ディズニー映画語り ターザン2 | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。

はーいどーうもーぉ。



今回は恒例のディズニー・トゥーン・スタジオ回です。トゥーン・スタジオについてはこちらの記事を参照。 



いっとき巷に溢れた所謂「ディズニーヒット作のひどい続編」の主犯格としても名高いこのスタジオですが、これまでも語ってきたように実はとても素敵な作品もいくつも世に送り出しています。


まぁ同じディズニーでも運営からスタッフアニメーターまで全てが違うわけで、このスタジオが作る続編というのは言ってしまえば公式公認の二次創作なわけで、、

そりゃまぁ難しいと思いますよね色々と。


今回はそんなトゥーンスタジオの作品の中から、現在でも高い人気を誇るあのネイチャーアドベンチャーシリーズ三作目となる長編作品について語っていきたいと思います。


(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)


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  ターザン2

(原題:Tarzan II)

2005年

監督
ブライアン・スミス

データ


1999年に公開された大ヒット映画「ターザン」のトゥーン・スタジオ制作による正式続編作品

ターザンシリーズとしては2002年「ターザン&ジェーン」に続く三本目の長編作品です。


2005年OVAとしてソフトリリースされました。


原作はエドガー・ライス・バローズによる小説【ターザン】シリーズですが、今作は一作目で詳しく描かれなかったターザンの幼少時代を描いた作品でありストーリーはほぼディズニーのオリジナルとなっています。


監督は「101匹わんちゃんII パッチのはじめての冒険」も手掛けたブライアン・スミス

脚本は「ノートルダムの鐘」「ライオン・キング」さらに一作目「ターザン」も執筆しているボブ・ツディカーノニ・ホワイト
多数のディズニー続編作品をジム・カマーラド

音楽は一作目に続き「モアナと伝説の海」や東京ディズニーシー「ストームライダー」のアトラクション楽曲を担当した事でも知られるマーク・マンシーナ。そして「ウィッシュ」「アナと雪の女王」も手掛けるデビッド・メッツガー


さらに楽曲制作にはこちらも一作目に引き続いてフィル・コリンズが再参加を果たし、2つの新曲を提供しています。



主人公のターザン役を務めたのは当時子役としてブロードウェイ等で活躍していたハリソン・チャド。日本語版は宮本聖也さん。


ターザンの育ての母カーラ役には実写映画「101」シリーズのクルエラ役でも知られるグレン・クローズが一作目からカムバック。

日本語版は藤田淑子さん。


ゴリラの群れのリーダー・カーチャック役のランス・ヘンリクセンも今作で同役に久々のカムバックを果たしています。

日本語版は内海賢二さん。


又、今作からの新キャラクターキャストとして「トイ・ストーリー」シリーズ・ミセス・ポテトヘッドでお馴染みのエステル・ハリス「カーズ」フィルモア役で有名なジョージ・カーリン等のベテラン勢も新たに加わっています。



ディズニールネサンス期最後の大ヒット作となった「ターザン」待望のナンバリング続編ですが、前作の「ターザン&ジェーン」酷評された為今作も又期待値は高くない中での公開となりました。


最終的には収益まずまずの数字を記録し、評価面では賛が多めの賛否両論といった結果となり、アニー賞にもノミネートしています。


そのプロットの必然性展開の弱さには批判が集まるものの、劇場用に匹敵する程のアニメーションや音楽の質の良さには称賛も多く上がっています。


現在ではその知名度は総じて低めであり、あまり話題に上がることの少ない作品ではありますが、ディズニートゥーン・スタジオのOVA続編の中でも特にトータルクオリティの高い一本としてファンからは愛される一本となっています。



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あらすじ



それはターザンが【ターザン】になるまでの物語。


幼少期…他のゴリラに身体的に劣るターザンは群れに馴染めず悩んでいた。

立派なゴリラになりたいが、何故か皆と同じようにいかない…。

そんな時母のカーラに、とある大木を見せられるターザン。

その大木は細い枝や蔦が重なり絡まり合い一本の木を力強く形成している様だった。

しかし、とある事故がきっかけでターザンは群れと離れることを決意する。

この小さな冒険が、まさにターザンが本当の自分を見つける第一歩となるのであった…。

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感想




一言で言うと…

ホントに惜しい!作品だと思います。

アニメーション・作画は本当にトゥーン・スタジオでトップクラスの仕上がりです。
本当に素晴らしい。

さらに音楽はまさかのオリジナルからの完全続投となるフィル・コリンズマーク・マンシーナ
良くないわけがないし、この音楽のおかげで一作目と世界観もしっかりとリンクしているのが最高でした。

ストーリーテーマも、へんに「ターザンとジェーンの息子がイギリスに憧れる…」みたいな在り来りの二世話にせず【ターザンがターザンになるまで】というルーツの部分に着目したのは本当に素晴らしいと思います。

あとは肝心のストーリープロットがもっと強いものを用意出来ていたら・・間違いなく大傑作になっていた気がします。

それだけに…ただただ惜しい!

ホントにこの作品はこの一言に尽きる気がしますね。

玄人好みの補完的テーマ



よく今作は【必然性がない…】【何のために作ったかわからない…】と言われがちですが、自分は全くそうは思いません

一作目ではダイジェストで飛ばされてしまった【ゴリラではないターザンがどうやって群れの中で自分のアイデンティティを形成したか】着目しそれをまるまる一本使って描いてくれた、正に玄人好みの非常に良い作品テーマだったと思います。

ズーゴーの「お前はターザンだ!」という下りとか、最後の胸を張って雄叫びをあげるターザン本当に良いシーンで、この作品のやりたい事よく表現されていました。

ターザンというキャラクター世界壊さずそこにソッと深みを与えることに成功していると思うんですよね。

派手さはないですが、一作目を補完するという意味で非常に良い題材だと感じました。


薄すぎるメインストーリー




ただその分、メインのストーリー非常に薄く取ってつけた感が強いものになってしまっているのがとても残念でした。

特にこれは色々なところでも言われていますが、ヴィラン的立ち位置である3頭のゴリラの下りは終始なんかちょっとムリがあって、キャラクターとしてもイマイチ、展開も盛り上がりに欠けるエンタメとしてあまり面白いストーリーになっていないんですよね。

これが本当に今作の最大の勿体ないポイントだったと思います。

魅力的なヴィランとそれに付随する展開さえ用意できれば、作品として圧倒的に良くなったと思うんですよね…。

孤独な老ゴリラ・ズーゴーとの邂逅とその関わりという部分はかなり良かっただけに、、

あまり魅力的ではないゴリラ3頭無理のあるトラブルを引き起こさせるより、ズーゴーとの関わりやそこからターザンが自分のアイデンティティに気付く流れをもう少し丁寧に深く描いてくれていたらな…とどうしても思ってしまいます。

せっかく良いテーマなのに、このヴィラン達の無理矢理感が作品全体を少々安っぽく見せてしまっているのは、、本当に勿体なかったとしか言いようがありません…。

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まとめ




ただ重ねてにはなりますが、その本気度満点アニメーションは本当に見事です。

CGを上手く駆使した奥行きアクション魅せ方一作目をしっかり踏襲できています。


そして音楽も、フィル・コリンズ歌声メロディはやはりこの作品の世界観にハマっていて逸品なんですよね。

一作目の名曲達をスコアなどにうまく利用しているのも良かったです。



確かにストーリーとしてはあまり面白い物になっていない面はあるんですが、やはりそれを差し引いて「ターザン」を観てそれが気に入った方にはやはり一度は観て欲しい作品ですね。


特に自分のように【ターザンが自分の能力を見つけどうやって群に馴染んだのか…】気になった人ターザンのキャラクターをもっと深く知りたい感じた人には、まさにしっかりと作品を補完してくれる素敵なサイドストーリーになっていると思います。


個人的にはこういう【派手さはないけど痒いところに手を伸ばそうとした続編】というのは大好きなのでこの続編があって良かったと思いますし、とても楽しむ事が出来ました。





「ターザン2」現在ディズニープラスで配信中です♪


ターザンを鑑賞済みで興味のある方は、機会があればぜひ一度チェックしてみて下さい!



はい。


というわけで今回はこの辺で!



今回も長文駄文にお付き合い頂きありがとうございました♪



また次回。



しーゆーねくすとたぁいむー。