半落ちとファイナル
この夏、自分内最大のイベントから一ヶ月経った。
以前お世話になったバンドのライブ。
解散以来、何回か催された一夜限りの再結成ライブ。今回はそのファイナル。
を、お手伝いしていました。
その存在の大きさに、リアル最大のイベント、父の新盆もあっさり過ぎてしまったくらい(お父さんごめんね)。
だから涼しすぎる夏も全然違和感なし!
ワタシの夏は終わったものね...
でも寂しさに浸る間も無く、まだタスクは続く。
だからまだまだ余韻を引っ張ってる毎日。
思えば初日のリハで、懐かしのあの曲その曲を聴きながら、見た目ポーカーフェイス、心中バンジージャンプしまくりのモトキ。
しかし何においてもせっかちなワタシ、アンコール最後の、ほんとに最後の曲を聴いたら「ほんとに終わるんだ..もう聴けないんだ」(ヲイまだリハだよしかも初回だよ)
と悲しくなった。
20年前の解散のあの日、ほら穴のようなパワステのPA卓の後ろでベソベソ泣いてた自分がよみがえる。
ああ悲しいよ。せっかくまたライブ観れるのに、最後だなんて。
だいたい、解散したバンドの「ファイナル」ってなによ!
解散したあとの再結成にわざわざなんでピリオド打つんだよ!
(..まあそれには訳があり、ヴォーカルのTAISHOがややこしい病になったため、ケジメとしてもう一回だけ再結成しよ!と集まったからなんだけど)
ビデオカメラを構えるポーカーフェイスの裏で、そんなことを考えていた。
で、
これって「半落ち」じゃん!と。
「半落ち」は何年も前に珍しく一人で観た映画。
警察官の寺尾聡が、愛妻の原田美枝子を手にかけ、罪は自白したけど理由は自白しない、「半分落ちた」状態の謎をたどっていくドラマ。
夫婦には息子がいたけど不治の病で亡くなる。そのあとだんだん妻が認知症にかかり、亡くなったはずの息子が「帰ってこないの」と言い始める。
そんな妻に夫は、息子は亡くなったんだよと話し、妻は号泣。
裁判で夫は
「妻は二度、息子を失ったんです。こんな辛いことはあるだろうか」
と嗚咽を漏らす。
長いね。
説明長いね。
オチはWikiで見てね。
とにかく!
「二度悲しみを味わう」ことを自分に投影した訳ね、ええ自分酔いの好きなそうよわたしは魚座の女。
こいつらあー、
ファンになんてことを強いるのだ!
あの悲しみを二度味あわせるのか!
と、ポーカーフェイスはそっとクチビルを噛んだのであった。
結果。
ライブは盛況、
ファイナルを謳ったにもかかわらず、「またきっとやってくれる!」と信じて目をキラキラ(涙もあったかも)させるファンの前向きな顔、顔をみて、
今回はベソベソ泣かずにすんだモトキであったのです。
なんだろね。
なんだろね、感動って。
望んで得られるものではないし、
豪華な食事や海外旅行や、
そんなFacebookを彩るような日々だけに在るものではない。
この顔その顔が見たくて。見たくて。
世界でーいちばんー
愛してるー
ファン一人一人を抱きしめたい気持ちを押さえて、モトキの夏は終わりました。
そして半落ちならぬ、
半分残った宿題(DVD制作)のために
がんばる。
ありがとうメンバーたち。スタッフさん。
ありがとう寺尾聡(関係ない)。
そうね誕生石ならアメジストなの。
夏休み日記おわり。