ディズニー映画語り 美女と野獣 ベルのファンタジーワールド | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。

はーいどーうもーぉ。



今回は恒例のディズニー・トゥーン・スタジオです。トゥーン・スタジオについてはこちらの記事を参照。 



いっとき巷に溢れた所謂「ディズニーヒット作のひどい続編」の主犯格としても名高いこのスタジオですが、これまでも語ってきたように実はとても素敵な作品も沢山世に送り出しています。



今回はそんなトゥーンスタジオの作品群の中から、、、、ディズニーが誇る伝説的名作の、2本目続編作品ついて語っていきたいと思います。


(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)


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  美女と野獣 ベルのファンタジーワールド

(原題:Beauty and the Beast: Belle's Magical World)

1998年

制作指揮

ボブ・クライン

デヴィッド・W・キング



データ


1991年に公開され大ヒットを記録し、史上初めてアニメーションでアカデミー作品賞にノミネートされるという快挙を成し遂げたディズニー屈指の名作「美女と野獣」、そして1997年「美女と野獣 ベルの素敵なプレゼント」に続く3作目続編作品


ディズニー・テレビ・アニメーションを中心として制作され1998年ソフト作品として公開されました。


※厳密に言うと今作はトゥーン・スタジオ名義の作品ではありませんが、この時期のトゥーンとテレビジョンアニメーションは密接な関係でありクリエイター等も含めて垣根が曖昧な状況だった為【トゥーン・スタジオ】一纏めで紹介させて頂いています。



1作目「美女と野獣」空白の期間に起きた3つのエピソードを描いたサイドストーリー

野獣達が人間に戻る前、城に幽閉されたベルと野獣達の交流を描いています。


監督や脚本に関してはディズニーのテレビアニメーションを中心に携わる多数のクリエイター達がそれぞれのエピソードを手掛けました。


音楽はこちらもテレビ作品を中心に活躍していた作曲家ハーベイ・コーエン



ベル役のペイジ・オハラ

日本語版は伊東恵里さん。

野獣・王子役のロビー・ベンソン

日本語版・山寺宏一さん。

ポット夫人アン・ロジャース

日本語版・福田公子さん、歌・ポプラさん。

コグスワースデビッド・オグデン・ティアーズ。日本語版・熊倉一雄さん。

ルミエールジェシー・コルティ

日本語版・江原正士さん。



チップポット夫人を除くメインキャストがオリジナルから続投しています。



もともとは予定されていた美女と野獣テレビシリーズの為に制作されたテストエピソードでしたが、結局そのテレビ化の企画は中止に。


そのため、既に制作済みであった3つのエピソードオムニバス長編作品として一本にまとめソフトリリースされたのがこの「ベルのファンタジーワールド」でした。


ソフト売り上げは上々ではあったものの、あくまでテレビ用クオリティのエピソード3つのオムニバスということもあって評価面非常に厳しい物となり、特にストーリーアニメーションに対しての酷評が後を絶たない惨憺たるものとなってしまいました。


特に海外では「ディズニー史上最悪の続編」との不名誉な呼び声も高い一本となってしまっています。


しかしながらその一方で、ベルや家財達の日常を覗くことができる貴重なサイドストーリーとして、ファンからは一定の評価も獲得している一本です。


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あらすじ



ベルが父親の代わりに城に幽閉されている間に起きた出来事を描いた3つのストーリー。

①大切なことば
②フィフィとルミエールの記念日
③とべない小鳥


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感想




これは結構真面目な話ですが、この美女と野獣ソフト用続編2作品特に今作における個人的な最大の功績は、ズバリ、ナンバリングタイトルを付けなかった事だと、ワリと本気で思っています。

「シンデレラⅡ」の時が正にそうでしたが、正直この手の作品ⅡとかⅢとかナンバリングを付けられてしまったら、、流石にキツイので…。

あ、ただだからってこの作品を全否定するつもりは全くありません。

クオリティとしては決して高くはありませんし、一本の長編映画として、そして正当続編として観るとやはり残念な部分は多々あります。

ただ、あくまでもテレビ用の、美女と野獣ベースキッズアニメーションとしてマイナーチェンジさせたサブストーリーとして、そして本編では決して見る事のできないキャラクター達のディープな一面を楽しむファンアイテムとして観れば充分に意義のある作品だったんじゃないかと思います。

よっぽどの美女と野獣ファンの方でないと、楽しむのは難しいかも知れませんが…。

作画とアニメーションの粗さ





一番のマイナス面としては、まぁこれはテレビ仕様なので仕方ないんですけど、やはり作画とアニメーションの粗さですよね。。

作画が崩れるのもき良きカートゥーン的な質感も基本は全然許容できるのですが、やはり今作で特に目立っているのはアニメーションの質の悪さです。

明らかにコマ数が足りず、ほぼ全編で非常にカクカクしたぎこちないアニメーションになっしまっていて、これを美女の野獣の正当続編として一般的に認知されてしまうのが恐いくらいのクオリティにと言わざるを得ません。


音楽スコアは決して悪くはありませんが全体的に印象に残るものはなく、全体構成にも「シンデレラⅡ」繋ぎのエピソードのような工夫はなくただ単純3つのエピソード単発的に続くだけであり、作り手の拘りや情熱があまり感じられずただホントに【ボツネタを3つ寄せ集めました】的な淡白な作りに見えてしまうのは残念でした。

ストーリーとキャラクターの違和感



ストーリーに関しては、前述の通りあくまでテレビ用のサイドストーリーとしては悪くはないです。


各キャラクターの意外な部分や、日常等が垣間見え、個性的な新キャラクター達も登場するので気楽に観れば楽しい内容になっています。


ただ、もちろん3つのエピソードは全てとても一本の映画として成り立つような重厚なストーリーではないので、ホントにファン向けおまけエピソードのような感覚で観るのが良いでしょうね。


それと、各キャラクターの掘り下げですが…場合によってはオリジナルイメージを崩しかねない危うい扱いが多々あります。


実はこの部分が海外で一番批判されているポイントだったりするんです。

野獣コグスワース、あとフィフィなんかは特にだいぶキャラとして厳しいかんじになっちゃってるんですよね。


キャラ変ではなくあくまでオリジナルで描かれていなかった部分掘り下げられただけではあるのですが…


正直ベルはよくこんな男の内面を愛することが出来たな…くらいのレベルではあります…w


ディズニー作品をキッズ向けの教訓番組にするとよくこういう現象が起こるんですが、まさにそれでしたね。



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感想




まぁ総じて言うとするならば、この作品はやはり観るならテレビシリーズ作品として観たかった…というのが一番でしょうかね。

テレビ作品として考えれば、このクオリティ維持したシリーズになったのなら是非観てみたかったです。


ただ、そもそも美女と野獣のこのベルが城に囚われていたわずかな冬の期間を利用してスピンオフ作り続けるのはやっぱりどうしても無理があるし、オリジナルの重要な部分壊してしまう可能性もあり得たと思うので、そう考えればやはりシリーズ化は難しかったでしょうね…。

何話やってもずっと季節は冬のままにしなきゃいけないわけだし…。


一本の作品として見しまうと、やはりどうしてももう少し工夫捻り、作品として良いものにしようという熱意は欲しかったな…というのが正直なところです。

何せあのディズニー屈指の名作美女と野獣の続編を語ってるわけですから…。
前作「ベルの素敵なプレゼント」は個人的にはなかなか良い続編だったと思っているだけに、、やはりそこは残念でした。



最初の話に戻りますが、やはりこれがナンバリング作品じゃなくて良かったな…というのはどうしてよ思ってしまいますね。



ただ、作品やその媒体にはやはりそれぞれの役割がありますから。


この作品も美女と野獣のファンの方々、そしてカートゥーンファン、それから(古い映像が大丈夫な)お子様やファミリーにとってはとても良い作品の一つであったと言えると思います。




「美女と野獣 ベルのファンタジーワールド」は現在ディズニープラスで配信中です♪



気軽にながら見とかもできるライトな作品になってますので、気になる方は是非隙間時間にでもチェックしてみては如何でしょうか♪





はい。


というわけで!


今回はこの辺で〜。


いつもこんな駄文にお付き合い頂き本当にありがとうございます。感謝です!



では、また次回!




しーゆーねくすとたぁーいむ。