ディズニー映画語り ムーラン2 | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。



はーいどーうもーぉ。



今回は恒例のディズニー・トゥーン・スタジオ回です。トゥーン・スタジオについてはこちらの記事を参照。 



いっとき巷に溢れた所謂「ディズニーヒット作のひどい続編」の主犯格としても名高いこのスタジオですが、これまでも語ってきたように実はとても素敵な作品もいくつも世に送り出しています。


まぁ同じディズニーでも運営からスタッフアニメーターまで全てが違うわけで、このスタジオが作る続編というのは言ってしまえば公式公認の二次創作なわけで、、

そりゃまぁ難しいと思いますよね色々と。


今回はそんなトゥーンスタジオの作品の中から、現在でも高い人気を誇るあのアジアンアクションアドベンチャー続編作品ついて語っていきたいと思います。


(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)


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ムーラン2 

(原題:Mulan II)

2004年

監督

ダレル・ルーニー

リン・サザーランド


データ


1998年に公開されたヒット映画「ムーラン」のトゥーン・スタジオ制作による正式続編作品

2004年OVAとしてソフトリリースされました。


監督は「ライオン・キング2 」「わんわん物語2」等を手掛けたダレル・ルーニー「史上最強のグーフィー・ムービー Xゲームで大パニック!」リン・サザーランド


脚本には「シュレック」で知られるロジャー・SH・シュルマンや実写映画畑のクリス・パーカー等が参加。


音楽は「ティンカー・ベル」シリーズでお馴染みのジョエル・マクニーリー

オリジナル楽曲は「リロ・アンド・スティッチ2」「リトル・マーメイド3」ジャニーン・テソリアレクサ・ジャンジ


前作「ムーラン」の一ヶ月後を描いた後日譚

前作で結ばれたムーランシャンを中心に、新たな事件を描いたアジアンファンタジーアドベンチャーです。


制作に直接関わってはいませんが一作目の監督であるバリー・クックが制作した草案を大元としたストーリーになっています。


主人公のムーランを前作同様ミン・ナ(歌はレア・サロンガ)が担当。

日本語版すずきまゆみさん(歌・伊東恵里さん)が続投しています。


シャン役もB・D・ウォン(歌・ダニー・オズモンド)、日本語版を園岡新太郎さんが続投。


ムーシュー役はエディー・マーフィーからマーク・モーズリーバトンタッチ

日本語版は引き続き山寺宏一さん。


その他、リンヤオチェンポーの三人組などほとんどのメインキャストが前作からのカムバックを果たしています。



又、今作はトゥーン・スタジオの日本チームが制作のメインとなっており、日本人スタッフが多く携わっているのも特徴です。



一作目の高評価と比べると、とくに評論家陣からかなり厳しい批判が多く上がった今作。

中でもストーリーの練りの甘さが多く指摘されました。


しかし一般評価は実はそれほど低くはなく、メインキャストの続投や日本スタッフが中心となって制作された作画、前作で脇を固めていた兵士三人組にフォーカスを当てた展開等が支持され、トゥーン・スタジオによる続編作品の中でも比較的好意的に受け止められている作品と言えます。



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あらすじ



ムーランがフン族の襲来から国を守り、中国の英雄となってから一ヶ月後。

先の戦で知り合ったムーランとシャン将軍は交際を重ねていたが、ついにシャンはムーランに求婚を申し入れる。

ムーランは喜んでそれを受け入れファ家は早くも祝祭ムードとなるが、ムーランの両親ファ・ズーとファ・リーは二人の性格が正反対である事を危惧していた。

そんな時皇帝からの呼び出しが二人にかかる。
新たな脅威を前に、隣国との同盟を画策する中国は政略結婚を計画し、皇女三人を隣国のキ・ゴンへ差し出すと言う。
その皇女三人の護送の任務がムーランとシャンに命令された。

新たな任務を与えられた二人は、護衛役として【あの】三人に声をかける。

一方ムーランが英雄となった事でファ家の守り神へと復帰したムーシューだったが、ムーランとシャンの結婚が実現すればその地位を明け渡さなければいけないルールが発覚していた。

どこか食い違うムーランとシャン。

素敵な恋を夢見る護衛の三人組。
 
国のための名誉な結婚だと覚悟を決めながらも心中複雑な皇女三人。

なんとしても守り神の座を死守したいムーシュー。

それぞれの想いをよそに、ムーランの新たな旅が始まろうとしていた…


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感想



おときちは「ムーラン」本当に好きなんですよね。

現代のディズニー映画の【不自然な程アクティブで強い女性像】じゃなくて【弱い部分もあるけれど、芯の部分は誰よりも強いリアルな女性像】しっかりと描かれている気がして。

そんな「ムーラン」の続編です。

中盤までは作画や音楽も力入っていて「トゥーンスタジオ今回頑張ってるー!」ワクワク観れたのですが……

後半のなんともやっつけな展開と演出に正直ガッカリさせられてしまいました。

途中までは本当良かったのに…


基本的なキャラや世界設定の捉え方等はとっても良かったんですけど、、色々と惜しい部分が本当に多い続編でしたね…

詳しくは↓↓で〜。



ちぐはぐなストーリープロット



一つ一つのパーツはとても良いんですよね。

ムーランとシャンの陰と陽太陽と雨正反対の物同士が協力し合うというテーマ。

皇女三人の自分らしく生きること、自分の声を聞きそれに従い生きることというテーマ。 

ムーシューの自分勝手な行動と、他者への思いやりというテーマ。

そして政略結婚という、歴史設定を反映させた新たな展開

どれも作名のメインとなり得る良いプロットですし、途中まではよく描けていたと思います。

特に皇女達のシークエンスはかなり丁寧に描かれていて、「Like Other Girls」という楽曲とミュージカルシーンの良さも相まってかなり良い展開だったんですが…

折角どれも本当に良いパーツで、良い伏線も貼ってるのに、一つとしてしっかりと着地できていないんですよね。。

ごちゃっとして、ぐちゃぐちゃーっとして、無理矢理終わらせました…みたいなw

特に一番酷いのが肝心のムーランとシャンのシークエンス

あんなに良い感じで伏線はって、お父さんも
【太陽と雨】みたいな深みのある良い感じの事言って陰陽のネックレスなんか渡したりして、どこでこれが回収されるかと思ったら…

太陽も雨も陰も陽も全然関係なかったw

シャンが死んだ(と思わせる演出)のとこまでは良かった。あのシークエンスのムーランはかなり鬼気迫るものがあってとても良かったんですが…その後が…

まず流石にいくらファンタジーと言ってもあの高さから落ちて生きていた事の説明が全くないし…

クライマックスもムーシューの機転で1から10まで皆解決って……
ちょっとやっつけすぎるのではと。。

折角自由になれた皇女と三人組もその後が全くわからないし…。

政略結婚も、かなりシビアな問題を扱ってるのに相手方の陣営をギャグにして色々適当に終わらせちゃってるのも本当に残念でした。

政略結婚ムーランとシャン、どちらか一本にメインを決めてそこをしっかり練りあげてほしかったですね。

折角おいしい具材があるのに、沢山のお湯で煮立たせたら跡形もなく溶けちゃって味が全くしない…みたいな。

そんな感じのストーリープロットでした……

それと、一作目のキーポイントだったムーランアイデンティティ活かすシーンが少しだけでもあれば良かったなぁと思います。

実際にボツとなったスクリプトではムーランが敵のアジトに忍び込む為に再び男装するような展開もあって、、これはぜひ本編に入れて欲しかったですね。


作画音楽の健闘とアクションの欠如





この時期のトゥーン・スタジオ作品としては作画やアニメーションは本当にかなり頑張っているとは思います。

特にムーランとシャン達メインキャラのバストアップでの表情等はかなり良い出来です。

相変わらず画角や構図は致命的に良くないですが…
遠近感どうなってる?
みたいな構図が必ずあるんですよね。

それと今作でもクンフーのシーンプロから指導を受けて作られているのでワリと見応えある出来栄えなのですが、如何せんこのアクションシーンが少なすぎます。
しかも相手が小悪党

前回のシャン・ユーとの激しい見応えのある攻防と比べると……


前述したボツになったスクリプトではかなり大掛かりなアクションが用意されていたようなんですが…重ね重ね残念ですね。

音楽に関しては前作の楽曲から「A Girl Worth Fighting For」リプライズとして持ってきたのが素晴らしいチョイスだと思いました。
リン・ヤン・チェンポーといったらこの曲ですもんね。

そして上でも書いた皇女三人組の秘めたる想いを歌った「Like Other Girls」がとても良い出来です。

ミュージカルシーンの酷さに定評のあるトゥーンスタジオですがこちらはかなり頑張っています

特に曲中に皇女の一人メイが、綺麗に作られた髪をバサッと降ろすシーンなんか凄く良かったですね。

こういう印象的な部分が沢山あっただけに…
重ねてにはなりますが、この皇女達の終盤のドラマをもっとしっかり描いて欲しかったです。

一作目からリン・ヤン・チェンポーの「A Girl Worth Fighting For」拾ってそのアンサーエピソードを用意したという着眼点は本当に良かったと思うんですけどね…。



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まとめ



着眼点とかアイデア本当に良いと思います。
 
タラレバ言っても仕方ないですが本家のWDASでこのアイデアプロット本気で続編映画として作っていたら相当の名作になっていたような予感もします。

作画も決して最高ではないですが、日本のアニメーター達が良く頑張っているんですよね。

音楽に関しては、個人的にはこのトゥーンスタジオの音楽をよく手掛けているジョエル・マクニーリージャニーン・テソリ本家でも全然通用すると感じる程信頼してるミュージックメーカーなので、今作も間違いなかったです。

良い部分も沢山あるんです。

やはり今作の致命的な部分は間違いなく
ストーリープロットの繁雑さ】
…これに尽きると思いますね。

もっとちゃんと制作側の伝えたいことえられる練り込まれた丁寧な構成だったら…

と思わずにはいられません。

思うに一番の失敗は、ムーシューの立ち回らせ方を間違えたところかなぁ…と。

彼はやっぱりあくまで名脇役にとどまらせる事でその魅力を発揮するキャラクターである…とつくづく感じました。

あとはアジアンファンタジーな雰囲気とディズニーコメディエンタメ見事な塩梅だった一作目と比べるとそこも今回ちょっと崩れちゃってましたかね。


この辺のバランスもやっぱり難しいけどとても大事なんですよね…。


ただまぁ、、

個人的には大好きな【ムーラン】という作品とその世界の先を見せてくれたというだけでやっぱり嬉しかったですし、一作目を気に入った方は一度は観ておいて損はないと思います!




「ムーラン2」現在ディズニープラスで配信中です♪




はい。


というわけで今回はこの辺で!



今回も長文駄文にお付き合い頂きありがとうございました♪



また次回。



しーゆーねくすとたぁいむー。


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