おはようございます
前回(1月27日放送)の「プレバト俳句」は、残念ながら私にとっては(飽くまでも“個人的感想”です)
一方、今回(2月3日放送分)の「プレバト俳句」、特に、特待生・名人の句はとても勉強になりました
兼題は…
自分の「仕事」や「飲み会」、「家族」の帰りを待つ様子など…
どれだけ実体験を思い出せるかが、才能アリへの重要なポイントだそうです。
ということで…
まずは平場の方々の句を…
一覧表で振り返ってみました
さぁ、最も勉強になった特待生・名人の句です
一人目は、特待生3級の馬場典子さん
春遅々として渋谷駅はダンジョン
(はるちちとして しぶやえきは だんじょん)
ダンジョンとは「地下牢」のこと。RPG(ロールプレイングゲーム)などでは「迷路のような空間」を指します
「春遅々として」という季語があるが、立春を過ぎてもなかなか春がやってこない。。。
でも、だからこそ春が待ち遠しい。。。
渋谷駅は色んな所を再開発して迷路みたいになっている。
迷宮みたいな。。。
それが鬱陶しくもあり、RPGの迷宮だと思うと楽しさもあり、再開発が終わった時にはどんな世界になっているんだろうっていう、春を待ち遠しいのと同じような…。
地下降りて出て降りて出て。。。(笑)。
「春遅し」➡「春遅々として」 アレンジの是非
特待生2級に1ランク昇格
内容に合った調べ
「やった~ 」
結構チャレンジしてますよ
相変わらずチャレンジが好きな人だと思う
「春遅々として」まで、ずっと引っ張って季語を使う。。
このやり方も1つのチャレンジ
少し滞るような調べが、実は後半の「渋谷駅というのはまるで地下の迷路みたいだ」という自分の言いたい内容と調べをゆっくりと沿わせていく配慮がある
ご本人がどっちを言いたいかという話で、1つアドバイスします。
「渋谷駅はダンジョン」を先にし、「春は遅々として」と、ここに「は」を1つ入れると、ひっくり返す対句(ついく)表現になる。
ここに「は」が入ることで…
「○○○は×××」、「□□□は△△△」に。
対句表現も俳句の型の1つなので、ここまでやってくれたら2ランク昇格という話になる。
「あ~ 」
渋谷駅はダンジョン春は遅々として
(しぶやえきはだんじょん はるはちちとして)
感 想:
日ごろ私がと思っている自由律の句(=五七五の定型から離れた句)を超えて、今回は“対句表現”という「俳句の型」を採り入れたことで、味わいの深い句に仕上がっていると感じました
二人目は、特待生1級の皆藤愛子さん
悴める手のひらを刺す乗車券
(かじかめる てのひらをさす じょうしゃけん)
寒いホームで新幹線のチケットを握りしめて、角が手のひらをチクって刺すっていうところを書いた。
これは上がりましたね。
3つないし4ついきましたね。
動詞「刺す」の是非
名人初段へ1ランク昇格
季語を生かした工夫
「あ~やった~ありがとうございます。嬉しい~」
これは「悴む」(かじかむ=冬の季語:寒さで手足が凍えて思うように動かなくなる)が季語になる。
前半「手のひら」まではごく普通。
「悴む」ときたら指や手のひら。
「を」で何かと思わせ、「刺す」がこの位置にくる。
手のひらを刺すぐらいそのぐらい強い冷たさ・寒気かと一瞬思わせ、刺すのが「乗車券」であると展開する。
この展開が非常に上手かった
こういうのを表現するには、「乗車券の角」など些末な所を書いた方が良いのではないかと迷う展開。
「刺す」という動詞を信じれば、みな手のひらにその“角”を感じてくれる。
わざわざ「角」と描写しなくても伝わる
そして、「手のひら」も「刺す」も皮膚感。
「悴む」も皮膚感の季語。
最後「乗車券」が出てきたら、「悴める」に感覚が戻って、読み手はみんな作者と同じ体験を共有することができる
良いと思います
直しは要らない。
「ありがとうございます嬉しすぎる 」
最後は、名人8段の千原ジュニアさん
春の駅白杖の傷夥し
(はるのえき はくじょうのきず おびたたし)
春の新生活の新しい雰囲気の駅で…
みんな綺麗な感じで心も晴れやかにという感じの中…
白杖(はくじょう)の方が(ホームの点字ブロックを)そういう感じで歩いているが…
白杖の傷がすごい。
ここに来るまでに色んな思いや大変なことがある中…
凛として歩いて前に進んでいるのを詠ませていただいた。
それぞれの単語の持つ言葉の
質量のバランスの是非
「うわ~、もう。難しいこと言うわ」
名人9段に1ランク昇格
「よ~し 」
言葉の明暗を見事に操作
まず季語の使い方から。
「春の○○」という使い方に否定的な考えを持つ俳人もいるが…
この句の場合は成功している
これは「春」という別れと出会いの季節であり…
「駅」という別れと出会いの場所でもある。
そんなイメージが一緒に出てくる。
「白杖」の単語一つで、人物・様子が出てくる。
ここから。「傷」とクローズアップして、さらに「夥し」と描写をする。
ずっとクローズアップ、丁寧な描写をした。
これにより、明るい「春」と「傷」という言葉の明暗のバランスが絶妙に取れている。
全部読んだとき、「春という季節の中で一生懸命生きている」という思いがこれだけの言葉でちゃんと伝わってくる。
まあとにかくジュニアさん、腕を上げたと思います
直しは要らない。
「ありがとうございます」
次週(2月10日)のプレバトは、北京オリンピック番組で1回お休み。
次回は2月17日の放送です
兼題は…
私も頑張って句作に励も~っと
今日の一句です。
今回学んだ対句表現を使って自由律の句に挑戦してみました。。。
冬(三冬)の季語「雪催」(ゆきもよい)とは、
「今にも雪が降り出しそうな天気のこと」。
ではでは
ろっきぃがお送りしました