浜学園は関西を中心に展開している大手塾ですが、最近は首都圏にも進出されてますね。
あの佐藤ママのお子さん四人が通った塾としても有名な、灘中への進学実績において群を抜いている塾です。
こちらの本を読むと、いかに浜学園の子どもたち、灘を目指す子たちが高いレベルを求められているかに驚きます。
入塾後から受験直前までの学習方法や、親のサポート含めたフローについて、非常に詳しく分かりやすく書かれている本だと思います。
一方でこちらの本は、タイトルにも灘中をうたっているように、すでにある程度の学習習慣があり、基礎力のある子が、そこからさらに学力をブラッシュアップさせるためのノウハウ本とも言えます。
なので、どちらかといえば高学年向きの内容となっていますが、そうでないとしても、中学受験の厳しさや最難関を目指す子やその家庭に求められるフォローの方法についてはイメージしやすいのではと思います。
内容がかなり充実しているので、詳細は省きますが、私が心に残ったのがこちらのフレーズ。
「弱点」があるのは「強み」がある証拠
学年が進んでいくにつれて、教科はもちろん、教科の中の単元の中でも、得意不得意がはっきり分かれて来ます。
そうなるとどうしてお母さんというものは、得意はさておき苦手な部分を何とか底上げしたいと思ってしまうものなんですよ。耳が痛い。
でも、苦手な部分が目立つのは得意なことがあるからで、そこを理解せずに苦手克服にばかりフォーカスしてしまうと、子どもは頑張っても報われないと感じてしまう。
たしかにその通りなんですよね。
まずは子どもの頑張りを認める。
得意を認める。
そこから意識するべきなんですよね。
また、勉強する姿勢について、できればテストと同じような環境と姿勢でするのが望ましいと。
勉強姿勢が崩れて、ソファに寝そべったりして参考書を見るのも勉強としてカウントを始めると、そこから思考が雑になり、ケアレスや詰めの甘さに繋がっていく。
こちらも、その通りなんですよね。
メリハリをつけた勉強をしなければ、結果として精度の低い学びになる。
その辺りは、やっぱり家庭の雰囲気がかなり出るでしょうね。子どもが一生懸命勉強しているのにのんびり昼寝なんかしてちゃいけませんね、、
塾の先生からも昔、受験生のお母さんは服一枚も買わないくらいの気持ちでいて下さい。と言われました。
「受験生は毎日、遊びたいのも我慢して、張り詰めた気持ちで勉強をしているんです。
邪魔をしないように、神経を逆撫でしないように、親も受験生と同じように我慢をして下さい」
と。。
エーッと、思いましたし、そんな腫れ物のように扱う必要あるわけ?と、当時は思いましたけど、
今は分かるのです。
本当に、本当にストレス溜まりますよ。中学受験生。
受験生と同じようにすべてを自粛する必要はなくとも、やっぱり受験生だけに苦しさを押しつけてはいけない。
親も共有するべきなのだろうと思うんですよ。
きちんとした姿勢で勉強することが受験生にとって大前提ならば、親もそういう姿勢を心がける必要がある。
そういう耳のいたい部分に改めて気づかされましたね。
私もかれこれ数え切れないほど、このような中学受験本を読んで来ましたが、同じ中学受験について書くといっても、当然ながら著者の専門によってどこにフォーカスするかが変わるので、なかなか興味深いです。
中学受験本というと、プロ家庭教師の西村さんの著書であるこちらが、全体像を把握するには分かりやすいかなと感じます。
とはいえ西村さんはあくまで家庭教師が専門ですから、これも当たり前ですが家庭教師として関わる親子を主に見ているわけで、塾だけで受験する層とは若干、違うのかもしれませんね。
なので、中学受験本を読む際は、さまざまな角度から書かれたものを読むと、それぞれの家庭においてしっくりくる関わり方が見えてくるかもしれません。
ところで近年、浜のような関西圏の塾が首都圏に進出するケースが見られますが、現状、浜も含めてサピックスをトップとしたその牙城に食いこむのはなかなか難しいようです。
その理由としては、やはり関西では灘も含め、社会がない学校が多いため、算数勝負になる傾向がある一方、首都圏では四科をバランス良く仕上げることを必要とされるからだと思われます。
つまり、得意とする戦い方が違う。
また、中学受験の試験内容は、各学校により特色があるため、単純に進出して間もなければデータや学校分析において、サピックスや早稲アカなどの元から首都圏で展開している大手塾に比べてどうなのか?と考える保護者の方もいるのではと思います。
でもこちらの本を読み、浜はデータや学校分析など小手先の情報戦よりも、正真正銘、ホンモノの学力で勝負させようと考えているのだなと感じ、背筋が伸びる思いがしました。