2025/5/5。
今年も御巣鷹の尾根へ行ってまいりました。
去年の慰霊登山もGW中だったので、ちょうど1年ぶりになります。
「御巣鷹の尾根」や上野村の概要、道のりや登山については一昨年のブログを参照ください。
日本航空123便墜落事故について 【慰霊登山①】
日本航空123便墜落事故について 【慰霊登山②】
日本航空123便墜落事故について 【慰霊登山③】
日本航空123便墜落事故について 【慰霊登山④】
今年は6時前に御巣鷹の尾根登山口の駐車場に到着。
気温は5℃。Tシャツに薄い上着2枚という服装では肌寒さを感じましたが、昇魂之碑に着いた頃には軽く汗ばむくらいになっていたので、ちょうどいい服装だったかと思います。
入山者カウンターは自分で【268】。
4月末に開山してからの入山者数になりますが、去年2024/5/4で【136】だったので、今年は慰霊登山に訪れる方が多いのかも?
これが昨今の陰謀論に関する議論の盛り上がりに起因するのだとしたら、ちょっと複雑な気持ちです。
6時に入山。途中の小屋で芳名帳に記帳するなどややゆっくりめに登山して、昇魂之碑に着いたのは6:35頃でした。
鐘を鳴らし、碑に手を合わせて、520名の御霊が安らかに眠れるよう祈らせていただく。
昇魂之碑の先にある御巣鷹茜観音。
事故に遭われた方々を見守っていただくよう合掌。
山頂近くにあるX岩。
当時の警察の方々の尽力と労苦を思うと頭が上がりません。
そしてやや急ぎ足ではありましたが、登山道にある墓標に手を合わせながら下山。
駐車場に戻ってきたのは7時半過ぎで、約1時間半の慰霊登山となりました。
入山者カウンターは3名分増えて【271】に。
あまりにも早すぎる時間なのは考えものかもしれませんが、静かに思いを馳せたい方にはこのくらいの時間を個人的にはお勧めいたします。登山開始から下山の最後にお一人とすれ違うまで、完全に自分一人でした。
自分が慰霊登山をしたからと言って何がどうなるわけでもないのですが、「この事故を風化させてはいけない」「亡くなった方々のご冥福を祈りたい」という気持ちがございますので、来年以降も出来る限りまた足を運びたいと思います。
ここまでの公共交通機関がないため車での移動が基本になりますが、道路が整備されたとは言え奥深い山であることには変わりはありません。道路には拳大の石(と言うか岩)がよく落ちてますし、崖崩れで倒れた木が道路に転がってるのもしばしば。訪れる方は運転にお気を付けください。
また、山に入るとスマホやポケットWi-Fiの電波は完全に入らなくなります(少なくとも自分のは)。
下山後は「慰霊の園」へ。
合掌している手をイメージした慰霊碑に私も合掌。
この合掌している手の約10km先が墜落現場だそうです。
映像室では当時の捜索に参加された猟友会の方や消防団の方、あと炊き出しなどで協力なされた役場の方などのインタビュー映像が見られるのですが、残念ながら機械が故障中とのこと。
行くたびに毎回見るようにしていたので残念。
佐藤正久議員が取り上げたことで青山さんも言及なされていた『慰霊碑』について。
4月のシンポジウムでは岡部さんも写真付きで取り上げられてました。
慰霊登山をした後はとりあげる気持ちにはならなかったのですが、登山中どうしても目に入ってきましたので軽く触れておきます。
産経ニュース『日航機事故 「御巣鷹の尾根」への登山道に「自衛隊撃墜説」を伝える慰霊碑は本当にあった』
件の『慰霊碑』は2023年にご遺族の小田さんが建てられたそうで、去年の慰霊登山の際に目にして私も気になっていた物です。
場所は案内板の少し手前あたり。
去年見かけた時の印象では(言葉は悪いですが)張りぼてのようなイメージだったのですが、今年改めて確認すると御影石のしっかりとしたものだったようでした。
ただ佐藤議員が仰るような『慰霊碑』ではなく、縦横40cm程度の小さな『墓標』なんですよね。
墓標には「N総理・自衛隊が 意図的に 殺害した乗客・犠牲者」とのキャプションが付いた、事故で亡くなられた方々の写真が。そして事故原因の「仮説」も。
正直な話、書いてある内容はどうかと思います。
何を仰ってるんだと思います。
ありえない酷い誹謗中傷だと思います。
撤去なされるべきだと思います。
ただ、ご家族を亡くされたご遺族のやりきれない気持ちを思うと、個々人の範疇である小さな『墓標』を「撤去してください」と頭ごなしに言うだけなのも違うかなとも思うのです。
かと言って求められているCVR・DFDRの公開は不可能ですし(これについては別途説明の予定)、"もし" "仮に" "万が一" 公開出来たとしても声を上げている方々に納得していただけるとは思えません。
これは小田さんに限らず、吉備さんや青山さんについても同じです。
でも青山さんの「謝罪してください」という主張も違うと思います。
ご自身も確たる証拠もなしに誹謗中傷となる「仮説」を唱えてらっしゃるわけですから。
それにその「仮説」も全く科学的ではありませんし、「仮説」なら何を言ってもいいわけではありませんし。
やはり一度と言わず何度でも、"冷静に" 持ちうる証拠を互いに突き合わせて、話し合うしかないのではないかと。
裁判や証人喚問の方がはっきりするかもしれませんが、それはそれで「公権力の乱用」とか言われそうですし……難しいですね。
そして個人的にはこの『墓標』よりも、登山途中にある小屋に設置された芳名帳の隣に置かれていた小田さんの本のフライヤーの方がもやもやしました。
あくまでご遺族個々人の範疇である『墓標』ではなく、小屋は一般の方も含めて共有の空間ですから。