はーいどーうもーぉ。
今回は恒例のディズニー・トゥーン・スタジオ回です。トゥーン・スタジオについてはこちらの記事を参照。
いっとき巷に溢れた所謂「ディズニーヒット作のひどい続編」の主犯格としても名高いこのスタジオですが、これまでも語ってきたように実はとても素敵な作品もいくつも世に送り出しています。
まぁ同じディズニーでも運営からスタッフ、アニメーターまで全てが違うわけで、このスタジオが作る続編というのは言ってしまえば公式公認の二次創作なわけで、、
そりゃまぁ難しいと思いますよね色々と。
(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)
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ターザン&ジェーン
(原題:TARZAN & JANE)
2002年
監督
スティーブ・ローターデータ
1999年に公開された大ヒット映画「ターザン」のトゥーン・スタジオ制作による正式続編作品。
2002年にOVAとしてソフトリリースされました。
2001年に放送されたテレビアニメーションシリーズ「ターザンの伝説」の3つのエピソードをオリジナルエピソードで繋いだオムニバス長編アニメーション。
純粋な長編ではなくテレビエピソードを繋いだ物となっている為、予算やアニメーション等のクオリティは基本的にテレビ仕様の作品となっています。
原作はエドガー・ライス・バローズによる小説【ターザン】シリーズ。ですが、今作は映画一作目から一年後の時系列を描いた作品でありストーリーはほぼディズニーのオリジナルとなっています。
監督は「ティンカー・ベル」シリーズや「ムーンガール&デビルダイナソー」でも知られるスティーブ・ローター。
脚本はビル・モッツとボブ・ロス。
「わんわん物語Ⅱ」や「キム・ポッシブル」等多数のディズニー作品を手掛けているコンビです。
音楽は「アナと雪の女王」シリーズや「ウィッシュ」等現在に至るまで実に様々なディズニー作品を手掛け続けているベテランのデビッド・メッツガーや「トワイライト・ゾーン」等で知られ、東京ディズニーシーの「ファンタズミック」にも携わったドン・ハーパーなど。
主人公のターザン役はトニー・ゴールドウィンからTVシリーズ「プリテンダー」等で知られるマイケル・T・ワイスへ交代。
日本語版は俳優の金城武さん。
ヒロインのジェーン役もミニー・ドライヴァーから主にテレビ界の様々な作品で活躍するオリビア・ダボへバトンタッチ。
日本語版はすずきまゆみさんが続投しています。
さらにジム・カミングス、フランク・ウェルカー、ジェフ・ベネットなどディズニーではお馴染みの名優達もキャストに名を連ねています。
テレビ用のエピソードを繋ぎ合わせた簡易続編であり、この作品内のエピソードも後にテレビシリーズで放送されている事から、収益や話題性の低い一本となっており、評価面でもそのアニメーションや構成の煩雑さに厳しい酷評が多く上がりました。
現在でも認知度・評価ともに低調な作品となってはいますが、第一作のその後のキャラクター達を見ることができる、知る人ぞ知る貴重な作品としてファンからは認知されています。
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あらすじ
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240612/08/yuzupill/c8/db/j/o0841048715450488022.jpg?caw=800)
Tarzan and the British Invasion
Tarzan and the Volcanic Diamond Mine
Tarzan and the Flying Ace
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個人的には同タイプの作品でも「シンデレラⅡ」の方が良く出来ていたかなと思いました。
タイトルにナンバリングが付いていない事のが最大の利点かもしれません…。
テレビ用クオリティという事が言い訳にならないアニメーションの質の低さや構成・設定の煩雑さ等…総合的にやはりかなりお粗末な出来の簡易作品と言わざるを得ないでしょう…。
もちろん良いところもありますが…やはり個人的に一番残念だったのは「この作品を作った意義」を明確に感じられなかった事。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240612/17/yuzupill/31/f1/j/o0841048715450664036.jpg?caw=800)
ディズニーのOVA続編は往々にして「ディズニーによる魂の無い小銭稼ぎ」と批判され続けてきました。(もちろん評価されている作品もあります)
自分は基本的にはこれは全くそうは思わない派なんです。
確かに低予算低品質作品が多数ですが、そんな中でも製作陣の拘りや「見せたいもの」「やりたい事」がしっかりと表れている作品がほとんどなんですよね。
「シンデレラⅡ」「ノートルダムの鐘Ⅱ」「ポカホンタスⅡ」等もそのクオリティは置いておいても【この作品独自のやりたい事】がちゃんと伝わるから【小銭稼ぎの為だけの映画】とは自分は全く思わないんです。
ただ稀に…本当に何を見せたくて作られたかが伝わってこない作品もあって…。
その一つがこの作品なんですよね。。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240613/00/yuzupill/34/91/j/o0841048715450808501.jpg?caw=800)
確かに、ターザンとジェーンのその後の暮らしを垣間見れることは嬉しいです。
ただ、本当にそれだけなんですよね。
それ以上の物が全く感じられない。
しかもいくつか大きな設定崩壊もあって「目新しい事はないけど一作目の物語を大切に引き継いだ細やかな続編」とプラスに捉えるのも少々難しい内容…。
ジェーンやポーター博士がタークやタントーと普通に話していますが、、これくらいの設定は正直ちゃんと引き継いで欲しかったです…。
1年でゴリラ語を完璧にマスターとしたというとんでも理屈だったとしても、、タントーはゴリラじゃないし…
あと、ジェーンがいくら知り合いが来たからってターザンに無理に文明人みたいな所作を求めたりしてるのとか…
カーチャックにゴリラの群れを任された筈のターザンが、仲間を結構そっちのけでジェーンやポーターと普通に割と文明を利用した暮らしをしてるのも若干気になったり…
これがオリジナルのエピソードだったら「それでもターザンとジェーンのその後を魅せてくれたのは意義がある」と言えるのですが、それはもうテレビシリーズでやってるわけで…というか今作の3エピソードもテレビシリーズでそのまま放送されているわけで…
何よりもターザンという映画の大元のテーマと大きく内容が乖離してしまっているのが本当に残念でした…。
どう贔屓目で見てもやはり「なんの為に作られたのか」がどうしても見えてこないんですよね…。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240613/01/yuzupill/1e/08/j/o1080060315450817465.jpg?caw=800)
本当にこれは見れて良かったとは思います。
あとマンディ・ムーアが歌うオリジナルのテーマソングも良かったですね。
エピソード自体はキッズ向けのエンタメとしては悪くないんでしょうが、大人が楽しめるクオリティには至っていない感はありますし、どうしても設定の崩壊やターザンという映画そもそものテーマとの乖離が気になってしまって…。
まぁでも、、
「細かい事はいいからターザンとジェーンのその後を観たい!」という人達の為のファンアイテムとして存在価値は絶対にあるとは思います。
テレビシリーズはソフト化・配信化していないですから、実質映画のその後を観れる作品は現在のところこれだけという事になるので。