と聞いたら「はーい」

元々ひょうきんでふざける性格の父ではあったけど。
まるで子供。

横になって眠りにつくとき、また手を握った。

昨日まで感じていた寂しさは消えていた。

この方法なら、父とたっぷり会えて、食事の世話や眠るところまでいられる。

帰り道、乗り換えたあとの田園都市線は人が少なく寒々しかったけど、

頼れる大きな存在の父を、
母親のような気持ちで世話をすることが嬉しかった。

明日も明後日も、会いに行くからね。
リハビリがんばろうね。
ご飯も頑張って食べようね。

娘より