zappaはzappingがお好き -3ページ目

何となく回想

音楽プロダクションのスタッフをしていた時、
アーティストたちと自然に、フランクに話をすることはあまりなかったように思う。

スタッフとして話す時のそれは仕事の話であり、意見を闘わせるのはライブやレコーディングなどの作品に対してだった。

ツアーに行って打ち上げをしても、役割は別々で、
メンバーは地方のメーカープロモーターや媒体の方との交流。
スタッフはライブスタッフとの反省会や、地方イベンターとの交流。

たまーに、プロダクションスタッフとアーティストで貸別荘的なところに行って、料理したり飲んだり、それぞれ「青春の一曲」とか選んできて流したり、騒いだりしたこともあったけど、
一番近いはずの事務所スタッフとアーティストには何となく半透明くらいの壁があったように記憶している。

まあそんな中でもより近い関係になることもあるわね。
「お母さん」立ち位置が、それだわね。
我ながらその資質があると思えるワタシも、当時はまだ「 お姉さん」で、止まっていたかったんだろうね。若いわー。


だから、解散したアーティストや何十年ぶりに会うアーティストと自然に会話する機会があると、
なーんか、嬉しい。

でもその人たちとまた仕事として関わると、やっぱりそこにはクリアファイルくらいの壁が、、

当たり前やん!

そうだけどね。

でも、いま思うのは、それでいいさってこと。

どんなに熱い想いがあるか、これはこんな気持ちで企画したんだとか、
そんなことは、言わなくてもいい。

スタッフに出来るのは、最大限のサポートをして結果を出すこと。
その結果が、全て。

だけどアーティスト諸氏、
スタッフは単純です。
心からの「ありがとう」のひとことだけで、
また頑張れるからね!

昨年から続いていたプロジェクトの終わりに、
それが聞けて、すべての疲れが吹っ飛んだ。
いい夜だった。

そしていつも関わっているボーイズ達も、
事あるごとに感謝を伝えてくれている。

ぼかぁー幸せだなー。



「ありがとう」

その言葉は、発する本人が思うよりもずっと、
受け取った人を幸せにする力がある。


注)本文の回想部分は約25年前の記憶。
うわー人生何回りするんだろ!

真面目か!

重い映像のダウンロード待ちで暇なのでブログでも書く。
暇つぶしのダラダラ書きなので読まなくていいです。

人生ハーフマラソン過ごしてきてもまだまだ人生の修行は続く。

仕事が忙しいとか、睡眠時間が足りないとか、
そんなのどうにかなる。
食生活が貧しいとか、なかなか痩せないとか、歳を取るのを止めたいとか、そんなのもなんとかなる。(また嘘をついた)

どうにもならないもんが、人の感情であり、人付き合いだ。

人付き合いには身内も含まれる。
いや、身内こそ厄介だ。距離感が思いっきり近いところから発生している関係だけに、歳を経たあとの距離感の取り方はなおさら難しい。

そして心を悩ませる、病めさせるのも、この人付き合い。

言いたいことを言って生きているように見えるワタシでも、悩みに眠れない夜もある。

そんな時、一生懸命、フラットに物事を捉えようと頑張ってみる。
いまの、お前の悩みは自分本位ではないか?
結局、自分の思い通りに行かないから悩んでるだけではないか?
お前の思う家族の幸せが、ほんとにその本人の幸せなのか?

でも、結局答えは出ない。
だったらもうテイクイットイージー。どうにかなるさ!
そう思うしかない。

そしてそんな時、ワタシはワタシ自身にツッコミをいれる。


「真面目か!」


真面目は悪いことではない。父も真面目な人だった。

でも、自分自身や回りを必要以上に深刻にさせる真面目さは、あまりよろしくないと思う。

難しい。
難しいよおとうさーん。

仏教的に言えば、現世の姿は修行中の仮の姿といったところかな?
キリスト教的に言えば、左の頬をぶたれたら右の頬を出せといったところかな?
関西風に言えば、左から話しかけられたら速攻で右から突っ込めといったところかな?


いや、話にはかならずオチをつけろというのが関西風。

オチはないし、ダウンロード終わったから終わりにする。

修行は終わらない。


続・幸せな仕事あらため恐怖の仕事

aloha!

 

ワイハにもハワイにもいない、品川区のモトキです。

 

いや〜昨日の台風すごかったね!

久しぶりに豪雨のなか運転して、

久しぶりにワイハじゃなくてワイパーがフルスピード稼働しました。

あれ、超目がチカチカするのよね。

 

さて。

 

前回、幸せな仕事について語り、好感度をあげようと目論んだモトキでしたが、

今回は真逆で、したくない仕事の話です。

 

CDやDVD、グッズでもなんでも、完成品が送られてきたとき。

まず、開封がファーストハードルね。

お化け屋敷で言うと、人形が「ワッ!」て出てくる、いわゆるしょっぱなね。

そこでまず、けっこうドキドキする。

ジャケットはちゃんと印刷されてるか?

デザインは正しく完成されているか?

 

でもまだこの時点ではワクワクの方が大きいので、

人形お化けも余裕でパンチ。

 

問題はその先。

 

グッズの場合はここでほぼ「できた!以上!売る!いや売れろ!」なのでその先はないけど

問題はCDやDVDね。

開封してPCのトレイに乗せて、実際音や映像を出すとき。

わたしのハートはストップモーション。

(↑これジャ○ラック来ますかね)

 

もうね、いや。

齢50越えのイヤイヤ期。

作品を一番にチェックするこの仕事だけは、誰かに代わってほしいといつも思う。

 

頭にへんなノイズが入ってたらどうしよう。

チャプターがずれてたらどうしよう。

修正したはずのここあそこが直ってなかったら...

キャアアァァア〜!!(効果音・スクリーム)

 

そう。

それはまるでお化け屋敷のハイライト。

地下の手術室を手探りで進むかのよう。

いやだ〜手術台に誰か寝そべってるみたい...髪の長い白い女。

きっと起き上がるんだよ。起き上がってこっちに歩いてくるんだよ。

 

起きもしないことで心臓は縮み身は痩せ細り、

頬はこけ、喉はからから、声も出ず。

(問題)上記二行の文章のなかに間違いが二つあります。

 

それだけ、怖い仕事なのです。

ああ小心者。

ビクビク、オロオロ、ワンワン、フラフラ、ゲラゲラ。

(問題)上記の文章のなかに小心者の例えとして間違いはいくつありますか。

 

これだけはいつになっても慣れません。

物を作るというのは怖いことです。

ワクワクだけじゃないぞ陸王よ!こはぜ屋よ!

 

ごめんなさい八つ当たりしました。

陸王見てます。池井戸潤ダイスキ。

 

まあ最近は肝も体も太くなってきて、

制作費をちらっと見ながら「弁償はできるな」と図々しさを見せることも。

そんな風に思わないとやってられないし、ほんとにノイズひとつで心臓止まりそうになるもん!

 

お化け屋敷も怖い。心臓止まりそうになる。

だからお化け屋敷入らない。

でもこの仕事はまだまだ続く。

毎回、ふうっと息を吐いてよしっ!と気合いれて。

待っている人がいる限り。

アタシ頑張る(キラッキラッ)

 

と、二回目ともなれば好感度アップにも無理のあるブログの巻でした。

幸せな仕事

7月から続いている、以前お世話になったバンドのグッズオンライン販売の作業。

そこにきて、現在、敏腕用務員として関わっているバンドの新譜が出る。

もう、これ会社員やってる場合じゃないなレベルのバタバタ感。

狭い部屋は次々届くグッズと資材と整理の終わってない荷物でぐちゃぐちゃ。
ホコリも見ないふりしてワイパーでささっと誤魔化す。


負け惜しみちゃうけど、

ああ、独り身で良かった..

もう一回言う。

じっちゃんの名にかけて、負け惜しみちゃうからね!!

発送は今どきあり?な伝票手書き。
さすがにこれは今回、依頼をした。

でも日々の入金チェックと、それを入力していくのは私の仕事。

一件一件、名前を検索していく。

住所を見て、名前を見て、商品内容を見て。

西に同じ名前で複数の申し込みあれば、送料一件分返金し、
東に都道府県からいきなりマンション名を書いてる人あらば、メールで問い合わせし、
北に何回メール送ってもエラー未着になる人あらば、不審者ではないですと前置きして電話をし、
南にまだ届かないの?と怒る人あらば、行って心配しなくとも良いといい。

また嘘をつきました。
南の人は嘘です。メールで謝ってます。

でもね

バンドに関わる仕事の中で、この発送作業が一番好きな仕事だ。

そこにはただの入力文字ではなく、一人一人の愛情や情熱がこもっている。

本当に、全国に飛んでひとりひとりを抱きしめたい気持ちだ。

かつて「ここにいるみんなにキスしたい気持ちよ」とは、
ガラスの仮面でアルディス姫が言ったセリフだけど、
まさにそんな気持ち。

毎度のことながら、ガラスの仮面を知らない人はスルーしてね。


いつも「怒ってるの?」と言われ笑顔下手で高圧的に見えるモトキにとっては(実際、高圧的な時もある)
心を込めて、発送することで気持ちを昇華してる。

幸せな仕事。

それがあることが、幸せだ。

半落ちとファイナル

この夏、自分内最大のイベントから一ヶ月経った。

以前お世話になったバンドのライブ。
解散以来、何回か催された一夜限りの再結成ライブ。今回はそのファイナル。
を、お手伝いしていました。

その存在の大きさに、リアル最大のイベント、父の新盆もあっさり過ぎてしまったくらい(お父さんごめんね)。

だから涼しすぎる夏も全然違和感なし!
ワタシの夏は終わったものね...
でも寂しさに浸る間も無く、まだタスクは続く。

だからまだまだ余韻を引っ張ってる毎日。

思えば初日のリハで、懐かしのあの曲その曲を聴きながら、見た目ポーカーフェイス、心中バンジージャンプしまくりのモトキ。

しかし何においてもせっかちなワタシ、アンコール最後の、ほんとに最後の曲を聴いたら「ほんとに終わるんだ..もう聴けないんだ」(ヲイまだリハだよしかも初回だよ)
と悲しくなった。

20年前の解散のあの日、ほら穴のようなパワステのPA卓の後ろでベソベソ泣いてた自分がよみがえる。

ああ悲しいよ。せっかくまたライブ観れるのに、最後だなんて。
だいたい、解散したバンドの「ファイナル」ってなによ!
解散したあとの再結成にわざわざなんでピリオド打つんだよ!

(..まあそれには訳があり、ヴォーカルのTAISHOがややこしい病になったため、ケジメとしてもう一回だけ再結成しよ!と集まったからなんだけど)

ビデオカメラを構えるポーカーフェイスの裏で、そんなことを考えていた。

で、

これって「半落ち」じゃん!と。


「半落ち」は何年も前に珍しく一人で観た映画。
警察官の寺尾聡が、愛妻の原田美枝子を手にかけ、罪は自白したけど理由は自白しない、「半分落ちた」状態の謎をたどっていくドラマ。

夫婦には息子がいたけど不治の病で亡くなる。そのあとだんだん妻が認知症にかかり、亡くなったはずの息子が「帰ってこないの」と言い始める。
そんな妻に夫は、息子は亡くなったんだよと話し、妻は号泣。

裁判で夫は
「妻は二度、息子を失ったんです。こんな辛いことはあるだろうか」
と嗚咽を漏らす。

長いね。

説明長いね。

オチはWikiで見てね。


とにかく!
「二度悲しみを味わう」ことを自分に投影した訳ね、ええ自分酔いの好きなそうよわたしは魚座の女。

こいつらあー、
ファンになんてことを強いるのだ!
あの悲しみを二度味あわせるのか!

と、ポーカーフェイスはそっとクチビルを噛んだのであった。


結果。
ライブは盛況、
ファイナルを謳ったにもかかわらず、「またきっとやってくれる!」と信じて目をキラキラ(涙もあったかも)させるファンの前向きな顔、顔をみて、
今回はベソベソ泣かずにすんだモトキであったのです。


なんだろね。
なんだろね、感動って。

望んで得られるものではないし、
豪華な食事や海外旅行や、
そんなFacebookを彩るような日々だけに在るものではない。

この顔その顔が見たくて。見たくて。

世界でーいちばんー
愛してるー

ファン一人一人を抱きしめたい気持ちを押さえて、モトキの夏は終わりました。


そして半落ちならぬ、
半分残った宿題(DVD制作)のために

がんばる。
ありがとうメンバーたち。スタッフさん。
ありがとう寺尾聡(関係ない)。

そうね誕生石ならアメジストなの。


夏休み日記おわり。